〈健康寿命を延ばす食事〉40〜50代の【骨の老化】を止める食べ物とは?管理栄養士が解説

 〈健康寿命を延ばす食事〉40〜50代の【骨の老化】を止める食べ物とは?管理栄養士が解説
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鈴木亜子
鈴木亜子
2024-12-30

40代、50代を迎えると、身体のさまざまな変化を感じ始める頃ではないでしょうか。とくに女性は更年期と重なり骨密度の減少が進み「骨粗しょう症」のリスクが高まります。 骨粗しょう症による骨折は日常生活の質を大きく低下させるだけでなく、寝たきりになる原因にもなりかねません。 この記事では、40~50代の骨の老化を止める効果が期待できる食べ物について解説します。適切な食生活で骨の健康を維持し、骨粗しょう症を予防しましょう!

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骨の健康に関わる栄養素

骨の健康維持に欠かせない栄養素として知られているのがカルシウムですが、その他にも以下のような栄養素が挙げられます。

●たんぱく質

●ビタミンD

●ビタミンK

●カルシウム

●マグネシウム

その他、以下のような機能性成分も骨の健康維持に役立つとされています。

●イソフラボン

●β−クリプトキサンチン

骨の老化防止に役立つ食べ物

骨の老化防止に役立つ食べ物には、魚類や乳製品、大豆製品などがあります。いずれも骨の健康に大きく関わる栄養素を含む食品。詳しく見ていきましょう。

魚類

骨を構成するカルシウムに加え、カルシウムの吸収を高めるビタミンDの摂取源となる食べ物が魚。とくに骨ごと食べられる小魚は、カルシウムの摂取に有効です。

また、骨の強度やしなやかさに関与する「コラーゲン」はたんぱく質の一種。良質なたんぱく質を豊富に含む魚が役立つでしょう。

牛乳・乳製品

牛乳や乳製品に含まれる栄養素といえば、カルシウムを思い浮かべる方も多いでしょう。

乳製品の特長はカルシウムが豊富であることだけではなく、吸収率が高いこと。効率的なカルシウムの摂取に役立ちます。AdobeStock

大豆・大豆製品

大豆や大豆製品にはカルシウムが多く含まれています。大豆製品のうち、納豆にはビタミンKも豊富です。ビタミンKは、カルシウムを骨に沈着させて強度を高めることに役立ちます。

また、大豆に含まれるイソフラボンを十分摂取することで、骨粗しょう症の予防効果が期待できるといった報告もあります。

野菜類・きのこ類・海藻類

野菜類、特に緑黄色野菜にはビタミンKが多く含まれています。きのこ類にはビタミンD、海藻類にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富です。

マグネシウムが不足すると骨の形成に異常をきたします。カルシウム同様に十分な摂取が必要です。

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柑橘類

カロテノイドの一種であるβ−クリプトキサンチンには、骨代謝に働きかけることで骨粗しょう症の予防が期待できるといわれています。β−クリプトキサンチンを多く含む代表的な食べ物は、温州みかんやオレンジなどの柑橘類です。

だいだい色の色素成分であるβ−クリプトキサンチンは、接種すると体内でビタミンAに変わる「プロビタミンA」としての働きのほか、抗酸化作用があることでも知られています。

骨の老化防止にはバランスのよい食事や運動・日光浴も重要

骨の老化防止には、特定の栄養素を摂取するだけでなく、偏った食生活も改善すべき。たとえば、塩分やカフェイン、アルコールの過剰摂取は骨密度を低下させる要因となります。

また骨を強くするためには、適度な運動も欠かせません。ウォーキングやジョギングなどの重力のかかる運動、筋トレなど、骨に刺激が加わる運動が効果的です。

さらにカルシウムの吸収をサポートするビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で生成できます。適度に日光に当たることも意識してみましょう。

まとめ

40~50代は、高齢期の健康を考えるうえで重要な時期。健康寿命を延ばすためには、骨の健康にも気を配る必要があります。積極的に骨を強くする食生活を送り、いつまでも元気に活動できる体づくりを目指しましょう。

 

参考文献

骨粗鬆症の予防のための食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

大豆イソフラボンの骨代謝調節作用(石見佳子)|日本栄養・食糧学会誌 第76巻 第5号 291-296 2023

マグネシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)

β−クリプトキサンチン研究最近の進歩(矢野昌充、生駒吉識、杉浦 実)|国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所研究報告 第4号 2005

骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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鈴木亜子

鈴木亜子

管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。



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