「大丈夫、ひとりじゃないよ」乳がんサバイバーかおりさんが伝えたい言葉

 「大丈夫、ひとりじゃないよ」乳がんサバイバーかおりさんが伝えたい言葉

ヨガジャーナルオンライン では、乳がん月間に「PINK OCTOBER」企画として、乳がん経験者のためのウェルネスヨガコミュニティメンバーから「乳がんを経験する前の自分に伝えたい言葉」というお題で言葉を募り、その中から5つをピックアップしステッカーにデザインする、という企画を行いました。その中の言葉のひとつ「大丈夫!ひとりじゃないよ」という言葉を寄せてくれたコミュニティメンバーのかおりさんに、言葉の真意を伺いました。

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40代のかおりさんは、2年前に乳がんの告知を受けました。現在は、三大治療と言われる治療は終わり、毎日の薬の服用と、半年に一度のホルモン療法を受けています。

ある日、胸に「米粒のようなしこり」を感じて

過去に受けた健康診断の経験から、比較的「よく胸を触るようにしていた」と話すかおりさん。ある時、胸に変化を感じて、急いで病院に行きました。「しこりというか、米粒のようなプリッとした感覚があって、これは何かが違うと直感的に感じて」。それがちょうど、今から2年前。「私には3人の子供がいるのですが、乳がんの告知を受けた頃はちょうど真ん中の子供が受験の時期だったんですね。下の子もまだ小さいし、どうしようって」。

乳がんの検査を受けていた頃は不安で、でも当時は誰にも言えなかったとかおりさんは言います。だけど、乳がんだと診断されてからは、逆に気持ちの整理がついたと話します。「もちろんショックだったので、泣くだけ泣きました。一週間ぐらいだったかな。でもそこからはやらなきゃいけないことが明確にわかっていたし、ちょうど子供の引越しなどでバタバタしていたのも、考えすぎずに済んだので良かったのかもしれません」。

もともとステージ2と診断されていたかおりさんの乳がんは、手術後にリンパへの転移が認められ、抗がん剤治療を開始することになりました。「やっぱり、抗がん剤治療をしなければならないってわかった時は、結構ショックでしたね。抗がん剤の副作用のイメージも強かったし、がんの治療自体もキツそうだなと思ったので…」。

不安な気持ちは我慢せずに伝えた

乳がんのことを家族に話したときは、「一番上の子はもう成人していたので、『そうなんだね…』と落ち着いて受け止めてくれましたが、進学によって生活環境が変わったばかりの真ん中の子供はやっぱりショックを受けていましたが、『一緒に頑張ろうね』とも言ってくれました。下の子は、まだ幼いからよくわかっていなかったかもしれませんけどね(笑)」。

乳がんとなると、通院があって仕事を休まなければならなかったり、そもそも体調も安定しなかったりと、生活環境は少なからず変わります。「だから、隠しておけなかったというのもあって、友達や同僚に、乳がんになったことを打ち明けました。私の性格的に、悩んだり不安な時は、そういう気持ちを周りに伝えちゃうんですね。『どうしよう、不安だよ〜』って」。そんな素直なかおりさんの思いを受けて、友人や同僚は、たくさん支えてくれたそうです。

「大丈夫、ひとりじゃないよ」

乳がんという病気は、今や9人に1人がかかるとされています。ですが、実際に乳がんになると、「私以外の、周りの人は病気じゃないのだ」と孤独感を感じることもあります。かおりさんはどうだったのか尋ねてみると「私の場合は、それはなかった」とはっきり答えてくれました。「本当に、友達や同僚、家族に支えてもらったなと思っています。やっぱり、一人だと耐えられなかったと思うんですよ。治療も何もかも初めてのことばかりだし、私の体はこれからどうなってしまうんだろう、家族はどうなってしまうんだろうって不安に押しつぶされそうになります。でもそんな時、私には幸いなことに、不安な気持ちをわかってくれて、寄り添ってくれる人がたくさんいた。乳がんになったことで改めて、彼女たちの存在をありがたいと思いました。だから、乳がんを経験する前の私に伝えたいことがあるとするなら『大丈夫、あなたはひとりじゃないよ』って伝えたいんですね」(かおりさん)。

 

*ヨガジャーナルオンラインは「乳がん経験者のためのウェルネスヨガコミュニティ」を運営しています。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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