流行の誤情報に踊らされてない?婦人科女医・宋美玄先生に学ぶ「正しい腟の洗い方」

 流行の誤情報に踊らされてない?婦人科女医・宋美玄先生に学ぶ「正しい腟の洗い方」
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ここ数年「フェムテック」という言葉が広まり、巷には「女性のため」という名のもとでさまざまなグッズや情報が溢れています。その中には、革新的なものに紛れて「本当に大丈夫?」 というものも。残念ながら「腟の洗い方」もその一つです。そこで、女医の立場から女性のカラダの仕組みや大切さについて発信している宋美玄先生の最新著書『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』から、腟の正しい洗い方について抜粋してお伝えします。

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性器、もしかしてボディソープで洗ってる?

あなたは毎日、ちゃんと性器を洗っていますか? という質問に対し「ちゃんと洗っています!」と答えた方。では質問その2、「何を使って洗っていますか?」。

「ボディソープで性器周りまで洗っているなら、やめてください。顔は洗顔フォームを使っていますよね? それと同じく、口の中や目、鼻の中などの粘膜には、専用のソープを」と話す、宋美玄先生。

粘膜はデリケートだから、洗浄剤も使い分ける必要があるんだそう。粘膜が露出している性器ならなおさら、からだ全体を洗う洗浄剤は、適してないとのことです。

「私、そうやって洗ってるけど、大丈夫です!」と言う人! 今は平気でも、ボディソープは粘膜にとって刺激が強いため、徐々に肌が荒れたりかゆみが出てきてしまうことも。

「一般的なドラッグストアなどでも、専用のソープが並んでいますので、ぜひ取り入れてみてください」(宋美玄先生)

宋先生によると、さらにデリケートゾーン専用の保湿剤も合わせて使うといいそうです!

性器を洗うって……どこまで洗ってる?ビデ洗浄は「適切とは言いがたい」

性器を洗うことは、自分の体を守る、育むためにもぜひ毎日行いたいところ。なのですが……実は「性器」と聞いて、腟の中まで洗ってしまっている人もいるのだとか。

「腟の中には、元々〝いい菌〟がいるんです。その菌のおかげで、雑菌の繁殖が抑えられているのですが、膣の中をソープで洗ってしまうと、そのいい菌が死んでしまうのです」(宋美玄先生)

こうなると、雑菌が繁殖し、かゆみや炎症などのトラブルにつながります。せっかく体のためを思ってした行為が、反対に痛めつけることになるなんて!

「それと同じように、トイレのビデ洗浄や、市販のビデ洗浄液で腟や腟の内部を洗浄することも、女医の立場から、適切とは言いがたいものです」(宋美玄先生)

宋先生の言葉をまとめると……性器は毎日洗ったほうがいい。でも、専用のソープを使うこと。洗う部分は、大陰唇と小陰唇のヒダの間に溜まりやすい恥垢を優しく取り除き、その内側にある腟(表面に露出してない部分)には触れない、こと!

流行に踊らされないように

宋先生はさらに、今流行している「腟オイルマッサージ」にも警鐘を鳴らしています。

「これについて、いいというエビデンス(証拠)はないですし、女医として、膣粘膜にオイルはおすすめしません」(宋美玄先生)

さらに驚くのが「セックスで女性ホルモンが増える」「子宮が冷えている」「腟が冷える」など、メディアで大きく取り上げられたこともある、これらの話も……実際、そんなことはないのだそう!

自分の体を守る、第一歩とは?

「医学的な注意点に注目し、正しいケアを取り入れましょうね」(宋美玄先生)

簡単に情報が手に入る今だからこそ、自分の体を守るための第一歩として、正しい情報を選ぶ目が必要なのかもしれません。

宋美玄先生プロフィール

丸の内の森レディースクリニック院長。2010年に出版した著書『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)が累計50万部を突破し、話題のカリスマ女医に。2児の母。最新著書は『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』(学研プラス)。

宋美玄
『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』宋美玄・著(学研プラス)

 

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Text by Yuki Ikeda

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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