朝ごはんにのせるだけ!体脂肪を減少させる働きをもつ食材とは?|管理栄養士が解説
昆布は、出汁をとったり煮物の具材にしたりと、和食に欠かせない食材です。近年の研究により、その昆布に体脂肪を減少させる働きが期待できることが明らかになってきました。この記事では、昆布と体脂肪の関係や、手軽に食べられる「塩昆布」を使った取り入れ方について管理栄養士が解説します。
研究で注目された、昆布と体脂肪の関係
おでんの結び昆布やおせち料理の昆布巻きなど、日本人にとって身近な食材である昆布。近年の研究により、その昆布に体脂肪を減らす働きが期待できることが報告されました。
ある研究で、ヨウ素の含有量を低減した昆布の粉末をクッキーに配合し、肥満傾向のある男女が一定期間にわたり食べ続けた場合の体の変化を調べました。その結果、とくに男性において体脂肪率が低下する傾向が確認されたのです。
この研究で注目されたのが、昆布に含まれる「アルギン酸」と呼ばれる成分です。アルギン酸は、海藻のなかでも昆布やわかめ、ひじき、もずくなどの「褐藻類」に含まれる食物繊維の一種です。海藻特有のぬめりのもとになる成分でもあります。
研究では、昆布のアルギン酸が、食事から摂取した余分な糖質や脂質と一緒に体外へ排出されることで、体脂肪率の低下につながったと考えられています。
体脂肪の減少だけじゃない昆布のチカラ
アルギン酸に期待できる働きは、体脂肪率の低下だけではありません。今回の研究では、血圧の低下や腸内環境の改善といった変化も見られました。
血圧が低下したのは、体内の余分なナトリウムがアルギン酸と結合し、体外へ排出されたためと考えられています。また、アルギン酸は腸内の善玉菌のエサとして利用されることから、腸内環境を整える働きも期待できます。
研究では、善玉菌のなかでも酪酸を作り出す細菌の割合が増えたことが確認されました。酪酸は短鎖脂肪酸の一種で、交感神経に働きかけてエネルギー消費量を増やし、脂肪を燃焼しやすくする働きがあると考えられています。
アルギン酸は、褐藻類のなかでも昆布にとくに多く含まれるとされています。アルギン酸を効率よく取り入れるなら、昆布を選ぶとよいでしょう。
適量の塩昆布で体を変える習慣を
昆布は水に戻したり、じっくり煮込んで味を含ませたりと、調理に手間がかかるイメージがあるかもしれません。そこでおすすめしたいのが塩昆布です。
塩昆布であれば、そのままご飯にのせるだけでおいしく食べられます。さらに、塩昆布はうまみが凝縮されているため、調味料として使ってもよいでしょう。和え物や炒め物、炊き込みご飯などに加えれば、手軽にうまみたっぷりの一品が完成します。
なお、海藻に含まれるヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる栄養素ですが、摂りすぎると甲状腺肥大などの疾患につながる可能性があります。
また、昆布には血圧を低下させる作用が期待されているとはいえ、塩昆布の塩分が血圧に悪影響を及ぼすことも考えられるため、食べすぎは禁物です。塩昆布を取り入れる際は、1〜2g程度の少量にとどめる、毎日食べ続けるのは控えるといった配慮が必要です。
どのような食材も、体によいからといってたくさん食べるのではなく、適量を意識して取り入れることが健やかな体づくりにつながります。手軽に食べられる塩昆布を、日々の食事の中で上手に活用してみてください。
【参考文献】
Seiichiro Aoe et al., Effects of Daily Kombu (Laminaria japonica) Intake on Body Composition, Blood Pressure, and Fecal Microbiota in Healthy Adult Japanese: A Randomized, Double-Blind Study. Food Science and Nutrition. 2025, May;13(5):e70298.
大学プレスセンター「大妻女子大学の青江教授らによる研究で、昆布の連続摂取に体脂肪量や体脂肪率・収縮期血圧の低下等の効果があることが明らかに」
木村郁夫「腸内細菌叢を介した食事性栄養認識受容体による宿主エネルギー恒常性維持機構」薬学雑誌. 2014, Vol.134, p.1037-1042
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