乳腺科医師が伝えたい「ブレスト・アウェアネス」|乳房の健康を守る大切な生活習慣とは?
皆さんは、自分で乳房の変化をチェックしていますか?「検診を受けているから」セルフチェックは必要ないと考えるのは早計。今回は、自分で実践できる「ブレスト・アウェアネス」について、乳がんの専門家による情報発信グループのYouTubeチャンネル『乳がん大辞典【BC Tube編集部】』の動画より、乳房のセルフチェックのポイントをご紹介します。
乳がん検診を受けていれば大丈夫?
乳がんは、検診で見つかるというイメージが強い方も多いかもしれません。ほかにも「検診を受けているから」といって、次の検診までの期間に安心しきってセルフチェックをしないという人も多いはず。実は、乳がんは半分が検診で見つかり、残りの半分(50%)は自分で何らかの変化や症状を自覚し、医療機関を受診することで見つかります。
また、稀ではありますが検診と検診のあいだの期間に、主に自覚症状によって見つかる乳がんがあります。これを「中間期乳がん」と呼びます。
- 画像で見えなかったもの
- 前回の検診で見つからなかったもの
- しこりが急に大きくなったもの
検診と検診のあいだに上記のような変化が見られ、結果的に乳がんが見つかるケースも存在します。
「ブレスト・アウェアネス」とは?
ブレスト・アウェアネスの直訳は、「Breast(乳房)Awareness(意識)」。
自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識して生活することをいいます。これは女性にとって、とても大切な生活習慣です。ブレスト・アウェアネスを習慣にすることで、ご自身の乳房の健康を保つことにつながります。
ブレスト・アウェアネスを実践するために私たちが身に付けたい習慣を、以下に記載しました。
実践したい4つの習慣
- 日頃から、診て・触って・感じる『乳房セルフチェック』を実践する
- 気をつけなければいけない乳房の変化を知る
- 変化を自覚したら、検診を待たずにすぐ受診する
- 40歳になったら、定期的に乳がん検診を受診する
では、普段どのような変化を感じたら医療機関を受診する目安になるのでしょうか。見つけたらすぐに受診した方がよい変化を確認してみましょう。
気をつけたい乳房の変化
- 左右のサイズ差、形の変化
- 突出したしこり(乳房内、脇の下)
- くぼみ、ひきつれ
- むくみ
- 変形、へこみ
- 赤み、腫れ、ただれ
- 分泌物がある
セルフチェックを習慣的に実践することで、自分でこれらの変化に気づくことができます。普段の自分の乳房を比べて「何か変化はないか?」チェックするようにしましょう。
セルフチェックのタイミングはいつがいいの?
セルフチェックは毎日行わなければいけないものではありません。実践するペースは、月に1回程度でOK。生理がある人は、生理後のタイミングに行うようにします。また生理のない人は、タイミングを決めて定期的に行うのがおすすめです。(毎月○日、月末、月初めなど)
- 寝ながら行う
- 着替えのついでに行う
- 鏡を見ながら行う(シャワーや入浴中、またその前後など)
上記のように、生活するなかで自分のやりやすいタイミングを見つけて行うようにしましょう。
乳房の変化≠乳がんではない
セルフチェックを行うことで、乳房の変化や状態に過剰に敏感になったり不安がったりすると、かえって精神的ストレスを生み出し兼ねません。セルフチェックをして乳房に変化があったからといって、必ず乳がんであるとは限らないという知識を身につけておくことも大切です。
たとえば、生理周期・妊娠・授乳中などに起こる変化を正しく理解しておくことが重要です。また、痛み・乳頭分泌・しこりなどの症状があっても、乳がんであることはそれほど多くないということも知っておきましょう。
さらに詳しく、気をつけたい症状や乳がんである割合などについて知りたい方は、YouTubeチャンネル『乳がん大辞典【BC Tube編集部】』の動画内にて解説されていますので、参考にしてください。
乳がんを自分事として考えよう
人口に対する乳がん発症の割合をみても、女性にとって乳がんは決して他人事ではないことが分かるはず。
- 乳がんは自分で見つけられることがある病気である
- ブレスト・アウェアネスは大切な生活習慣である
以上の2つのポイントを理解し、ブレスト・アウェアネスを習慣にすることが自分の体を守ることにつながります。
詳しい乳がんのセルフチェックの方法についてはこちらの動画をチェック
監修/BC Tube
一般社団法人BC Tubeとして2020年11月に設立。メンバーは複数の有志の乳腺科医を中心に構成し、YouTubeチャンネル「乳がん大事典 【BC Tube編集部】」を運営。乳腺科医が作成した動画を第三者の乳がん診療・研究に携わる医師と非医療者のレビューを経て定期的に公開し、客観的で科学的根拠のある乳がん情報の発信を行っている。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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