ウトゥカターサナからガルーダーサナへのステップ練習法|YOGA PEDIA

Photo by Rick Cummings

ウトゥカターサナからガルーダーサナへのステップ練習法|YOGA PEDIA

ヨガジャーナルアメリカ版から、毎回異なるポーズをご紹介する「YOGA PEDIA」。今回は、ウトゥカターサナ椅子のポーズ)からガルーダーサナワシのポーズ)へのステップや軽減ポーズをご紹介します。教えてくれたのは、ストレッチ運動とヨガの神経力学の研究を行う矯正運動のスペシャリスト、ロビン・カポビアンコ先生。

ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)とは

ウトゥカターサナ 椅子のポーズ 
ウトゥカターサナ/photo by Rick Cummings

ポーズの由来:Utkata = 激しい asana = ポーズ
激しいポーズ(一般には椅子のポーズ/ チェアーポーズと呼ばれている)
ポーズの効果:太腿と足の筋肉を強化する。足首の可動性を高める。体幹の筋肉を整える。

完成までのステップ

1.足を揃えて立ち、手は腰にあてる。安定した土台をつくるために、それぞれの足のバランスの中心を見つける。そのために、足の内側から外側まで、拇指球からかかとまで体重を移動させてみて、体の芯を捉えよう。「三脚効果」を感じるとき、つまり、親指と小指とかかとに均等に圧力がかかっているときに、芯を捉えたことがわかる。体重は左右の脚に均等にかけ続ける。

2.息を吐きながら、膝を曲げて腰を後ろに引いていき、椅子があると想定してそこに腰掛ける。足の「三脚効果」を保てなくなったら、膝を曲げるのをやめる。両脚をそっと押し合い、腰を正中線(頭頂からまっすぐ縦に体の中央を通る線)のほうに向けて、両脚と腰を働かせる。

3.腕を頭上に上げ、手のひらを向かい合わせる。腰が過度に反り始めたら(腰に締めつけ感や圧迫感が生じてきたら)、骨盤が平らになったと感じるまで、下位肋骨を腰のほうに引く。ただし、やりすぎてはいけない。骨盤が後傾するほど修正しないことだ。最後に、背中の上部を広げ、肩を外転させ、胸部を開いて、体の前面と背面に均等に空間を生み出そう。この姿勢を5 ~ 10回呼吸する間保つ。

4.ポーズを終えるには、足裏全体をしっかり押して両脚を伸ばした後、腕を脇に下ろす。

椅子のポーズ
ウトゥカターサナ/photo by Rick Cummings

 

NG:つま先は上げずに、床につけておこう。つま先は昆虫の触角のように、感覚的なフィードバックをもたらす働きをする。

椅子のポーズのNG
ウトゥカターサナのNG/photo by Rick Cummings

 

NG:背中は丸めずに、股関節から腰を折り曲げよう。上向きの犬のポーズのような感覚で、胸部を開き、脊椎に付着する筋肉を働かせること。

椅子のポーズ
ウトゥカターサナのNG/photo by Rick Cummings

ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)の軽減ポーズ

足首がきつく感じる場合は…

マットを巻いて、かかとの下に置いてみよう。足首の背屈(すねのほうに曲げる動き)があまり必要でなくなり、ポーズが楽に感じられるだろう。まず、マットの半分程度をきつく巻こう(マットが厚い場合はそれより少なく、マットが薄い場合はそれより多く巻く)。両足を揃えて、かかとをマットの上にのせ、拇指球を床につける。

ウトゥカターサナ 椅子のポーズ
ウトゥカターサナの軽減ポーズ/photo by Rick Cummings

 

肩に痛みがある場合は…

手を胸の前に持っていこう。両手をしっかり押し合って、胸部と背中を均等に開く。手のひらをさらに強く合わせて徐々に上げていくと、肩を働かせることができる。違和感を感じた時点で手を上げるのをやめる。これは、腰が丸くなりがちな人にも有効なポーズになる。

ウトゥカターサナ 椅子のポーズ 軽減
ウトゥカターサナの軽減ポーズ/photo by Rick Cummings

 

