レポート「Meetup for Wellness」乳がん経験者とすべての女性のウェルネスのために

 レポート「Meetup for Wellness」乳がん経験者とすべての女性のウェルネスのために

12月2日に開催されたイベント「Meetup for Wellness」の様子、そして実際に会場を訪れた参加者の声をご紹介します! 

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「乳がんに、絶対にならない」そう言い切れる人は、この世界に一人もいない

第一回目として開催されたイベント「Meetup for Wellness」。2023年5月に立ち上がった「乳がん経験者のためのウェルネスヨガコミュニティ」の活動として、何かリアルでつながる場を作れたら、という思いを発端にして始まったこともあり、第一回目のテーマを「乳がん経験者とすべての女性の"ウェルネス"のために」としました。9人に1人が乳がんにかかると言われている時代、「私は、乳がんに絶対にならない」と言い切れる人はいません。たとえ病気になったとしても、どんなときも自分らしい選択ができるようにという願いとともに、1日を通して心と体へのアウェアネス(気づき)を深めるプログラム&企画をセッティングしました。

イベント
イベントの開催背景を伝えるタペストリー

プログラムのスタートは、RIKA KELLYさんの「心と体をケアするヨガ」から

ゲストの皆さんが期待に胸を膨らませるなか、いよいよ最初のヨガを担当する講師RIKA KELLYさんの登場!会場からは自然と拍手が沸き起こります。 

RIKAさんは、ヨガジャーナルオンライン公認講師として、2021年秋からオンラインの定期レッスン「心と体をケアする朝ヨガ」を担当。2022年春に乳がんに罹患し、治療を続けながら乳がん経験者向けのヨガクラスを開催するなど、「乳がんを経験した私だから伝えられるヨガを」という思いでクラスを続けてきました。今年5月からはヨガジャーナルオンラインと共に「乳がん経験者のためのウェルネスヨガコミュニティ」を立ち上げ、コミュニティリーダーとしてメンバーを率いています。

そんなRIKAさんから皆さんへの挨拶では、この日を迎えられたことへの感謝が伝えられました。 

来場された方々は、年齢も性別もバックグラウンドも様々。なかには、毎週オンラインでRIKAさんのレッスンを受けており、自身も乳がん経験者だという方も。 

「今日を迎えるまでに辛い闘病に耐えてきました。こうやってRIKAさんと直接お会いできたことが、感慨深いです」 (参加者の女性)

RIKAさん

一人ひとりが、自分の内側に集中する時間 

「心と体をケアするヨガ」の対象はオールレベル。レッスン内容は、股関節周りなど下半身を意識して、バランスポーズにも挑戦しながら自分の軸を感じるというもの。見た目や自分の視覚に頼りすぎないよう、導いてくれるRIKA さんのインストラクションが印象に残りました。 

RIKAさん

「呼吸と一緒に、意識的に自分の感情を吐き出していくことを大切に」というRIKAさんの言葉掛け。その場にいる一人ひとりに語りかけるような優しい声に導かれ、皆さんの心も体も温まっていきます。 

レッスン中盤になると、汗をかきはじめて上着を脱ぐ人も!ヨガを一身に楽しみながら、自分と真摯に向き合う皆さんの姿は「美しい」の一言です。 

RIKA

レッスンを受けた人の中には、長年のヨガ友達同士で参加する方々や、男性の姿も見受けられました。年齢や性別に関係なくヨガに向き合う参加者の高ぶりを、肌で感じている様子のRIKAさん。レッスンにも熱が入ります。 

ヨガ終了後、参加していたゲストに声をかけてみました。 

40代女性:「RIKAさんの存在をきっかけにヨガをはじめました。真っ白な空間と、RIKAさんの柔らかい雰囲気がぴったり。今日ここへ来て、すごく元気になれました!」 

RIKA

 

様々な角度から、本当の「健康」を考えるトークショー 

ヨガの後は、医師や専門家によるトークショータイム。トップバッターは「外科医×免疫学者×漢方医」とマルチに活躍されている、医師の新見正則さん。 実は、新見先生も自前のウエアを持参し、RIKAさんのレッスンに参加していたという裏話もここで解禁(笑)。

