AIに仕事を取られちゃう? アラフォー&フリーランスライターのリアル【連載 #発酵適齢期】
19回目の『発酵適齢期』。テーマはAI技術の進歩・発達と、アラフォー&フリーランスの仕事のこれからについて。
こんにちは。ライターの高木沙織です。
2023年9月上旬に放送開始となった伊藤園「おーい、お茶」のCMに、国内初・AIタレントが起用されたことが大きな話題になりました。
普段テレビを見ない私は、どれどれと動画サイトで検索。これがもう、衝撃的! 髪の毛の質感とか、目・眉の動き、口角の自然な上り方とか…すっごいんですよ。けれど、「いや~言われなかったらわからないわ。リアル!」と感動したのは最初だけ。繰り返し見ていくうちに、得も言われぬ心のざわつきを覚えたのです。
AI技術の進歩が加速し、どんどん発達していくことに「…AIって、どこまでやってくれちゃうの?」と、AI失業の言葉がアラフォー&フリーランスの私の脳裏にモヤりと浮かびます。もしかして今、私たちはとんでもない時代の幕開けを前にしているのでは――。
19回目の『発酵適齢期』、今回のテーマはAIとこれからの仕事について。
自分の仕事、いつかAIに取られちゃう?
ここ数年、巷をにぎわせているテクノロジー・AI。AIとは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略語で人工知能のこと。一般的には、人間が実現する言葉の理解や認識、推論など、さまざまな知的行動をコンピュータが再現する技術のことをいいます。
改めて文字にするとムズカシイ…となるけれど、超ザックリいうと、人間の知的能力を真似る技術のことのよう。身近なところですでに実用化されている技術といえば、スマートフォンの音声アシスタント機能やお掃除ロボット、人感センサーを搭載したエアコンなどなど。どれも、私たちの生活を便利に快適にしてくれているといえます。
その一方で危惧されているのは、AI技術のさらなる進歩と発達によって、我々の仕事が取って代わられてしまうのではないか…ということ。一説によると、AIによる自動化の影響を受けることで、機械化・ルーティン化できる仕事をはじめ、近い将来約半数もの仕事がなくなるというのだから、阿鼻叫喚せずにはいられません。
って、2023年の時点でAIタレントがCMに出演しているってことは、もうすでにその枠を越えているんじゃ…?と考えてもおかしくない! AIタレントは、24時間いつでも稼働できるし、場所の移動に時間もかからない。人気タレントさんを起用するよりギャラが安く済むこともあるだろうし、企業にとって大打撃となる不祥事的なものへのリスクもない。企業側にとってはメリットが大きいけれど、タレントさん側にとっては死活問題です。
じゃあ、私のようなフリーライターの仕事はどうなる?
大事なのはリアルな体験や感情、人間味の濃いコミュニケーション
しょっぱなから原稿を書く手がキーボードの上で震えるような話ですが、ChatGPT(自然な文章を生成することができる人工知能)の登場以降、多くのライターがAI失業するのでは…と、まことしやかにささやかれています。
ライターにとって重要な情報収集能力に関してもAIはすばらしく長けているし、より読みやすい文章にする構成もお手のもの。誤字脱字なんてなさそう。広告案件やニュース記事においては、AIのほうが早くて正確な記事をかけるのではないでしょうか。
しかし、エッセイはどうでしょう。エッセイは、著者が自由な形式で意見・感想などを述べた散文。読者は、そのリアルな体験や感情の動きがつづられた人間臭い文章を読みたいわけで、統計・分析を頼りにするAIが進出できる分野かといわれたら、ちょっと難しそう。
また、取材記事においても、定型文的な質問やそこから派生する予測可能なやり取りよりも、もっと人間味の濃いコミュニケーションを必要とする場合。何ていうかこう、相手の感情を考えたコミュニケーションが求められるシーンでは、AI単独でのインタビューは難しいだろうし、人と人だから生み出されることも大いにあると思うんです。大いに盛り上がり爆笑が生まれ、そのノリが活きた記事とか。まだまだ、人間にしか書けない記事があるのだと希望を持ちたいですね。
とはいえ、どの分野においてもそこに多くの人が参入するようになれば、生き残るための熾烈な争いや競争が勃発するわけで、個人の感覚・感性を磨き続けていく必要があるのかもしれません。
ちなみに、ヨガインストラクターはどうなんでしょう。対面レッスンでは想像がつかないけれど、オンラインならAIがインストラクターをする日もそう遠くなさそうな気がします。
来たる10年後――。AIが担ってくれて円滑になる物・事が増える反面、新たに生きる道を探さなくてはならなくなることもあるでしょう。まさに、恩恵と不利益は表裏一体。アラフォー&フリーランスの私にとっても決して他人事ではなく、これから別の仕事を…となったらどうする?と考え出すと、眠りに影響しそうなので、愛猫・小虎をモフッて現実逃避をする夜も。
現時点では、AIタレントを推している自分を想像できなければ、AIインストラクターのレッスンに参加だなんてどこか冷めた気持ちにもなってしまいます。やはり、心や体に触れる温かさにおいては、人と人とのコミュニケーションに勝るものは――ない。人間味と温かさは、いつの時代も残り続けて欲しいなあ。
ではまた、20回目で。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く