便利だけど笑顔の裏を読んでしまう私…LINE「リアクション機能」のモヤモヤ【連載 #発酵適齢期】

 便利だけど笑顔の裏を読んでしまう私…LINE「リアクション機能」のモヤモヤ【連載 #発酵適齢期】
canva
高木沙織
高木沙織
2023-12-17

21回目の『発酵適齢期』。テーマは、LINEです。

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こんにちは。ライターの高木沙織です。

「新しいプライバシーポリシーに“同意”しないと、LINEが使えなくなる」――。2023年10月1日、ヤフーとLINEがひとつの会社に統合し、LINEヤフー株式会社が発足された矢先、今度は10月中にこの同意とやらをする必要があるとか、ないとか、まことしやかにささやかれ始めます。

こういった情報に疎い私は、「それって、一大事じゃない?」と、密やかに同意を済ませて思うのです。そもそも、LINEが使えなくなったところで大変なことはなかった……と。なぜなら、友達の数が多くなければ、最後に通知がきたのもずいぶん前だから。iPhoneのスクリーンタイムからLINEの使用時間を見てみると、過去のやり取りを見返すための3~5分の日がほとんど。「いつでもスタンバイできているよ」状態のLINEに出番を与えられず、申し訳ない気持ちになってきます。

21回目の『発酵適齢期』、今回のテーマはLINEについて。

LINEの友達は8人!

トークや音声通話、ビデオ通話を楽しめるコミュニケーションアプリ・LINEの国内利用率は、2023年現在80%を超えているそうです。8割以上の人がスマホにLINEをダウンロードして使っていると考えると、これはもう“主要”という言葉に相応しいのではないでしょうか。

かくいう私も、LINE利用者のはしくれ。なんて言ってみたものの、フタを開けてみれば友達の数は8人。定期的にやり取りをするのは、3人です。ほかに、仕事関係の方が何人かつながっていたり、グループに招待してもらったりしているけれど、急ぎの用件以外はメールでやり取りをしています。家族とは電話で話すし、LINEの通知は基本ゼロベースなわけです。ちなみに、直近のやり取りは……なんと9日前。

スマホのホーム画面でLINEのアイコンを目にするたび、「いつでもドンと来い!」状態でスタンバイしてくれているのに、活躍の場を与えてあげられなくてゴメン!とソッと手を合わせたくなるのでした。

とはいえ、これといってLINEが苦手なわけでもないし、ましてや嫌いだと思ったこともありません。強いて言うなら、Instagramのダイレクトメッセージを使ったやり取りが増えたことも、LINEの使用頻度が減ったのと関係がありそう。ストーリーズがメッセージを送るきっかけになったり、LINEと比べるとより気軽に言葉を交わせるところがあるように思います。

兎にも角にも、LINEの友達はInstagramでもつながっているし、電話番号も知っているから、アプリが使えなくなる・ならないにかかわらず慌てる必要はなかったのかもしれません。

さて、話はLINEに戻ります。実は私、LINEのアレが送られてくるとお笑いタレント・河本準一さんの往年のギャグが脳内再生されてしまうんです。

コミュニケーションアプリが便利になる一方で、悩みは姿かたちを変えていく

LINEの機能のなかでも賛否あるのが、“既読”マーク

自分が送ったメッセージを相手が読んだのか、読んでいないのか。はたまた、既読をつけずに読む方法で確認済みなのか……。そこから派生する「読んでいるのに、返信がない」「どうしてずっと読んでくれないんだろう」という悩みは、こと恋愛においてはちょっとした行き違いを大問題にまで発展させかねません。

「何日も既読スルーされるなんて、脈なしかぁ」とか、「ずっと未読ってことは、私の優先順位が低いってことだよね」といったふうに、相手の性格や都合そっちのけで既読・未読に勝手に振りまわされていた遠い昔の私――。LINEがない学生時代~社会人初期を過ごしてきた身としては、今ってずいぶん便利になったけれど、いつの時代も悩みは姿かたちを変えて付きまとうものなんだとしみじみしてしまいます。

発酵適齢期_LINE
Photo by Saori Takagi

そこへきて、リアクション機能の登場です。メッセージを長押しすると、メニューの上か下に出てくる6種類の表情は、既読をつけたのはいいけれど返信する時間がないときなどに利用できる便利な機能。しかし、「へぇ~、いいね!」とはならないのが私。ちょっとひねくれたところがあると自覚している私は、このリアクションが送られてくると……。

―「お前に送るスタンプはねぇ!」

お笑いタレント・河本準一さんのギャグが、言葉を変えて脳内に再生されるんです。それと同時に、もうやり取りを続ける気はないと言われている気持ちになる。リアクションマークは、つなぎというより、一旦終了を意味する使い方をされることが多いのではないでしょうか。これまでのように、スタンプで会話を終わらせるのも簡便だけれど、そのスタンプを選ぶのさえも手間なのかと、わずか数秒で送れてしまうリアクションに意気消沈。手軽さ・便利さよりもその間隙を縫って裏を読もうとしてしまうんですね、私は。

例えば、親指を立てて笑っている顔は、「これ以上、LINEをしてきてくれるなよ?(ニコリ)」という意味で捉えてしまいます。相手につまらない話題を提供してしまったのかな、と3,000文字の反省文が書けちゃいそう。
※ 大事なことなので2度言うけれど、私のなかでは、私のなかでは!の話です。

リアクションマークも、人によっては純粋な優しさで送ってくれていることもあるんだろうけれど、いい感じの相手とか、一方的に好意を抱いている相手だとややこしい。ただし、デートの待ち合わせ前に、「もうすぐ着くよ!」からのgoodリアクションは除く……むしろ、気持ちが昂る!

そして、そんなふうに思っていながらも、数少ない友達にリアクションマークを送ってしまう私の胸ぐらをつかんでいい加減にしなさいと言ってやりたい。

しかし、世間には便利になって嬉しいものもあるけれど、恋愛やコミュニケーションにおいては不便なほうが心が穏やかだったりするのではなかろうか――。不便を知っている私だから、そう思うのかもしれません。これって、アップデートが必要なのは私の方!?

ではまた、22回目で。

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高木沙織

高木沙織

ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。



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