膝に痛みがある場合は…

壁に寄りかかってポーズを行ってみよう。人体のほとんどの関節は、回旋運動と滑り運動の一方または両方ができるようになっている。膝の痛みを管理するうえでの目標は、過度の回旋運動(トルク)と滑り運動(逸れ)を和らげることである。壁を利用して体重を支え、膝の屈曲を制限すると、膝関節のトルクと逸れの両方を軽減できる。まず、足を腰幅に開き、壁から30cm程離れて立つ。股関節から腰を折り曲げていき、腰が壁にふれたら壁に背中を預ける。心地よく感じられるところまで、腰を下げていく。ただし、膝を90度より深く曲げないこと。膝を足首の真上に保とう。手は頭上に上げても、腰にあてても、胸の前に持ってきてもよい。

ウトゥカターサナ 椅子のポーズ 
ウトゥカターサナの軽減ポーズ/photo by Rick Cummings

 

負担を軽くしよう

腕は身長の約35%の長さがあり、両腕を合わせると体重の約10%の重さがある。腕を頭上に上げた状態で前屈すると、上半身は腕の分だけ長くなり、重さが変わってくる。そして、背中と腰の筋肉やハムストリングが支えなければならない重さが増す。ハムストリングは腰の伸筋であり、膝の屈筋である。過度に前屈すると、すでに負担がかかっている腰の伸筋はさらに引き伸ばされ、最適に収縮することができなくなる。その結果、脊椎に付着する筋肉がその働きを補うことになる。だから、脊椎をいたわって、負担を軽くしてあげよう。積極的に前屈せずに、上体をほぼまっすぐに保って両腕を上げることを目指そう。あるいは、上体をほぼまっすぐに保って手を胸の前で合わせることを目指そう。

ガルーダーサナ(ワシのポーズ)のための3つの準備ポーズ

足と腰をストレッチし、体幹と背中の上部を強化し、バランス感覚を養おう。

1.腕…ガルーダーサナ(ワシのポーズ)、脚…ゴムカーサナ (牛の顔のポーズ)

ポーズの効果:腰の両サイドと背中の上部をストレッチする。

ガルーダーサナ ゴムカーサナ
ガルーダーサナ(腕)、ゴムカーサナ(脚)/photo by Rick Cummings

やり方

四つん這いになり、手は肩の下、膝は腰の下に置き、つま先をマットに押しつける。右膝を左に滑らせていき、両膝の内側をつける(両膝ともまだ床についている)。左脚で右脚をまたぎ、両膝を一直線に揃える。左右の足先を(腰幅より少し広くなるように)離す。太腿の内側が突き出ていたら、手で回転させて後ろに引く。腰を徐々に下げていき、両足の間に下ろす。腰の下にプロップを置いてもよい。腕を体の前で90度に曲げる。左腕を右腕の下に回して、右腕を左腕にからませ、ワシのポーズの腕の形にする。この姿勢を10回呼吸する間保った後、反対側も行う。

2.スパイナル・バランス(脊椎のバランス)

ポーズの効果:体幹の強さとバランス感覚を改善する。自己受容感覚(空間の中で体の位置を認識する感覚)を高める。

スパイナル・バランス
スパイナル・バランス/photo by Rick Cummings

やり方

四つん這いになり、コルセットをつけているつもりで体幹を引き締める。すると、体幹の前面から背面にかけても、脇から脇にかけても引き締まる。右腕を床と平行に上げて、肩からまっすぐ前に伸ばす。手のひらは左側に向ける。左脚を床と平行に上げて、腰からまっすぐ後ろに伸ばす。上げている腕と脚を、実際には動かさずに互いに引き寄せるように力を加えて(つまり、アイソメトリック負荷をかけて筋肉を収縮させて)、体幹をさらに働かせる。この姿勢を5回呼吸する間保った後、反対側も行う。左右それぞれ3回繰り返す。

3.プラサリタパードッターナーサナ(立って両脚を伸ばし、ねじりを加えたポーズ)

ポーズの効果:脚の内側と外側、背中の中ほどをストレッチし強化する。

プラサリタパードッターナーサナ
プラサリタパードッターナーサナ/photo by Rick Cummings

やり方

左右の足を平行にして、90 ~120cm程度に広げる。どちらの足も外側の端から内側の端まで均等に床に置く。手を腰にあてて、息を吸いながら背筋を伸ばし、息を吐きながら前屈していく。両手を床に預ける。アイソメトリック負荷をかけて(実際には脚を動かさずに)左脚を右脚のほうに、右脚を左脚のほうに引くことにより、姿勢を安定させる。左手で右すねの外側をつかんで左側に引き、肩と背中の筋肉をストレッチし強化する。この姿勢を5回呼吸しながら保った後、反対側も行う。