新見Atari

新見先生が考える「健康」についてのトークでは、健康寿命を伸ばすために大切な「5つのポイント」について、新見先生自身の経験も交えてお話しされていました。 現役の医師として医療と、そして患者さんに向きあう新見先生だからこそ語れる説得力のある内容に、参加者も深く頷く様子が見受けられました。

知られざる乳がん経験者のセクシャルウェルネスについての学びも

トークショー2番目は、ドイツ発セルフプレジャーアイテムを販売する「Womanizer(ウーマナイザー)」広報担当の小澤美優さん。セクシャルウェルネス(性の健康)にまつわる内容を、オンラインを通して伝えてくれました。 

主に、乳がんを経験した後に発症する「性機能障がい」に悩む人々の現状、ジェンダーヘルスギャップ(男女の健康格差)について解説されました。普段、周囲の人と意見交換をする機会が少ないテーマだからこそ、乳がん経験の有無に関係なく、皆さんにとって気づきの多い時間となったようです。

ウェルネスを様々な角度から考えるトークプログラム

続いてトークショーには、純チタン製舌磨き『クリンタン』をはじめ、ウェルネスグッズを出店販売してくださった、KODAWATARU代表の渡邊航さんが登壇。「舌には体の状態が現れやすい」と話す渡邊さん、毎日の舌磨きの習慣が、がんに限らず、様々な病気の早期発見に繋がると教えてくれました。また、「舌磨き」の効果的なやり方、日常生活への取り入れ方について教えてくれました。 

KODAEATARU
KODAWATARU代表の渡邊航さん

女性専用ホットヨガスタジオ「loIve(ロイブ)」からは、人気インストラクターのAoiさんが登壇。ヨガを特別なこととして捉えるのではなく、日常に取り入れることの重要性をお話しいただきました。また、運動が苦手な人や体力に自信がない人にもおすすめの、座ったまま実践できるヨガの体験レッスンがレクチャーされました。体験した方の一人は「椅子に座ったままでもこんなにストレッチできるなんて嬉しい。仕事の合間にもやってみます」と話してくれました。 

Loive
ロイブの人気インストラクターによる椅子ヨガのクラス

トークショーの最後は「株式会社ミルテル」代表の加藤俊也さんが登壇。ミルテルでは「病気の早期発見によって、一人でも多くの人を救いたい」との想いから、細胞分子生物学を活用した、病気のかかりやすさを調べる「テロメアテスト」、がんのリスクを見逃さないための「スキャンテスト」という2つの検査を提供しています。 講演の内容は、乳がんの基本的な知識、間違ったイメージに囚われないための正しいエビデンス共有など、データに基づいた最新情報は学びになる内容ばかり。参加者の皆さんは自分の体に深く関係する情報だけに、より一層真剣に耳を傾けていました。 

ミルテル
株式会社ミルテル代表の加藤さんは「スキャンテストをきっかけにマンモグラフィや超音波検査など医療機関での受診へとつなげたい」と語りました。

ここまでだけでも、かなり盛りだくさんなイベント内容!感想を聞かせてくださるゲストの方は、誰もが自分の景観や強い想いをフランクに話してくださり、待望のオフラインイベントが開催された反響の大きさが、この時点ですでに伝わってきます。 

「ありのままの自分の髪」を愛せるように

トークショーの後は、毛髪診断士で書籍『あなたのクセ毛を魅力に変える方法』(青春出版社)も出版されている、カーリーガールRinさんのトーク&デモンストレーションがスタート。 テーマは「自尊心を高めるクセ毛スタイリング講座」です。

カーリーガールリン
講師を務めたカーリーガールRinさん

実は、がん経験者と髪の悩みは切っても切り離せません。抗がん剤の副作用による脱毛は広く知られているかと思いますが、実は「脱毛ののち、再び生えてきた髪の毛がクセ毛のような、カール状の毛質に変わってしまった」という悩みを持つ人も多いのです。命を守るための治療なのに、それによって変化していく自分自身に心が追いつかず、塞ぎこんでしまう人もいます。そんな方にとっても「変わってしまった自分を否定するのではなく、今の自分の髪と、ありのままのあなたに向き合おう」という提案になればとの思いで開催されました。

