「黒い服なら確実」が通用しない?黒服信者だった私が40代になって気づいたこと|連載 #発酵適齢期
「黒い洋服が似合わない…」、そんなことってある? 今回は40歳になり、黒は裏切らないと言い張ってもいられなくなったお話をしていきます。
こんにちは。ライターの高木沙織です。
あれは、買ったばかりのジャンパースカートをクローゼットにしまおうとしたときのこと―。“カチャリ”と扉を開けた瞬間、そこは真っ暗闇…。部屋の電気が消えていたわけではありません。すでにしまわれた洋服の数々が、圧倒的に黒、くろ、クロで光がどこからも出てこられないのでしょう。
まさか、我が家の一角にプチ・ブラックホールのようなものが出来あがっていたとは。もちろん手に持っていたジャンパースカートの色も黒ですから、ブラックホールのさらなる拡大に貢献しかねない由々しき事態です。
でも、“黒い洋服”さえ着ていれば間違いないし、黒って裏切らないでしょ? …ってこれ、どうやらアラフォー世代には通用しなくなってきているみたい。むしろその反対で、黒を着るとどこか疲れて見えちゃう。
第14回目の『発酵適齢期』、今回のテーマは黒の呪縛です。
黒が似合わないって、そんなことある?
クールで洗練されたイメージがある“黒い洋服”は、カジュアルな場はもちろん、仕事の打ち合わせやちょっとしたフォーマルな場にも着ていくことができる万能カラー。
※ 素材やデザインにもよる。
カラーチャート(色見本)を見ると、つい暖色や寒色の明るい色に目がいきがちだけど、黒は何ていうかこう孤高の存在的な、それでいてすべてを受け入れる器の広さみたいなものを感じさせるんですよね。それゆえに、黒い洋服を着ていると、自分の存在をアピールせずとも自然と一目置かれちゃうことも。
それに、黒い洋服さえ着ていれば、多少のコーディネートミスがあったとしても隠せるどころか、そこそこ様になると思うんです。逆に、「それを着ちゃうなんてオシャレな人!」というポジティヴな見られ方をすることもあるし、黒ってお得感満載。黒のトップス×黒のボトムスなら色合わせを考える時間も省けるし、黒にはいいことしかないんじゃないかって話です。
こんなふうに考えた結果、気づけばオールブラックコーデばかりするようになっていた私。当然、クローゼットの中は黒い洋服で埋め尽くされていきます。ところが、先日―。
(今日、私疲れてないんだけどなぁ…)
鏡を見て、こんな違和感を覚えたんです。
大人の黒は、顔から離すのがベター
20~30代の頃の洋服選びでは、滅多に意識することがなかった顔映り。着ている洋服の色合いが顔に反映されることで、顔色をくすませて疲れた印象を与えたり、実年齢よりも年上に見えてしまったりするというのは、40歳になってからより現実的で身近な問題になってきたように思います。
というのも、黒のトップスを着ていると、ちっとも疲れていない元気いっぱいの日でも顔色がどんよりと見えるんです。黒を顔の近くに持ってくると、反射する光が少なくなり、顔色が沈みがちに映ってしまうのでしょうか。まあ、もともとの顔のくすみありきの話ですが…。
そもそも黒が似合うのは、パーソナルカラー診断(自分の肌に似合う色を見つける方法)でいうところのブルーベース・ウィンタータイプだそう。日本人におけるこのタイプの割合は4人に1人ともいわれているうえに、私が過去に受けた診断結果は真逆のイエローベース・スプリングとオータムタイプ。
だけど、似合う色って顔立ちや雰囲気、体型、それこそ年齢なんかも関係してくるわけだし、結局は肌、髪、瞳の色などでは計り知れないあくまでもひとつの目安。その人次第の領域だと考えます。
しかし、こと黒に関してはちょっと慎重にならざるを得ないというのはわかる。これまで「黒なら確実!」と疑うこともなかった黒色信者の私ですが、今は明るめのトップスの差し色に黒を取り入れるとか、ボトムスなら黒でもOKとか、黒を顔から離したほうがいいのではと思い始めている次第です。
モデルでタレントのアンミカさんの「白って200色あんねん」はバズったけれど、もう1色、黒についても300色あるとおっしゃっています。そう考えると、もしかしたら黒の中にも微妙なニュアンスの違いで似合う黒があるのかも。
これまでは違和感なく着ていた服がそうではなくなってくると、黒しかないクローゼットを前に深いため息しか出てこないのでした。黒の呪縛…恐るべし。そして、単純な私が憎い…!
それではまた、第15回目で。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
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