待ち合わせの相手に気を使わせないのは、何分前? 「時間前行動」を考える【連載 #発酵適齢期】

 待ち合わせの相手に気を使わせないのは、何分前? 「時間前行動」を考える【連載 #発酵適齢期】
canva
高木沙織
高木沙織
2023-12-31

22回目の『発酵適齢期』。テーマは、「時間前行動」です。

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こんにちは。ライターの高木沙織です。

時間の流れは、いつ・いかなるときも、そして誰に対しても等しく寸分の狂いもない――。ただ違うのは、その感じ方使い方

22回目の『発酵適齢期』、今回は相手に気を使わせない時間前行動の仕方について考えてみました。

待ち合わせ時間より前に、相手の姿を見かけたら?

仮に、あなたをAさんとします。Aさんは、友人Bさんと待ち合わせをしているのですが、約束の時間までに済ませたい用事があって、30分早く駅に着いたとしましょう。すると、Bさんが悠々と時間を潰している姿を目撃します。これには、「あれ……私、時間を間違えた?」と一瞬焦りますよね。

そして、時間を間違えていないことがわかったあとのAさんは、「まだ早いけれど、声をかけるべき?」「いや、Bさんも何かやりたいことがあって、早く来ているのかも」と、頭を悩ませてしまうかもしれません。さあ、どうする? 

私個人の考えをいうと、Aさんは滞りなく用事を済ませて、何事もなかったかのように時間どおりに待ち合わせ場所へGo! だけど、これは私が常にリアルBさんの立場だからそう思うのであって、優しいAさんは、「Bさんを待たせてはいけない!」と少なからず時間を巻こうとしてくれることでしょう。

もしかしたら私は、Aさんのような思いをかれこれ20年近くいろいろな人にさせてきたのかもしれません。そうだとしたら、実に申し訳ない。そもそも、私が時間前行動をするようになったきっかけは、20代の頃に勤めていた航空会社での“オンタイム(定刻どおり)”厳守の教えにあるように思います。飛行機を定刻で出発させるためのさまざまな業務は、1分の遅れも許されません。このご時世では1発アウトな、上司からのとんでもない怒声が平気で飛び交う世界に身を置き、神経質なまでに時間を気にして過ごしてきました。

始業後すぐにおこなわれるブリーフィングでは、握った右手のこぶしを左胸にあてて「定刻出発に心臓を捧げよ(『進撃の巨人』より)」ですよ。まぁ、これはただの妄想だけれど、間違いなく心臓を捧げていたよ、あの頃の私。それは、今でも続いていて……。

待ち合わせの1時間前には、着いていたいけれど……

時間に正確な人は、心配性で慌てるのが嫌い――。と、何かのネット記事で読みました。これまで、自分の時間前行動は仕事柄身に付いたものくらいにしか考えていなかったわけだけれど、言われてみると確かにそう。

目的地にたどり着くまでに電車が遅延して、相手を待たせてしまったらとか、何か忘れものをしていたらという心配は当たり前にあるし、なにより慌てるのが好きじゃない。慌てることで、靴紐を踏んで転ぶとか、Suicaをチャージしたあとのお釣りを券売機から取り忘れるとか、二次的、三次的なトラブルを生じさせる気しかしません。

慌てている自分を見られるのも嫌ですね。だって慌てると、いつもはしていないと信じたい挙動不審さをかなりの高確率で露呈してしまうじゃないですか。いい大人が公共の場で右往左往しようものなら、見かけた人に得も言われぬ心のザワつきを与えることでしょう。逆に、慌てていいことなんてあるの? 自問してみても、思い浮かびません。

そんなこんなで、私は待ち合わせの1時間前には目的地に着くように時間の調整をします。13時に待ち合わせなら、12時には駅に着くように前日の夜から電車の時間を調べておくのです。そして、駅に着いたら駅ビルや近くの商業施設をぶらりと散策。パウダールームを探してメイク直しを済ませたら、Googleマップを開き、待ち合わせ場所の飲食店なりの住所を入力すると、5分前には到着できるように残りの時間は書店・コスメ売り場などで気になっていた商品を買ったり、買わなかったり。冒頭のAさんに目撃されるとしたら、だいたいこのシーンです。

発酵適齢期22話
お茶をすることも。Photo by Saori Takagi

しかしまぁ、1時間前だなんて合理的ではないという人も多いと思います。もっとほかのことに時間を使えばいいのにと言われてしまうかもしれませんが、安心を買っているのと、普段家からほとんど出ずにパソコンと向き合って仕事をしている私にとっては、いい気分転換にもなっているので、今のところ変える気はさらさらありません。

とはいえ、この早すぎる時間前行動が相手にとってのプレッシャーになることは避けたい。一番の解決策は、私が時間どおり、それか早くても5~10分前に最寄り駅に着くこと(待ち合わせ場所までの距離にもよる)なのだろうけれど、それはちょっと難しいからAさんに見つけられることなく潜んでいられる場所を探すしかなさそう。そのために、さらに15分早く家を出るであろうつくづく面倒くさい私です。

待ち合わせ前の1時間を作るために、裏でどんな苦労や努力をしたとしても、決して表には出さず、凛としていたいし、いつ、いかなるときも余裕を感じさせる大人の女性でありたい。……なんて。

さて、時間前行動とわりと近い位置づけをされている“せっかち”ってありますよね。せっかちには、「先を急いで落ち着かないこと」という意味があるので、時間前行動とは似て非なるものだと考えます。しかし、なかには、時間前行動とせっかちが同居する人間もおります。私です。

最近だとトイレに行くとき、片方の手はドア、もう片方の手は部屋着のズボンにかけて個室に入る前に脱ぐ準備をしていることに気づきました。自宅に1人でいるときならまだしも、さすがにこれは直さなくては……と思う。

ではまた、23回目で。

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高木沙織

高木沙織

ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。



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