女の人はいつから“おばさん”になるの?アラフォーで急増、あの会話にモヤモヤ【連載 #発酵適齢期】
女の人は、いつから“おばさん”になるのでしょうか。今回は、おばさんについて考えてみました。
こんにちは。ライターの高木沙織です。
おばさん、叔母(伯母)さん、aunt…。後者2つは父母の姉妹という意味だから置いておくとして、問題はこっち。おばさん、O・BA・SA・Nです。どういうわけか、おばさんという言葉をポジティブに捉えられない。それは、中年・年配の女性という本来の意味に他意が上乗せされているからじゃないでしょうか?
第7回目の『発酵適齢期』、今回のテーマはずばり「おばさん」です。
おばさんの定義とは
辞書でおばさんの意味を調べてみました。出てきたのは「よその年配の女性」や「壮年期(40~64歳)以降の成人女性」など、成熟した大人の女性を指す説明の数々。つまりおばさんという言葉そのものには、何ら悪意は込められていないんですよね。それなのに抵抗があるのはどうして?
※ 壮年期の区分は、研究者によって異なるそう。
思うに、私たちがおばさんという言葉にネガティブな要素を付け足した結果の産物なんじゃないかと。おばさん=なってはいけないもの・なったら終わり…みたいな。「絶対ダメ! オバ見えしちゃうアイメイク」とか「オバ見えファッションNG3選!」といったようなネット記事を見かけるたびに、おばさんが真っ向から否定されていてどこか違和感を覚えてしまいます。
もちろん、年齢による生物学的なおばさんは徐々に受け入れていくしかない。けれどその一方で、見た目でおばさんだと判断されるのは避けたいんですよね。おばさんを良しとしないオバ見え〇〇には否定的な意見を持ちつつも、心の中では少しでも若く見られたいという気持ち。控えめには言いません、私にも大いにあるっ! そんな私(たち)は、一体いつ正真正銘のおばさんになるのでしょう。それとももう、おばさんになっているの?
そういえば40歳を迎える少し前から、おばさんにまつわるこんな会話に遭遇するシーンが増えました。
「私なんてもうおばさんだから」は、ある種のキラーワード
半年ほど前の話。同い年の知人たちとランチをしました。そこで、こんな会話に出くわしたんです。
A子:「そのグリーンのスカートかわいいね」
私:「私もこれ、気に入ってるんだ。ありがとう」
A子:「私なんてもうおばさんだからさぁ。ファッションで冒険できないよ」
B子:「ねー、私も!」
って、言うんですよ。自分と同じ39歳(当時)の女性がですよ。もちろん<え、何言ってるの? 全然そんなことないのに>と驚きました。第一に、私がまだ自分のことをおばさんだなんてこれっぽっちも思っていなかったし。おそらく彼女たちも本心から言ったのではなく、ちょっとした自虐を込めた冗談?のつもりだったんだろうけれど。それでも、なんだか心はモヤモヤ…。
また別の日。私よりほんの少しだけ年上の女性も会話の途中、たくみに「私なんてもうおばさんだから」を織り交ぜてきました。男性でも「こんなおじさんに…」みたいなことを言う人がいます。彼は私の1個上。その誰もがおばさん・おじさんじゃないのに、自分のまわりでごく当たり前にこんな会話が繰り広げられるようになったことに頭が追い付きません。
全力で「そんなことないよ」と言いたいのに言えない背景には、「いや、あんたも含めておばさんって言ってるから」「自分だけ、おばさんじゃないとでも?」「上から目線、マウント?」なんて思われたらどうしよう…がある。もしかしたら私だけ、アラフォーになり人生のステージが変わりつつあるというのにヒトとして成長を遂げられていないんじゃなかろうか。みんなのように成熟した大人になれていないまま、年だけ重ねてしまった? こんなことにまで考え至る始末。
それと私、「私なんて」「もう」「だから」というおばさんを挟む3つのワードが好きじゃないみたいです。これって、私なんて=自分を卑下している、もう=諦め、だから=断定的の三段階で落としにきているある種のキラーワード。だから、この言葉だけは絶対に口にしないつもり。たとえ自分におばさんを感じたとしても、口に出した瞬間キラーワードを盾にどんどん加速していってしまいそう。はたまた私と同じように、自分のことをおばさんだと思っていない誰かを巻き込んでしまいそうでちょっと恐ろしくも感じています。もし、この言葉に出くわしたとしても「私も!」と、同調する予定は今のところありません。いけ好かないやつだと思わないでくれたら嬉しい、悪しからず…。
うーん、となると「私なんてもうおばさんだから」には何て返したらいいのでしょう。正解がわかりません。
何だか色々なことを書いたけれど、辞書でいうところの壮年期に含まれる私は立派なおばさんです。この原稿を書いていて、自分もまたおばさんにさまざまな意味を含ませていたことがわかりました。おばさんって、難しい…。
ただこれだけは言えるのは、「ちょっと、そこのおばさん!」と声をかけられたら全力でスルーしようということです。自分が自分をおばさんだと思うのはいいけれど、口に出すのもヒトから言われるのも嫌!
それではまた、第8回目で。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
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