カーリーガール

デモンストレーションでは、生まれつきクセ毛で悩んでいるという方の髪の毛に、Rinさんの魔法のテクニックが施されます。まるでパーマをかけたかのようなカールヘアに生まれ変わったモデルさんの姿に会場も大興奮!「とっても素敵!」という声が飛び交っていました。 

BE BOLD!病気になってもおしゃれを諦めなくていい

LUSH

Rinさんのワークショップ企画と連動して、ヘアアレンジに役立つポップでカラフルなノットラップ(風呂敷)を無料配布してくれたのは、今回イベントに協力してくれた「LUSH(ラッシュ)」のブース。 実はこのブースに立ってくれたLUSH担当のNamiさんは、「乳がん経験者のためのウェルネスヨガコミュニティ」のメンバーです。壁に貼られていた、ノットラップをターバンのように巻くアイデアを伝えるパネルは、同じくコミュニティメンバーの美容師RISAさんが監修してくれました。抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜けてしまっても、おしゃれを楽しむことを諦めなくていい、そんなメッセージが伝わるブースでした。

おすすめのセルフケアアイテムが集合!

会場奥には、ジューススタンドをイメージした「セルフケアスタンド」を設置していました。

アタリ

セルフケアスタンドには、このイベントに関わる人たちやセルフケア上手な有識者たちの「いちおしセルフケアアイテム」がずらり。フォームローラーやタンクリーナー、プロテインや養生茶、ボディローション、セルフプレジャーアイテムなど、セルフケアってこんなにも人それぞれで幅広いんだ!と思わされます。

セルフケアスタンド
ヨガジャーナル公式キャット「ニャンティ」もスタッフとお揃いのピンクのバンダナを巻いておめかし!

また、会場を良い香りで満たしてくれたのは、『クナイプ』のブース。天然ハーブの香りがリラックス空間を演出する「重炭酸入浴料」を来場ゲストに無料でプレゼント! 

そしてお隣には、温泉水に含まれるミネラル成分に着目し、新発想のスカルプケア商品を提供している『Off&Relax』のブースも。同じく、ゲストに向けて「シルキーナイトリペアシリーズ」のヘアケアセットがプレゼントされました。 

人気ヨガウエアブランドブースでは、試着も可能! 

ヨガレッスンを担当したインストラクターのRIKAさんがレッスンで着用していたのは、日本発のヨガウエアブランド『SKALLER(スカラー)』のトップス×レギンス。鮮やかな羽の模様が印象的なレギンスに、引き締めカラーのブラックを合わせたスタイルが印象的でした。そんなスカラーのブースには、色鮮やかなウエアのラックが。スカラーはレギンスのサイズが幅広いのも大きな特徴で、SM/ML/SL/150と4サイズ展開しています。すでに手持ちのスカラーレギンスを着用して来場しているゲストも多く、レッスン中に数多く目にしました。

スカラー
フェザーやフラワーなどのモチーフも目を引くスカラーのレギンス。

「スカラー公式インスタグラムを見て、今回のイベントを知りました。スカラーのレギンスはカラフルで気持ちを明るくしてくれる。今日は、RIKAさんとお揃いのコーディネートを買って帰ります!」 と話してくれた参加者も!

あたり
「RIKAさんが1回目のクラスで着用していたウエアはこの組み合わせです」とスカラーの植田夕貴さん。

ジェンダーレスで使えるウエアの販売も! 

同じく、今回イベントに協賛&出店してくれた『tejas(テジャス)』。

テジャス

神聖なルドラクシャと天然石を使用したオリジナルのマーラーネックレスをはじめ、カラフルで実用的なマットホルダーなど、ヨガ関連グッズを販売しています。 

テジャス

筆者が気になったのは、通気性・速乾性に優れ、ストレッチ性がある布帛の機能素材を使用したというテジャス定番『サッジャナボトム』。ユニセックス仕様で、どなたでも着用可能です! 

担当の枝さん:「サッジャナボトムのカラーは、ネイビー、ブラック、グレーの3色展開。男女ともに日常使いしやすい仕様にしています。今日も実際に男性のお客様が購入して下さいました。」 

筆者も実際に手に取ってみましたが、高いストレッチ性と高級感のある生地がアスレジャーファッションにもぴったりでした! 