ガルーダーサナ(ワシのポーズ)とは

Garuda = 神話上の鳥類の王 asana = ポーズ
ワシのポーズ

ポーズの効果:バランス感覚をよくする。太腿の内側と足首を強化する。ふくらはぎと背中の上部をストレッチする。

完成までのステップ

1.ターダーサナ山のポーズ)で立ち、手を腰にあてる。右足の拇指球からかかとまでしっかり床につけたまま、指を持ち上げて広げる。上げた指を床に押しつけて、しっかりした土台をつくる。膝を曲げて、腰を少し後ろに引く。

ターダーサナ 山のポーズ
ガルーダーサナへのステップ/photo by Rick Cummings

2.左脚を上げて右太腿の上に重ね、つま先を右ふくらはぎの裏側にからませる。左足のつま先は床につけるか、右足の横にブロックを置いてそこにのせてもよい。ここで2 ~ 3回呼吸してバランスをとる。バランスとは動的なプロセスであって、静的なプロセスではないと認識することが重要だ。つまり、このポーズでは絶えず揺らぎを感じることになる。落胆しないようにしよう。ドリシュティ(目線)をどこか1点に合わせると、心を静めて集中するのに役に立つ。

ガルーダーサナ
ガルーダーサナへのステップ/photo by Rick Cummings

3.両腕を肩の高さに上げ、肘を90度に曲げて、ゴールの支柱のように立てる。両腕を胸の前に持っていき、左右の肩甲骨を離す。コルセットをつけているつもりで体幹を引き締める。目線と呼吸をゆったりと安定させておく。

ガルーダーサナ
ガルーダーサナへのステップ/photo by Rick Cummings

4.左腕を右腕の下から交差させ、右腕を左腕にからめる。手のひらを合わせて、指先をまっすぐ上に向ける。上体をまっすぐに保ち、肩と腰を平行にする。胸部を広げることによって、肩甲骨を再び働かせる。

5.ポーズを深めるには、肩と体幹はその状態のまま、腕を上げる。肩が首を圧迫していると感じたり、下位肋骨が骨盤から離れていくと感じるようではいけない。腰を下げることに挑戦してみよう。その際には、軸足の「三脚効果」と腰椎のニュートラルなカーブを維持することに意識を向けよう。5 ~ 10回呼吸する間ポーズにとどまり、山のポーズに戻る。反対側も同様に行う。

ガルーダーサナ ワシのポーズ
ガルーダーサナ/photo by Rick Cummings

安全に行うために

ワシのポーズで怪我を防ぐために、体幹の完全な状態を強く意識し続けよう。どの時点でも、体幹の筋肉を使えていないと感じたら、伸展と屈曲のバランスがとれていると感じられるところまで戻ってみよう。腰を過度に低くしようとすると、骨盤の上部が前傾して腰が反りすぎる恐れがある。腰に圧迫感や締めつけ感があったり、想像上のコルセットからお腹がはみ出したら、限度を超えていることがわかるはずだ。あらゆる立位のポーズと同じように、ワシのポーズも足がポーズの土台である。重心が「三脚」の前後に逸れ始めたと感じたら、土台が再び安定するまで後戻りしてみよう。

 

教えてくれたのは...ロビン・カポビアンコ(MA、E-RYT500)
矯正運動のスペシャリスト。筋膜リリースと伝統的なヨガと矯正運動とを独自に組み合わせ、科学的な要素を盛り込んだクラスを行っている。カポビアンコの取り組みは、ジル・ミラー、シアンナ・シェルマン、リチャード・フリーマン、ダグラス・ブルックスと共同で行っている研究や、統合生理学から着想を得たもの。コロラド大学ボルダー校行動研究所神経生理学の博士課程の学生でもあり、ストレッチ運動とヨガの神経力学の研究を行っている。

Photos by Rick Cummings
Styling by Emily Choi
Hair&make-up by Beth Walker
Translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.49掲載

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