脳梗塞、乳がん…大病を経験した麻木久仁子さんが還暦を迎えた今、おひとりさまを楽しめている理由

 脳梗塞、乳がん…大病を経験した麻木久仁子さんが還暦を迎えた今、おひとりさまを楽しめている理由
『おひとりさま薬膳』より

明るいキャラクターでバラエティ番組を中心に活躍するタレントの麻木久仁子さん。その傍ら、薬膳講座や薬膳レシピの提案など、国際薬膳師としても活動の場を広げています。薬膳と出合った経緯やその後の変化について伺いました。

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「いつも食べている食材でできる養生」に惹かれて

麻木さんが薬膳と出合ったのは、50代になったころ。2010年に脳梗塞、2012年に乳がんと、立て続けに大病を患ったのがきっかけだったそうです。

「まさに晴天の霹靂でした。とてもショックでしたけど、今思えば、一度立ち止まってみるよいタイミングだったのかもしれません。それまでは仕事と子育てに追われ、自分の体のことは、かなりおろそかにしていましたから。ちょうど時を同じくして母が大病を患って一緒に暮らすようになったこともあり、よし、ここで食生活を見直そう!と考えたのです。なぜ薬膳だったのかといえば、すべての食材に力があると考える薬膳には、食材に制限がなかったから。食べることが大好きな私は、そこに俄然惹かれました。薬膳というと難しく感じる方も多いですが、特別なことはなくて、いつも食べている食材でいい。その手軽さも魅力でした」

薬膳とは、簡単にいえば「中医学」をもとにした食養生です。

「今日は冷えているからエビ、ちょっと肌が乾燥しているなと思ったら黒ごま、胃腸が疲れたときは消化にいい鶏肉、イライラしたら陳皮ウーロン茶など、日々変化する自分の体の声を聞きながら、食材を選ぶようになりました。薬膳は薬ではありませんから、直接病気を治せるわけではありません。でも、おかげさまで治療を終え、更年期を無事に乗り越えられたのは、薬膳と出合い、自分の体と向きあう大切さに気づいたからだと、本当に感謝!です」

学ぶほどにその面白さにハマった麻木さんはさらに知識を深め、国際薬膳師、そして国際中医師の資格を取得。自分、そして家族の体をケアしつつ、薬膳講座やレシピ提案などを通し、自分の体と向きあうことの大切さを広めています。そんな麻木さん、昨年なんと還暦を迎えたそう。

「おめでたく、ありがたい節目ではありますが、もうこんな年になってしまったのかと一抹の寂しさもあり(笑)。人生を四季に例えるとしたらそろそろ冬の時代ですから、実際、さまざまな不調が訪れたり、できなくなったことが増えたりして、その都度驚き、落胆もします。体重は変わらないのに、体型が変わる。お腹に肉がついてお尻の肉は落ちてしまったので、大好きなデニムも泣く泣く卒業しました。そして、何気ないことで落ち込むこともあり、心も老化するのだなとしみじみ…。だからこそ、健やかに生きるためにはさらに食養生が必要。その前に薬膳に出合えたことは本当によかったと、切実に感じています」

母との同居は「シェアハウス状態」好きなものを好きな時に食べる暮らし

還暦を迎えると同時に、生活面でも変化が訪れた麻木さん。おひとりさまの生活を楽しんでいるとい言います。

「今まで母の食事は私が作っていましたが、自分で食べたいものを食べたいからもう大丈夫よ、なんて言われて今はシェアハウス状態。娘も独立して、いよいよおひとりさまの生活に突入しました。寂しくないといったら嘘になりますが、でも、いつでも好きなものが食べられるし、ひとり分ならちょっとした贅沢も可能。逆に作る気になれないときは、カップラーメンでササッとすませたりして。ひとり分を作るためにちょうどいい調理器具を手に入れたら、これがおままごとみたいで抜群にかわいくてご満悦。なんだかんだ楽しんでいます。そうそう、カップラーメンにも、疲れを吹き飛ばす香りのいいハーブや調味料を加えれば、これもひとつの薬膳。こんな風に、日々の食卓に薬膳を取り入れ、不調を整えています」

麻木さんは還暦目前の2022年10月、『おひとりさま薬膳』(光文社)を上梓。レシピを紹介した国際薬膳師として初めての著書『ゆらいだら、薬膳』に続く第二弾です。今回は、暮らしの中に薬膳を取り入れる方法とともに、前向きなだけではない、加齢とともに変化する体と心の悩みも綴られています。

麻木久仁子
『おひとりさま薬膳』麻木久仁子・著(光文社)

「日々自分の体と向き合ってひとり分をちょうどよく、そして自分の機嫌は自分でとる」。それがこれからを健やかに生きる知恵だと、麻木さん。ジャンルこそ違いますが、自分の体と向き合うことは、ヨガとも通じること。誰しもが迎える老後、そしてひとりの時間を快適に暮らすためのヒントを見つけるために、ぜひ。

プロフィール/麻木久仁子さん
タレント、温活士、温活指導士。1962年、東京都生まれ。2010年に脳梗塞、2012年には乳がんを罹患した経験から、講演会や情報番組で検診の大切さや経験を伝える。「薬膳」に興味を持ち、2016年に国際薬膳師、2019年には国際中医師の資格を取得。最新著書に『おひとりさま薬膳』(光文社)がある。

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取材・文/諸井まみ

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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