肌悩みは形を変えて続くよ、どこまでも。40歳の今、気になっているのは?【連載 #発酵適齢期】
第6回目の『発酵適齢期』は、大人の肌悩みとの向き合い方について。
こんにちは。ライターの高木沙織です。
第6回目の『発酵適齢期』、テーマは肌悩み。よく「肌は名刺代わり」というけれど、そのとおりだと思います。肌を見ると、年齢やライフスタイル、心・体のコンディションまでなんとな~くわかる。肌はその人自身を映し出す鏡であり、情報の宝庫です。そして、それゆえに悩みも深いっ!
肌の暗黒期は20代前半、「ニキビ」が多発
20代前半の私は、ニキビに悩んでいました。憧れの航空会社に就職が決まったのはよかったのだけれど、不規則なシフトと仕事へのプレッシャー、人間関係、そこから生じるストレスをうまく解消することができず、肌にブワッとでていたんだと思います。しかも、食事のほとんどがコンビニで買ったものやスーパーのお惣菜。それもパパッと食べられて、満足感が得られるサンドイッチやホットスナックが中心。栄養バランスなんてあったものじゃないし、短い休憩時間に急いで食べなくてはならなかったから消化にいいはずもありません。
その結果、おでこや頬には常に新しいニキビ。鏡を見るのが嫌だったし、スキンケアやメイクのときに肌に触れるのも嫌。ある日、会社の先輩に「本当にニキビできやすいよね」と言われてトイレで泣きました。だけど、ひとしきり涙を流したあとには「肌を変えたい!」と強く思うようになっていたので、結果としていいきっかけになった出来事だったと思っています。
そのあとも、航空会社での仕事は約6年続けました。どうしても体内リズムが整わないシフト勤務が続いたけれど、そのなかでも自炊をするようにしたり、肌に合うスキンケア・コスメ探しをしたり、休日は外に出て気分転換をするようにしたりして、20代半ばを過ぎる頃にはたまにニキビができるくらいの肌に。肌の暗黒期からなんとか抜け出せたかな…と実感できたのは26歳でした。
さて、迎えた30代。20代で大きな肌トラブルに悩んだこともあり、30代はインナーケアに気をつけて過ごすようにしていました。そのおかげか、肌が揺らぐことは少なく、悩みといったら生理前や不摂生をしたときにあごまわりにポツッとできる大人ニキビ。劇的に肌がツルピカになることはなかったけれど、ひどく荒れることもなく穏やかなまま30代後半に向かっていきます。ところが「きっとこのまま、ゆるゆると年齢を重ねていくんだろうな」と思った私は甘かった!
40歳、家以外の場所で鏡を見るのが怖い
コロナ禍の2021年、38歳になりました。顔の衰えを感じ始めたのは、ちょうどこの頃です。コロナ以前も家で1人で仕事をすることは多かったけれど、定期的に開かれる打ち合わせ。それに会食と人と会う機会は頻繁にありました。それがすべてZoomになり、会食は話でさえでなくなり、人と会う機会が激減。電話でのやり取りもメールで済ますことが増えました。誰とも会話をせずに過ごす日が当たり前になり、鏡に映る顔は緊張感ゼロ。口もととか、すっごくだらしない…。日に日にブスになっていく自分。慌てて取り入れはじめた表情筋トレーニングで少しは持ち直したと思っていたのに、加齢の波が押し寄せ一進一退の状態で40歳を迎えます。
割合でいうと、顔の調子がいい日は6:悪い日は4。かろうじて調子のいい日が多いのは、せめてもの救いでしょうか。じゃあ、この調子の悪さはなんなのかとフォーカスしてみたところ、基本的に家で鏡を見るときには発動していないことがわかりました。問題は外出先。ふと立ち寄ったデパートやオフィスビルの化粧室でメイク直しをするときにそれはやってきて、「うわ、めっちゃ老けてる…私」と鏡の前から走り去りたい衝動に駆られるのです。
要するに…家の中の明るさで見る顔にはただ慣れていただけ。ピカッと明るく、白っぽい照明だと特に粗が目立ちます。クマはより一層濃く、それを隠そうとしているコンシーラーは肌から浮いて不自然。ほうれい線にはファンデーションがたまって、筋がくっきり。「リアルな私って、こんな風なの?」と愕然。しかも、40歳になってすぐ、どういうわけか左右のこめかみには大きなニキビが1個ずつ発生。さすがにニキビは枯れる年齢だろうと思っていたから、これにはびっくり。さらにこのニキビ、なかなか治らず5月になった今はニキビ跡として色素が残っています。ターンオーバーの遅さからなのか、しぶというえに跡をくっきりと残していく…残酷以外のなにものでもありません。もう1つ挙げると、先日除去したおでこのほくろの跡もニキビ跡と同じようにうっすら残っているのが最新の私です。
結局のところ、肌悩みというのは形を変えてずっと続いていくものなんですよね。50代になっても、60代になっても、その先も今の私には想像もつかないなにかしらに悩み続けていくのでしょう。
いくら年齢より少し若く見える肌でいたいと願っても、現実には新たな悩みがすぐそこで待っている。なにもせずに肌状態が上向くなんてことはなく、目につくのは嫌なこと・抗いたいことばかり。願うだけじゃ、どうにもならなくなっていく。取るべき対策や、然るべき心構えも増える一方。やることはたくさんです。そんな毎日の中で、どこかに落としどころを見つけようとジタバタ足掻く。そんな自分をいつか振り返ったとき、「あのとき、頑張ってたよね」といとおしく感じられたらいいのですが。
ではまた、第7回目の『発酵適齢期』で。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
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