【腟ナラ】セックス中や運動中に「腟からおならが出る」これって何?改善できるの?泌尿器科医に聞いた
30代を過ぎた頃から、下半身トラブルに悩まされているという人が増えています。その悩みの一つが「腟なら(ちなら)」。シーンと静まり返ったスタジオでポーズ中に「プスーッ」「ブ〜」という空気音が出てしまったり、物を取ろうとかがんだ瞬間、まるでオナラのような音が腟から漏れたり……こんな経験ありますよね。この「腟ナラ(ちなら)」の原因と対策について、泌尿器専門医の鶴信雄医師にお話をうかがいました。
腟ナラの原因は、骨盤底筋のゆるみだった!
「腟ナラは、腟の中にスペースができてしまい、その内腔に外から空気が入り込むことで起こる現象です」と話すのは、泌尿器の専門医・鶴信雄医師。腟の内腔が広がる原因は大きく分けて2つあると言います。その一つが「出産」。胎児を通すために産道(=膣)が物理的に広がるため、経産婦は年齢に関係なく「腟ナラ」が出やすくなるんだそう。
「もう一つが『老化』です。腟ナラは尿失禁とも深く関わっていますが、この2つの現象を発生させてしまうのが、骨盤底筋の衰えです。骨盤底筋は、腟と肛門、尿道を8の字状に包んでいる筋肉で、ここが緩んでくると外部から空気や水が入りやすくなります」(鶴医師)
「腟ナラ」が日常的になっているなら、入浴後まるでお漏らししたかのように、膣から水がジャーと出てくるといった経験をしている人も多いはず。
では、一体どうしたら「腟ナラ」を防げるのでしょうか?
腟ナラ対策:骨盤底筋運動と、骨盤底筋の締め具合をチェックする方法
「肛門をギュッと締めることを1日に3セット(1セット=10回×3)、これを2~3ヶ月継続していただくと、骨盤底筋に緊張ができ、腟ナラや尿失禁改善が期待できます。これはクリニックでも患者さんにお伝えしてきました」(鶴医師)
ただ、今まで指導してきた中で、この力の入れ具合がわからないと言う患者さんが多数いたそう。確かに、「ギュッ」と力を入れても、本当に骨盤底筋に効いているのか正解がわからないもの。そこで、自分でチェックする方法を教えてもらいました。
「お風呂に入って、ご自分の腟に指を入れていただき、その状態で肛門に力を入れてください。そのときに、指が腟からの圧を感じられたら、ちゃんと骨盤底筋が鍛えられています」(鶴医師)
もちろん、ヨガで骨盤底筋を鍛えることも可能です。
「下腹部にゆっくり力を入れて動くと、骨盤底筋を含むインナーマッスルを鍛えることに効果的です。なので、『膣ナラ』対策として、以前からヨガは注目されているんですよ」(鶴医師)
それでもまだ腟ナラが出るなら……
「2~3ヶ月も地道に頑張れない!すぐに改善したい!」という人のために、最新の治療があるとのこと。
「自由診療になりますが、最近では、腟にレーザー治療を施し、腟内部の粘膜や結合組織を代謝・再生させる治療もあります」(鶴医師)
骨盤底筋も筋肉の一つなので、使わないままでいると衰えてしまうんだそう。「腟ナラ」が気になるなら、まずはヨガや運動などのアクションを起こす必要がありそうです。
ただ、「腟ナラ」に関して1つだけ注意が!腟ナラは本来無臭ですが、もし腟ナラに異様なニオイがあるなら、それは病気が考えられるとのこと。腟ナラに異臭を感じたら、今すぐ病院へ。
教えてくれたのは……鶴 信雄先生
神戸市生まれ。20年以上にわたり、泌尿器科専門医として大学病院、地域の基幹病院に勤務後、静岡県浜松市にて、プライバシーに配慮した診察を掲げる「鶴 泌尿器科クリニック」を開業する。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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