〈体の老化〉予防に雑穀が効果的!管理栄養士が教える、今日から雑穀を取り入れるべき理由
「雑穀」と聞くと健康に良さそうなイメージがありつつも、食べることでどんなメリットがあるのかわからないという方もいるのではないでしょうか。雑穀はダイエットや美容によいのはもちろんですが、実は老化予防も期待できます!本記事では、雑穀マイスターを取得した筆者が、雑穀を食事に取り入れていただきたいおすすめポイントを3つご紹介します。
そもそも雑穀とは?
雑穀には、実は「どの種類を入れなければならない」といった明確な決まりはありません。一般的に流通している雑穀ミックスは、黒米や赤米といった古代米、大麦、あわ、きび、大豆、ごまのほか、スーパーフードとしても流行したキヌアやアマランサスが使用され、多いものでは30種類もの穀物がブレンドされている商品もあります。白米に混ぜ込む場合、1食における雑穀の摂取量はそこまで多くはないものの、ビタミン・ミネラルなどの栄養成分や食物繊維を手軽にプラスできます。
おすすめポイント①さまざまな栄養素が豊富
雑穀の栄養面の一番の魅力は、食物繊維が豊富なことです。実は精白米は食物繊維量が少なく、100gあたり不溶性食物繊維が0.5gに対し、水溶性食物繊維はほとんど含まれません。
一方で雑穀に含まれる食物繊維量をみてみると、たとえば同量あたりの大麦(押麦)には不溶性が5.5g、水溶性が6.7g含まれます。キヌアは不溶性は4.7g、水溶性は1.5gです。小豆や大豆といった雑穀ミックスに使用される豆類にも、食物繊維はたっぷり含まれます。
食物繊維のみならず、たとえばアマランサスはビタミンB群の一つである葉酸のほか、鉄やマグネシウム、亜鉛といったミネラルも豊富に含みます。
このように、多種類の雑穀を組み合わせて食事にプラスすることで、白米のみを食べるよりも栄養価をアップすることができます。
おすすめポイント②老化予防に効果的なポリフェノールを含む
「抗酸化物質が老化予防によい」という話をテレビや雑誌などで見聞きされたことがある方も多いでしょう。体内で増え過ぎた活性酸素は細胞を傷つけ、酸化ストレスを引き起こすことで老化を促進するといわれています。その活性酸素のはたらきを抑える作用をもつのが、抗酸化物質です。抗酸化物質には、ビタミンエース(ビタミンA,C,E)やポリフェノールなどがあります。
雑穀にはポリフェノールを含む種類が数多くあります。たとえば黒米のアントシアニン、赤米のタンニン、そば米のルチンなどです。これらは抗酸化作用をもつだけでなく、さまざまな機能性をもちます。アントシアニンはブルーベリーでおなじみのとおり、目の機能の改善に役立つといわれていますし、タンニンは収れん作用による整腸効果、ルチンは血管の健康維持にも寄与します。このように、雑穀を食べることで栄養成分とともにさまざまな機能性成分をまとめて摂ることができ、健康作りに役立てられるといえます。
おすすめポイント③よく噛むことによる健康効果も
雑穀に含まれる成分について解説してきましたが、雑穀は食感を楽しめることもポイントです。キヌアやきびのプチプチ食感、黒大豆や小豆のホクホク感、黒米や赤米のしっかりとした歯ごたえなど、さまざまな食感があることから、雑穀はよく噛んで食べる必要があります。ゆっくりよく噛んで食べることは、満腹感を味わいやすくダイエットにも効果的です。また、子どもが生まれて以来早食い気味になったと自覚のある筆者も、白米を雑穀米に変えたことで、咀嚼の回数が増えたと感じています。よく噛んで食べることは唾液の分泌を促し消化を助けるとともに、脳の活性化にも役立ちます。
雑穀を取り入れることで楽しみながら健康に!
本記事では、主に栄養と老化予防の観点で、雑穀のおすすめポイントを3つ紹介しました。雑穀は健康のメリットがあるのはもちろんですが、白米に混ぜて炊き込むことでご飯の風味が良くなるとともに、彩り豊かで食卓が華やかになります。ぜひ毎日の食生活に雑穀を取り入れてみてください。
〈参考文献〉
・正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学|吉田企世子,松田早苗|高橋書店
AUTHOR
栗城智子
大学卒業後、食品メーカーにて商品開発や品質保証の業務に従事し、管理栄養士を取得。特定保健指導やドラッグストア勤務において、人々の食事や健康、サプリメントに関する悩みに寄り添う。上記資格のほかフードスペシャリスト、離乳食・妊産婦食アドバイザー、日本化粧品検定1級、アロマテラピーアドバイザーなどの資格を保有。食と健康について学びを続けている。現在は子育てをしながら管理栄養士ライターとして執筆や商品監修に携わる。
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