【初期治療の薬】「抗がん剤」ってどんな治療?乳がんになったら必ず受けるの?乳腺科医師が解説

 【初期治療の薬】「抗がん剤」ってどんな治療?乳がんになったら必ず受けるの?乳腺科医師が解説
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乳がんだけに限らず、がん治療としてよく耳にするのが「抗がん剤」。今回の記事では、乳腺科医師集団「BC Tube」が運営するYoutubeチャンネル「乳がん大事典」より、知っているようで知らない「化学療法」「抗がん剤治療」についてご紹介します。

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化学療法を行うかどうか、どうやって決めるの?

化学療法とは、抗がん剤を使って行う治療のことです。

この治療を行うかどうかを決めるのは、やることでのメリットが大きいかどうかで判断されます。

化学療法のメリットの大きさは、

①再発リスクが高い場合

②がん細胞自体の化学療法の効きやすさ

この2つから判断しています。

再発リスクは人それぞれ異なります。手術前後の化学療法の目的は、体のどこかに潜んでいるかもしれないがん細胞を攻撃して、再発・転移を防ぐことです。様々な治療を組み合わせて再発を予防していきますが、その手段のひとつが化学療法です。

とはいえ、再発リスクが同じでも、化学療法の効果はみんな一律同じなわけではありません。

そこで2つ目の判断材料として挙げられるのが、がん細胞自体の化学療法の効きやすさです。

一言に乳がんといっても、その性質は様々です。実際に化学療法が効くかどうか、治療前に正確に予測することは難しい面がありますが、様々な情報から、化学療法の効きやすさを予測します。

再発リスクと化学療法の効きやすさを合わせて判断し、再発リスクがそこまで高くなくても化学療法が効きやすいタイプであれば、化学療法を行うこともあります。

化学療法には副作用もありますので、メリットとデメリットのバランスを考え上で、ご本人やご家族と相談して決めていきます。

乳がんの治療は、女性ホルモン受容体のあるかないか、HER2蛋白のあるかないかによって、サブタイプ別に分け、それに合わせた治療が行われます。化学療法は、どのサブタイプにも使われ得る治療です。

BC Tube
BC Tube編集部 乳がん大事典

化学療法を行うかどうか、具体的にどのように判断している?

そして、組織生検や手術の結果から得られる情報をなるべく沢山集めて、再発リスクや乳がんの性質を判断します。これに加えて、患者さんの全身状態や治療に対する希望などを考慮し、化学療法を行うか、行うとすればどの治療を行うのかを相談して決めることができます。

化学療法は手術の前に行われることも、後に行われることもあります。

どんな薬剤があるの?

手術前後の治療では、抗がん剤を1種類ではなく、何種類かを同時に使用することで効果が最大になることが臨床研究で明らかになっています。

主に使うのは以下の2種類です。

①アンスラサイクリン系薬剤

アンスラサイクリン系薬剤を含むAC療法やFEC療法などは、再発抑制効果が確認されている標準治療のひとつです。

②タキサン系薬剤

アンスラサイクリン系薬剤に、パクリタキセルやドセタキセルなどのタキサン系薬剤を追加することによって、さらに再発予防効果が上乗せされます。またTC療法もよく使用されています。

通常、手術前後に化学療法を行う場合は、3~6か月の期間で行うのが一般的です。

抗がん剤
BC Tube編集部 乳がん大事典

副作用や気を付けることは?

副作用は薬の種類によって異なりますし、個人差もあります。副作用の程度や、どのくらい続くかも、患者さんによって異なります。

副作用の中には、有効な予防法や対処法があるものと、ないものがあります。

例えば、吐き気や嘔吐には、化学療法の種類に応じて適切な吐き気止めが処方されたり、点滴で加えられます。症状が強ければ他の薬を追加する場合もあります。

また、化学療法によっては脱毛がおこります。脱毛は治療を始めて、2~3週間後くらいから始まります。眉毛、まつ毛や体毛が抜けることもあります。ウィッグ、つけ毛、帽子などで対処します。

手術前後の化学療法は、できるだけ継続して行っていくことが重要です。そのためにも、副作用の症状が続く場合、不安や困ったことがある場合には、我慢せず、つらさを和らげるために、自分に合った対処法があるかどうか、主治医やスタッフに相談しましょう。

動画で詳しく学ぶ

 

監修/BC Tube

一般社団法人BC Tubeとして2020年11月に設立。メンバーは複数の有志の乳腺科医を中心に構成し、YouTubeチャンネル「乳がん大事典【BC Tube編集部】」を運営。乳腺科医が作成した動画を第三者の乳がん診療・研究に携わる医師と非医療者のレビューを経て定期的に公開し、客観的で科学的根拠のある乳がん情報の発信を行っている。

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構成・文/古賀奈津美

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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