私たちは生き方を選べる|多様性の時代は幸せの物差しも存在しない?【40代のリアル】

 私たちは生き方を選べる|多様性の時代は幸せの物差しも存在しない?【40代のリアル】
Getty Images
井上敦子
井上敦子
2021-12-24
広告

多様な価値観を認めるって実は難しいことなのかも

そして現在、私たちが生きているこの時代では、多様であること・多様な価値観を受け入れることがスタンダードになりつつあります。つまりは、生き方を自由に選べる。以前よりも人と違う道を選びやすくなったし、幸せも人それぞれだという風潮が強くなりました。もう分かりやすい幸せの物差しは存在しないように思います。

それって、皆がハッピーになれて素晴らしいことだね!良い変化だね!と言いたいところですが、そう単純な話でもないような気がしています。それは既存の価値観が外側ではなく、私たちの内側にも根付いているからです。

人間の価値観は18歳までに決まる、という話を聞いたことがありますが、幼少期から培ってきた価値観というのは案外強固です。大人になってからその価値観をリニューアルさせるためには、既存の価値観の破壊が必要になってくる。時代の変化と共に自動的に私たちも変化をしていていくように見えるかも知れませんが、多くの場合は意思を持って(もしくは無意識下でも)自分で自分に変化をもたらしている。それを選んでいるのです。

「頭では理解しているけれど、実際は何か違和感があるんだよね」といった感覚があるのも、内側で新しい価値観と既存の価値観がせめぎ合っている証拠。その自分を変えるか変えないか?は自分で選ぶ必要がありそうです。分かりやすい物差しがないということは、その物差しを自分で作る必要があるということ。おそらく私たちは今まで以上に、自分の頭で考え判断するといった力を必要とされているのでしょう。

幸せも価値観も自分で選ぶために

多様な価値観が重んじられる時代は、様々な属性の人たちが生きやすい時代です。特に、いわゆる"マジョリティ"を歩いてこなかった人たちにとっては。でも同時に、従来の日本的価値観を持つ人が「人それぞれに色んな幸せがあるよね」と心から思えるようになるには、まず自分の内側の価値観を破壊していく必要がある。そして、自ら考え判断する力で価値観を選んでいく必要がありそうです。

決めつけたりや偏った見方をしていると気が付いたら、その自分を根っこから変えようとしてみる。あえて正反対の意見を持つ人の声に耳を傾けてみたり、到底理解できないなと感じている事柄に対して想像力を働かせてみたり。

そして既存の価値観を自分仕様にリニューアルしていく。その仕様を自分で選べるって素晴らしいことだし、またハードなことでもあるかも知れません。多分私たちはかつてないほど、生き方と幸せを自分で選べる時代を生きています。その自由を享受しながら、納得し胸を張って生きていけるような選択を個々にしていけたら素敵ですよね。

広告
  • 2
  • /
  • 2

AUTHOR

井上敦子

井上敦子

15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆等ヨガニードラの普及に努めている。



RELATED関連記事