お茶が楽しくなる季節はこれから（1）京都の暮らし「カフェのテーブル茶道」に出会って
女性の人生の中で心身が大きく変化する”更年期”…何でも、日本女性がもっとも落ち込みやすいのは49歳だという統計もあるとか。でも、わたしは、50歳前後の複雑なはずの時期、自分の年齢をまったく気にせず、元気に過ごしてしまいました。むしろ京都に移住する前の40代半ばのほうがつらかった気がします。うまく切り抜けられたのは、京都に住んだおかげだったのかもしれない…と50代に入って数年経った今、すごく思うのです。この連載では、そんなわたしが40代、京都で見つけた「幸せの秘密」を探っていきたいと思います。
以前、お話ししたように、2016年に京都に移住後、週末農学校に通ったり、隣に貸し農園のあるマンションに引っ越したり。初めにしたことは、「農ある暮らし」の実践でした。小さな区画で、農業というほどのものではないのですが、京都の土や水になじめた気がしています。畑を通じて少しずつ知り合いも増えて、基盤づくりができていきました。
その後、2018年から2019年に出合ったのが蘭のフラワーエッセンスやセラピューティックエナジーキネシオロジー、クラシカルホメオパシーといった自然療法の世界。セルフケアができるようになったおかげで、2020年に世の中がパンデミックに突入しても、締め切りを落とすこともなく、乗り切ることができた気がします。
週末農学校を卒業して時間もあったことから、2018年には習いごともいくつか始めています。そのひとつがテーブル茶道。東京にいる頃から茶道に興味はあったものの、なかなか足を踏み入れられないでいましたが、ある日、自宅のポストに舞い込んだチラシに目が止まりました。地下鉄烏丸線の鞍馬口のカフェで茶道が習えるというのです。
写真の先生がとてもお若くて、可愛らしかったこと。それでいて、裏千家の准教授の資格もおもちで、東京の渋谷や日比谷でも教えていらっしゃるというしっかりしたバックグラウンド。「この先生なら習ってみたいかも」と直観で思って、体験レッスンに申し込んでみたのです。
京都の人は、新しもの好きの割には慎重で、すぐには飛びつかないという噂どおり、初回のレッスンの生徒は、わたしとカフェのスタッフとのふたりきり。それでも、先生はおきもの姿で、掛け軸やお花、お菓子などを季節に合わせて用意してくださいました。棗にお抹茶を張り、お点前をいただいてから、帛紗の使い方、お抹茶の点て方まで、本当にご親切でした。お茶を飲みに行くような気軽な感じだったことから、継続を決めました。
畑や自然療法は、自分にとってはそれなりに切実な理由がありました。でも、お茶はとくに目的があるわけではなかったのが逆に功を奏しました。純粋な趣味として、続けることができたのだと思います。
→【記事の続き】お茶が楽しくなる季節はこれから（２）心を支えてくれる、伝統のお稽古場でのレッスン、はこちらから。
文/Saya
東京生まれ。1994年、早稲田大学卒業後、編集プロダクションや出版社勤務を経て、30代初めに独立。2008年、20代で出会った占星術を活かし、『エル・デジタル』で星占いの連載をスタート。現在は、京都を拠点に執筆と畑、お茶ときものの日々。セラピューティックエナジーキネシオロジー、蘭のフラワーエッセンスのプラクティショナーとしても活動中。著書に『占星術ブックガイド〜アストロロジャーとの対話集〜』（説話社）他。
ホームページ sayanote.com
Instagram @sayastrology
写真/野口さとこ
北海道小樽市生まれ。大学在学中にフジフォトサロン新人賞部門賞を受賞し、個展・グループ展をはじめ、出版、広告撮影などに携わる。ライフワークのひとつである“日本文化・土着における色彩” をテーマとした「地蔵が見た夢」の発表と出版を機に、アートフォトして注目され、ART KYOTOやTOKYO PHOTOなどアートフェアでも公開される。活動拠点である京都を中心にキラク写真教室を主宰。京都芸術大学非常勤講師。
ホームページ satokonoguchi.com
Instagram @satoko.nog
AUTHOR
Saya
アストロロジー・ライター。東京出身、京都在住。早稲田大学卒業後、ライフスタイルの編集者を経て、アストロロジー・ライターに。「エル・デジタル」、「LEEweb」の星占いも好評。現在は、京都で夫と二人で暮らし、星を読み、畑を耕す傍ら、茶道のお稽古と着物遊びにいそしむ日々。新刊、『占星術ブックガイド〜星の道の歩き方、アストロロジャーとの対話集〜』（5500円/説話社）が好評発売中。
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