フットワークが軽い大人の女性になりたくて…初めてのひとり赤ちょうちん体験記【連載 #発酵適齢期】

 フットワークが軽い大人の女性になりたくて…初めてのひとり赤ちょうちん体験記【連載 #発酵適齢期】
canva
高木沙織
高木沙織
2023-05-03
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いざ、ひとり・赤ちょうちんデビュー

みぞれ混じりの19時。地下鉄・某駅からGoogleマップを頼りに歩いて5~6分。細い小道を入ったところに、「これぞ、赤ちょうちん!」と言わんばかりの大きな赤いちょうちんを掲げたお店を発見。

外から覗いてみると、横長のカウンター席はひとでいっぱい。にぎやかな笑い声を通り越して、爆笑が聞こえてきます。(ここに…ひとりで入っていいものか。ていうか私、いきなりハードルが高いお店に来ちゃった?)と、場違い感を否めずに一瞬ひるんでしまう。

入り口の前でモジモジしていると、次の瞬間——。ガラッと戸が開き、店員さんがお出迎え。中から見えていたんですね、いい大人が恥ずかしい…。さて、コーナーを曲がった先の席に案内してもらうと、ちょこんと着席します。こっそり店内を見渡すと、1人で来ている男性や女子大学生たち、男女混合の友達同士、大人のカップルなどなど、客層はバラバラ。見知らぬ女がひとりで入ってきたことなんて、誰も気にしていない様子。自意識過剰な私は、ちょっと安心。壁に貼られた手書きのメニューに視線を移し、ビールを注文すると——。なんと、店員さんの掛け声で全員で「乾杯!」。

京都のなかでも初めての土地、初めてのお店、初めて会う人たちなのに、なにこの一体感。店員さんもお客さんも、自然に会話に混ぜてくれる。まるで、遅れてきた友達に接するかのように、ごく当たり前に受け入れてくれるの…嬉しいっ! 海鮮中心の料理は鮮度抜群で、最高。誰かと一緒のときとは違って、自分のペースで飲みたいものを飲みたいだけ。食べたいものを好きなだけ…。(これって、大人の楽しみ方じゃない?)なんていい気分になってきたときには、サワラの炙りや白子ポン酢、枝豆のかき揚げをペロリ。3杯目のビールジョッキは、空っぽに。揚げ句、学生さんの進路相談にのっている私。…この空間、楽しい。

お店の方やいらしていたお客さんたちがステキだったというのは大前提だけれど、フットワークの重さを振り切ってここに来た私も…ちょっとエライ。だって、そうじゃなかったら、こんな時間は過ごせなかった。来てよかった、また行きたいという最高の気分で、ホテルに帰るのでした。

なんかこう…大人になると、生活のルールやパターンがどうしても固定化されやすくなる。これまでに培ってきた安心感みたいなものがあるのかもしれません。さらに私の場合は、ひとりで過ごす時間が増えると自分主体の独りよがりな生き方になってしまう。思考もカチッと凝り固まって、ものごとへの柔軟性が乏しくなる。その結果、新しいこと・ものからは遠ざかるばかり…。こだわりがあるのはいいのだけれど、絡みにくい頑固な人にはなりたくないのです。そんななか、今回の初体験をとおして、まだまだどこにでも行けて、なんでもできるじゃん・変われるじゃんと単純な私は憑き物が落ちた気がしています。人と話してたくさんの「なるほど」「そうなんだ」という気づきに触れることができたし、想像以上にすんなりとそれを受け入れることができた。自分のなかに、そんな余白が残っていただなんて。はぁ、新しいなにかに触れることって本当に大事ですね。熱が冷めやらぬうちに、どんどん挑戦していきたい。ちなみに、次に狙っている初体験はサウナでサ活です。

ではまた、第6回で。

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高木沙織

高木沙織

ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。



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