YOGA PEDIA｜ヴィーラバッドラーサナⅠからエーカパーダラージャカポターサナⅡへ

エーカパーダラージャカポターサナⅡとは

eka = 1 pada = 足または脚
raja = 王
kapota = 鳩
asana = ポーズ 
→片足の鳩の王のポーズⅡ

効果：心を鎮静させると同時に気分を高揚させるこの後屈は、深部にある股関節屈筋群をストレッチするほか、胸部と背中上部と肩を開く。このポーズでは、安定性と可動性のほか、絶対的な平静心が求められる。

1 膝立ちの姿勢から、右足を前に踏み出し、左足を後ろに伸ばす。右足、左脚のすねと足先を床に押し下げる。息を吸いながら、両腕を前から上に伸ばしたのち背後に回す。背筋を伸ばしたとき、右膝が少し前に出てもよい。数回呼吸する間この姿勢を保ったら、息を吸いながら右足と左すねを押し下げ、背筋を伸ばす。このとき、呼吸の働きに意識を向けよう。無理のない呼吸を続ける必要がある。呼吸は一連の動きを生み出す最高の原動力であり、最も頼りになるパートナーだ。呼吸に意識を向けて、リラックスした平静心をもってこの上体を反らせる動きを繰り返す。

2 左手のひらが上を向くように上腕を外旋させながら、左腕を後方に伸ばす。左膝を曲げ、左足の親指を左手の親指と人差し指でつかむ（届かない場合は、足首にかけたストラップをつかむ）。左手を伸ばして、上体をできるだけ前に向ける。1 ～ 2回呼吸する間この姿勢を保ち、目とあごと舌の力を抜く。

3 腰を床のほうに解放し、左太腿の前面を十分伸ばす。左肘を曲げて、左腕を外旋させながら引き上げる。骨盤の両側を正中線に向かって絞っているとイメージしながら、腰を安定させる。戦士のポーズⅠと同じように体側を引き上げる。右腕を頭上に上げる。

4 右の上腕を外旋させて、左足をつかむ（つかめない場合はストラップを使う）。左足をしっかりつかめるように手の位置を調整する。ひと呼吸入れる。左脚を上に引きながら、肋骨の背面と仙骨を引き上げて、頭を左足のほうに解放する。両腕の外側を前方に回し続けて、肘を内側に引き入れる。肩甲骨を引き上げて上向きに回転させることにより、体側を引き上げ、後方に伸びている首を支える。目線をゆるめ、呼吸を安定させて、2 ～ 3回呼吸する間この姿勢を保つ（リラックスしていて余裕があり覚醒している状態を保てるならば、もっと長くポーズにとどまってもよい）。上体を起こして、ゆっくり右手を離し、左腕はポーズに入ったときの手順を逆にたどっていく。反対側も同様に行う。

バリエーション

壁の前に椅子を置いて、椅子の前脚の下に折りたたんだマットを敷く。椅子に背を向けて四つん這いになり、右足先を椅子に当てる。左足を前に踏み出す。上体を起こして腰を前方に出す。落ち着いた呼吸を繰り返しながら、両手を頭上に伸ばしたのち、後方に伸ばして椅子をつかむ。手が椅子の後方に届く場合は、腰を前に出す。可能であれば、頭を右足に寄せる。反対側も同様に行う。

安全に行うために

このポーズは、休止が生み出す力を経験する絶好の機会となる。ペースを落として、時間が動きを補うのを感じられるようになろう。ポーズの途中で動きを止めて、呼吸を繰り返しながらよく考えよう。ポーズをつくっては、停止してみよう。このポーズでは、動きながら五感で感じることを習得する。この意図的な休止（と呼吸）によって、心と体と呼吸が同調して、三位一体となって躍り始める。このように、途中で止まって調整し直してみて、不安定感か強い抵抗を覚えたら、ひとつ前の段階に戻ってかまわない。こうして究極的には、パタンジャリがヨーガスートラで説いている力まない努力に近づいていくのである。

指導＆モデル／キャリー・オワーコ
ニューヨークを拠点に活躍するアイアンガーヨガの上級指導者で、運動分析法のLabanMovement Analysisの専門家であると同時に、遊び心に満ちたヨガの実践者である。探究心を分かち合い、アイアンガーヨガを伝えるため世界中を巡っている。

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