胸の傷は「私のトロフィー」リンダ・エヴァンジェリスタが二度の乳がん罹患・治療を超えて今思うこと

 胸の傷は「私のトロフィー」リンダ・エヴァンジェリスタが二度の乳がん罹患・治療を超えて今思うこと
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長坂陽子
長坂陽子
2023-10-27

元祖スーパーモデルとして90年代に人気を集めたリンダ・エヴァンジェリスタ。数年前に脂肪を冷却する痩身術を受けた結果、レアな副作用を起こし脂肪細胞が増殖してしまったことを公表している。さらに先日アメリカ版『WSJ』でこの5年の間に2回、乳がんだと診断されるという過酷な経験をしていたことを明かした。

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リンダによると最初に診断を受けたのは2018年。年に一度受けているマンモグラフィで発見されたという。「がんに悩まされたくない」と思ったリンダはすぐに手術を決意。肺疾患も持っていたことから両方の乳房を切除するという大手術を受けた。しかし2022年に再び胸にしこりがあることに気が付く。すぐに診察を受け再発したことを知る。リンダはそのとき「胸に穴を掘ってでもがんを取り除いてほしい。体を美しい状態にしておかなくていい」「がんで死ぬつもりはない」と医師に告げたという。

最近リンダはテレビ番組に出演、がんとの闘いや再発闘病や再発について赤裸々に語った。「人それぞれ微妙な違いがあるもの。私の場合は『とにかく切除して放射線を当てよう』ということになった。でも私の再発スコアはとても悪かった。再発スコアには遺伝のようなさまざまな要素が関わってくるのだけれど、私の再発スコアはとにかく良くなかった」。

リンダ・エヴァンジェリスタ
2013年、アメリカ・ニューヨークで開催された2013 CFDAファッション・アワードのステージに立つリンダ・エヴァンジェリスタ。photo by Getty Images

放射線治療だけでなく抗がん剤を使った化学療法も受けたリンダ。化学療法はとてもつらかったと包み隠さず語っている。「5年間も素晴らしい薬を飲んでいるの。素敵な気持ちにさせてくれる薬よ」と皮肉を交えると「本当にひどい。ホルモン抑制剤だから年老いたような気持ちになる」。それでもがんで死ぬつもりはなかったという。乳房を切除したときの傷のことを「私のトロフィーだと思う。気にならない」と誇りを持って語る。医師からは「一度再発したからまた再発する可能性はある」とも言われているという。先がわからないからこそ「生きていることがとても幸せ。今起きていることはすべて人生のボーナス」とポジティブに語る。

10月は乳がん月間。日本の女性の乳がん罹患数はがんの中でも最多。30代後半から罹患率が上がり、患者数も年々増えている。しかし一方で早期に発見すれば90%以上が治るがんだと言われている。そのためにはリンダのようにマンモグラフィーや検診を受け、日常生活の中でもセルフチェックすることが重要になってくる。リンダも再発に気がついたのは自分でブレストチェックしたのがきっかけだった。特別なものではなくセルフケアの1つとして乳房を意識する、そんな習慣を今日から始めたい。

出典:

Linda Evangelista Says Her 'Scars Are Trophies' After Surviving Breast Cancer Twice
Linda Evangelista Reveals She Was Diagnosed with Breast Cancer Twice in 5 Years: 'Survivor on Standby'

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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