「疲れが取れない」40代の不調の原因は?ヨガ講師が考える、不調を乗り切るヒント|#40代のリアル
「だるい」「疲れが取れなくなった」ヨガクラスで40代女性からよくそんな声を聞きます。年齢や更年期のせいにはしたくないけれど、やっぱりこれが加齢というものなのかな。私自身大きく体調の変化を感じているので、疲労を緩和するためにあれこれ試している最中です。今回はヨガ講師目線で、40代の体調の変化について考えてみました。
筋肉量が減ると疲れやすくなる
日常の動作が面倒だと感じるようになったり、疲れやすくなったという人が多い40代。歩く、立ち座りするといった些細な動作を、面倒だと感じるようになったという声もよく聞きます。「おいしょ」といって立つようになったなんていう愚痴も笑。様々な原因があるとは思いますが、一つの可能性として考えられるのが「筋力の衰え」です。
筋肉量は20代以降、少しずつ減少していくといわれています。筋肉が不足すると、血流が悪くなり、疲れを感じやすくなります。また同時に、内臓機能の衰えも出やすくなってしまう。
ヨガクラスで見ていても、その差は顕著です。筋肉があり運動習慣がある人は、断然疲労しにくい。やはり運動習慣がアンチエイジングに繋がるというのは本当なのです!疲れを感じにくくするためにも、筋力を保つことが重要。「面倒だ」と感じているとより動くことが少なくなってしまいますが、運動習慣を身につけていくことでその面倒さは解決されるかも知れません。
疲れが取れないのは自律神経が乱れているから?
40代は、自律神経を整えることにもっと目を向けた方が良いと個人的には思っています。私たちの心身の健康を支える自律神経は、交感神経と副交感神経で成り立っています。交感神経は活動時に働く神経、副交感神経は休息時や就寝時に働くリラックスの神経です。
私がクラスで見る限り、リラックスの神経である副交感神経の働きが弱い人がとても多い。「休む」スイッチを入れることができず、休むべき時にもきちんと休む事が出来ない。その結果疲れが取れにくくなり、いつも疲れた状態が続くようになってしまう。
「ヨガは自律神経を整える」というのはよく知られていることのように思います。ヨガでは呼吸法や、ヨガニドラやリストラティブヨガといったリラックス系のヨガで副交感神経を優位に立たせることができるといわれています。普段疲れが取れない方は、そういったヨガを取り入れてみるのも良いかも知れません。
自分のトリセツをリニューアルする
「若い頃はできたことが今は出来ない」といったセリフを、クラスでよく耳にします。実際私もそうなのですが、、、一方で当たり前のことのように思うのです。ゆらぎの時期でもある40代に、以前と同じように活動すること自体に無理があるのではないでしょうか?
きっと40代は「新しい自分のトリセツ」が必要な時期。特に余白の作り方や、身体や心の休め方といった項目を自分の取扱説明書に追加する時期なのだと思います。
疲れた身体を引きずりながらたくさんのタスクをこなすより、思い切って生活や思考の断捨離をして余白をつくる。つまり、自分をシンプルにしていく。それが疲れを溜めない方法でもあり、自分自身への愛情だとも思うのです。
若さへの執着は疲れる
最後に、マインドのお話です。40代のマインドのゆらぎ、それは若さと老いとのはざまに生まれるもののように思います。特に女性は「もう若くない」現実を突きつけられ、若さへの執着のようなものが大きくなったりする。
私も50歳を目前に、「オバサン」と呼ばれるのが怖かったりします(笑)。世間一般で言われている"オバサン"の年齢ではあるのに、オバサンと呼ばれるのが怖い。でも一方でこのマインドこそが、自分を疲れさせているのだと気がつくのです。
ただでさえ体調が揺らぐ40代に、更にマインドも疲れさせてしまうなんて、自分で自分の首を絞めてしまうようなもの。やはり今の自分を受容しながら愛することが、「疲れない自分」でいる一番の秘訣かも知れないと思うのです。出来ることをして、出来ないことは諦める。完璧を目指さずに、ほどほどな自分にOKを出す。軽やかなマインドで、少しでも疲労感を感じずにゆらぎの時期を過ごしていきたいものです。
AUTHOR
井上敦子
15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。
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