体の不調を「見える化」?カッピングを初体験 

イベント中に「カッピング体験」を提供してくださったのは、中医学マスターの石原叶枝さん。カッピングとは、吸い玉療法という名前でも知られている民間療法の一種。 

皮膚にピッタリと吸着させたガラス玉によって、血行促進・筋肉痛の改善・デトックスなどの効果があると言われています。 

カッピング

カッピングは初体験という人も多く、皆さん興味津々。ガラス玉の吸着によって老廃物とともに大きく膨らみ赤くなった、自分の背中や腰の様子を写真に残している人も! 

各企業の担当者の方々も、合間を見つけては体験している様子が見られ、終始カッピングコーナーは賑わいを見せていました。 

 

プログラムの最後は、RIKAさんのヨガレッスン。そのレッスンの前に、RIKAさんともゆかりの深いUTL(アンダーザライト ヨガスクール)からお話がありました。

UTLでは、今回のイベント「Meetup for Wellness」の参加を記念して、特別ワークショップも1月21日に開講します。その講師を務めるのが、村上華子さん。テーマは『女性のためのウェルネス講座 薬膳とヨガ』とのこと。

アンダーザライト
女性にとっての養生の必要性をお話ししてくれたのは、ヨガ講師で国際薬膳師の村上華子さん。

また、コロナウイルスの感染拡大の影響で休講していた「がん経験者のためのヨガ」クラスを、2024年1月からリニューアルスタートするそうです。女性においては生涯のうちに2人に1人が何らかのがんを経験すると言われています。治療中や術後のケアとしてヨガを取り入れることが、当たり前になる。どんな人にとっても、ヨガが身近なセルフケアであってほしいと願います。

ラストを飾る、RIKAさんのレッスン。乳がん経験者のためのヨガ

17時から行われた、最後のクラス。本イベントのトリともいえるプログラムが、RIKA KELLYさんによる「乳がん経験者のためのウェルネスヨガ」でした。午前に行われた「心と体をケアするヨガ」の内容とは少し変わって、乳がん経験者のために、肩甲骨と背面を意識したものに。「乳がん手術を経験していると、どうしても上半身を庇いがちだったり猫背になってしまいがち。だから、肩甲骨や背面に意識を向けて動かしていきましょう」という声がけとともに、クラスがスタートしました。

あたり

優しいポーズからスタートし、少しずつ全身にも伸びが加わっていく流れの中、スタート時は緊張で視線がキョロキョロしていた方も、次第にRIKAさんの声に惹きつけられ、自分自身の内側へと集中し変化していく様子が伝わってきます。 

乳がんヨガ

クラスの終盤には「自分自身の両胸に触れて」というRIKAさんのインストラクションがありました。 「私たちは、生きている。そしてこれからも生きていく」と優しく話すRIKAさん、乳がんで胸を失った人もそうでない人も、自身の胸に触れることでこれまでの日々に思いを馳せ、今、ここにいる自分と向き合う瞬間でした。参加者の目から自然と涙がこぼれます。

レッスン終了後は感極まって涙する人、RIKAさんとハグをして乳がんを乗り越えたお互いを讃え合う姿など、会場の至る所で心温まる交流の様子も多く見受けられました。

乳がん 「コロナウイルスの影響で、なかなかリアルイベントには参加できずにいました。実は、私も乳がん経験者なんです。こういったイベントに参加するのは初めて。本当に良い経験になりました!」 こう話すのは、ヨガに参加した女性ゲスト。 
乳がんヨガ

今回の「Meetup for Wellness」開催を通して、対面でお互いの顔や温度感を認識し合いながら交流するのには大きな意味がある、ということを多くの人が痛感したのではないでしょうか。 

あとがき 

対面イベント、さらにゲストと関係者を問わず「はじめまして」の人も多いなかスタートした瞬間には緊張もありました。ですが、いつの間にか「一緒にいるとホッとする」そんな空気感に変わったことには驚きです。 

RIKAさんやヨガジャーナル編集部には、第二回開催を希望する声もすでに沢山届いています。そう遠くないうちに、皆さんとまた会える日が来ることを願って。一人ひとりが、自分自身の健康と向き合いながら素敵な日が過ごせますように。 

 

ヨガマット協力:ヨガワークス

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撮影/松橋晶子
取材・文/岩本彩

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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