隣に貸し農園のあるマンションに引っ越して(2)手抜き農業でも、自分で作る野菜はやっぱりおいしい!

 隣に貸し農園のあるマンションに引っ越して(2)手抜き農業でも、自分で作る野菜はやっぱりおいしい!
Saya
Saya
2024-06-07

女性の人生の中で心身が大きく変化する”更年期”…何でも、日本女性がもっとも落ち込みやすいのは49歳だという統計もあるとか。でも、わたしは、50歳前後の複雑なはずの時期、自分の年齢をまったく気にせず、元気に過ごしてしまいました。むしろ京都に移住する前の40代半ばのほうがつらかった気がします。うまく切り抜けられたのは、京都に住んだおかげだったのかもしれない…と50代に入って数年経った今、すごく思うのです。この連載では、そんなわたしが40代、京都で見つけた「幸せの秘密」を探っていきたいと思います。

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マンションの下見で偶然、隣接した貸し農園を発見。南がひらけていて、小川も流れている。ベランダからは五山の送り火の「大文字」(如意ヶ嶽)も見られる。そんな環境にひと目惚れして、引っ越しを決めたこと。無事に区画を借りられたことを(1)ではお話ししました。

幸運にも、この貸し農園では30年以上、無農薬栽培を守ってきたとのこと。有機農法の学校での学びも活かすことができました。初めに借りられたのは1区画だけですが、土づくり、畝づくりなどのとりあえずの基礎ができていたのを見ていただいたのか、程なくして、もう1区画、日当たりのよい場所を借りられることに。それ以来、50平米ほどの小さな畑で、野菜づくりを続けています。

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畑をやっていると言うと、京都でもかなり北のほうに住んでいると思われやすいのですが、ここは下鴨神社からもほど近い、便利なエリア。地下鉄の駅やバス停、スーパーも近い、郊外型の暮らしを楽しんでいます。

この規模の畑なら、毎日やらないといけないわけでもありません。野菜の顔ぶれが変わる春と秋の一時期だけ熱心にやれば十分。星占いの繁忙期である冬の間などは収穫だけで、ほとんどやらなくて済む。このサイクルは、仕事をしているわたしにはありがたいことでした。

また農学校では育苗まできちんと教えてくれたのですが、京都の北のあたりでは比較的、よい苗が手に入ることもあり、苗は買っています。つまり、品種によっては、完全無農薬ではなく、減農薬や栽培中農作不使用で育てているのです。

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それでも、野菜のチェンジの時期こそ寂しくなるものの、年のうち半分以上は、ふたり暮らしでは食べきれないほどの量を収穫できています。同じ農園の方から、余った野菜をお裾分けいただくことも多いので、旬の野菜はほとんど買わずに済むのです。

京都には有機農法の農園も多く、オーガニックの野菜は、近所のスーパーでも普通に並んでいます。自分で作らなくてもいいくらいですが、冬はダイコン、ハクサイ、ニンジン、ネギ。春先はワケギ、初夏は大量の新タマネギやニンニク、夏はミニトマトやゴーヤ、ナス、キュウリ……。料理する直前に採ってきた野菜のおいしさは格別。東京では料理をしなかったわたしですが、素材がよいと技術がなくても、それなりの味になるもの。畑仕事については時に面倒だと思うこともあるものの、おいしさのおかげで、なんとか続いています。

→【記事の続き】隣に貸し農園のあるマンションに引っ越して(3)学校のような貸し農園で、楽しみながら畑を続けられた、はこちらから。

文/Saya

東京生まれ。1994年、早稲田大学卒業後、編集プロダクションや出版社勤務を経て、30代初めに独立。2008年、20代で出会った占星術を活かし、『エル・デジタル』で星占いの連載をスタート。現在は、京都を拠点に執筆と畑、お茶ときものの日々。セラピューティックエナジーキネシオロジー、蘭のフラワーエッセンスのプラクティショナーとしても活動中。著書に『占星術ブックガイド〜アストロロジャーとの対話集〜』(説話社)他。

ホームページ sayanote.com
Instagram     @sayastrology

写真/野口さとこ

北海道小樽市生まれ。大学在学中にフジフォトサロン新人賞部門賞を受賞し、個展・グループ展をはじめ、出版、広告撮影などに携わる。ライフワークのひとつである“日本文化・土着における色彩” をテーマとした「地蔵が見た夢」の発表と出版を機に、アートフォトして注目され、ART KYOTOやTOKYO PHOTOなどアートフェアでも公開される。活動拠点である京都を中心にキラク写真教室を主宰。京都芸術大学非常勤講師。

ホームページ satokonoguchi.com
Instagram  @satoko.nog

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アストロロジー・ライター。東京出身、京都在住。早稲田大学卒業後、ライフスタイルの編集者を経て、アストロロジー・ライターに。「エル・デジタル」、「LEEweb」の星占いも好評。現在は、京都で夫と二人で暮らし、星を読み、畑を耕す傍ら、茶道のお稽古と着物遊びにいそしむ日々。新刊、『占星術ブックガイド〜星の道の歩き方、アストロロジャーとの対話集〜』(5500円/説話社)が好評発売中。



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