【お茶か?コーヒーか?】その選択が高齢女性の骨粗しょう症リスクを左右する!?研究が示唆

【お茶か?コーヒーか?】その選択が高齢女性の骨粗しょう症リスクを左右する!?研究が示唆
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2025-12-24

高齢女性において、お茶を飲む習慣と骨の強さに関連性が見られた。

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オーストラリアのフリンダース大学による新たな研究によると、日々のお茶かコーヒーかという選択が、女性の骨の健康に影響する可能性があるという。

お茶とコーヒーが骨に与える影響を検証

この研究では、65歳以上の米国の女性約9700人を対象に、約10年間の追跡調査を行った。参加者は期間中の4回の調査においてコーヒーやお茶の摂取習慣を自己申告した。あわせて骨の健康に関するデータを収集し、骨折リスクと強く関連する股関節と大腿骨頸部の骨密度をX線で測定した。骨粗しょう症は世界的に深刻な健康問題で、50歳以上の女性では3人に1人が影響を受け、毎年数百万件の骨折につながっている。骨代謝を支えるホルモンであるエストロゲンの分泌が閉経後に低下するため、高齢女性は骨粗しょう症のリスクが特に高まる。卵巣を摘出する手術もまた、同様の影響をもたらす。コーヒーやお茶は世界中で日常的に飲まれており、その骨の健康への影響を明らかにする重要性が高まっている。ただ、これまでの研究結果は一貫しておらず、これほど長い期間にわたって関係を追跡した研究は限られていた

 

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お茶とコーヒーで異なる骨への影響

結果、お茶を飲む人は飲まない人に比べ、股関節全体の骨密度がわずかに高いことが分かった。その差は小さいものの、統計的に有意だった。「骨密度のわずかな改善でも、大規模な集団では骨折の減少につながり得る」と、フリンダース大学医学・公衆衛生学部非常勤准教授エンウー・リウ氏は述べている。

コーヒーについては結果が一様ではなかった1日2杯から3杯程度の適度な摂取では骨の健康への悪影響はみられなかったが、1日に5杯を超えると骨密度の低下と関連していた。過剰な摂取は骨の健康に不利に働く可能性が示された。また、生涯のアルコール摂取量が多い女性ではコーヒーの悪影響がより強く表れる傾向があった。このことから、コーヒーとアルコールを併せた場合、骨の健康への影響が強まる可能性がある。一方で、肥満のある女性では、お茶の摂取が特に良い影響をもたらす可能性が示された。フリンダース大学医学・公衆衛生学部の研究者ライアン・リウ氏は、お茶に豊富に含まれるカテキンと呼ばれる成分が骨の形成を促し、骨の分解を遅らせる可能性があると述べた。

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毎日の1杯が骨の健康を支える可能性

この研究の参加者は大半が白人女性であり、結果がより幅広い集団に当てはまるとは限らない点に注意が必要となる。

今回の結果は、コーヒーをやめたり、大量にお茶を飲み始めたりする必要があるという意味ではない」とエンリー・リウ氏は話す。そのうえで、「適度なお茶の摂取は骨の健康を支える手軽な方法になり得る一方、特にアルコールを飲む女性では、過剰なコーヒー摂取は理想的とは言えない可能性がある」と述べた。さらに、「カルシウムやビタミンDが骨の健康の基本であることは変わらないが、日常的に飲むものも影響を及ぼす可能性がある。高齢女性にとって、毎日の1杯のお茶は心を落ち着かせる習慣となるだけでなく、骨を強くするための小さな一歩になるかもしれない」と語った。

出典
https://news.flinders.edu.au/blog/2025/12/11/tea-linked-to-stronger-bones-in-older-women/

https://www.sciencealert.com/choice-of-tea-or-coffee-could-influence-risk-of-osteoporosis-in-older-women

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