YOGA PEDIA|ヴィラーサナからクラウンチャーサナへのステップ
ヨガジャーナルアメリカ版から、毎回異なるポーズをご紹介する「YOGA PEDIA」。今回は、ヴィラーサナから クラウンチャーサナへのステップや軽減ポーズをご紹介します。教えてくれたのは、ユニティー・ウッズ・ヨガセンターの創設者であるジョン・シューマッハー先生。
ヴィラーサナとは
ポーズの由来:vira = 英雄 asana = ポーズ
英雄のポーズ
ポーズの効果:膝と腰の柔軟性を高める。足裏のアーチを形成している筋肉を調整する。足先から脚全体の血流を増やす。
完成までのステップ
1. 両膝を合わせてマットにつき、太腿を床に垂直にする。足は腰よりやや広く開く(足の甲や膝が痛む場合は、膝の下に薄いブランケットを敷くとよい)。つま先はまっすぐ後方に向ける。親指から小指まで指の付け根をよく広げる。10本の指の爪がすべて床についている状態が理想。
2. 膝を少し傾けて、上体を前傾させ、手をふくらはぎにおく。ふくらはぎの筋肉を膝から遠ざけるように引き、外側へ回転させる。お尻をさらに低くして床に下ろす。ふくらはぎの内側が太腿の外側に触れているようにする。
3. 手を膝におき、膝の皮膚をつかんで、太腿のほうに引き上げる。こうすると、膝にさらに空間がもたらされる。この姿勢を1 ~ 5分間保つ。
4. 腕をまっすぐ前に伸ばす。手のひらを合わせて指を組む。ここで手のひらを前に返して、息を吸いながら腕を頭上に上げる。このように腕を伸ばす動きを利用して、体側を上に伸ばす。すねと膝を押し下げて、鼠蹊部の内側を下げる。このまま30 ~ 60秒保ったら、腕を下ろして指の組み方を替え、同じ動きを繰り返す。
5. ポーズを終えるには、腕を下ろし、手を床におき、お尻を床から上げる。片方ずつ膝を引き上げて、足を順番に前にスライドさせて伸ばす。
NG:お尻を浮かせたり、膝の痛みを我慢したりしないこと。床に腰を下ろせない場合は、ブロックかブランケットを利用しよう。
NG:膝の故障を防ぐために、足が内側に入ったり、外側に広がらないようにすること。
ヴィラーサナの軽減ポーズ
足首のストレッチが強すぎると感じる場合は…
巻いたハンドタオルか薄いブランケットを、足首の前面に触れるようにおいて、足首が少し持ち上がるようにしてみよう。さまざまな高さを試してみて、ストレッチの程度を調整しよう。
膝が痛む場合は…
お尻をブロックかブランケットで支えてみよう。痛みがなく太腿と膝が無理なく伸びていると感じられる高さを選ぼう。長い時間をかけて徐々にサポートを少なくしていき、膝の柔軟性を高めよう。
足がつる場合は…
ボルスターを2個横に並べた上に膝をおいて、足とお尻がボルスターから外れるようにしてみよう。お尻はブロックで支えること。こうすると足にかかる圧力が減り、足首の痛みも緩和される。左上の修正ポーズと組み合わせてもよい。
今ここに心を集中させよう
ほとんどの人がカルマ(karma)という言葉を知っているが、クラマ(krama)という言葉になじみがある人はそれほど多くないはずだ。クラマとは、「順序」とか「シークエンス」を意味する言葉だ。たとえば、このヨガペディアには、アーサナのシークエンス、つまりアーサナのクラマが紹介されているが、そこでは一連の動きの中で1つのアーサナを行うことが次のアーサナへの準備となっている。このことを念頭に置いておくことが、練習の強化につながり、各ポーズに可能な限り深く入っていく助けとなる。また、各ポーズの効果を最大にするほか、アーサナを単に身体的な運動から、集中力の高まった心と研ぎ澄まされた意識を育てる手段へと変えてくれる。言い換えれば、このようなアプローチによってアーサナの練習が動的な瞑想へと変わるのである。
クラウンチャーサナのための3つの準備ポーズ
ハムストリングをストレッチし、腹筋を整えよう。
1.スプタパダングシュターサナ(横たわった足の親指をつかむポーズ、バリエーション)
ポーズの効果:ハムストリングをストレッチする。腹部を強化する。柔軟性を高める。
やり方
仰向けになり、両膝を曲げてかかとを坐骨の近くにおく。左膝を胸のほうに引き上げ、両手で左足をつかむ。左脚を上向きに伸ばして、お尻から膝までハムストリングをストレッチし、大腿四頭筋を膝から腰のほうに引く。足先をつかむと膝を伸ばせない場合は、足にストラップをかけてみよう。膝頭を引き締めて、大腿骨を太腿の裏側のほうへ押す。左脚を胴体のほうに引っ張りながら、この一連の動きを続ける。息を吐きながら、胴体を引き上げ、額をすねに近づける。普段の呼吸をしながら、この姿勢を15 ~ 20秒間保つ。仰向けになって左脚を解き、反対側を行う。
2.トリアンガムカイカパーダパスチモッターナーサナ(片脚を曲げた前屈のポーズ)
ポーズの効果:足首、膝、股関節の柔軟性を高める。腹筋と内臓の調子を整える。
やり方
ダンダーサナで座る。左膝を曲げて、ふくらはぎを外側に回転させ、左脚を英雄のポーズと同じようにおく。右膝頭をつかんで、右太腿を押し下げる。左右の脚を離さないようにする。骨盤が右に傾いてしまう場合は、右側のお尻の下にブランケットをおこう。息を吸いながら、両腕を上げて前屈する。右足先をつかみ、胸部を引き上げて背中をくぼませる。足先に手が届かない場合は、ストラップを利用する。息を吐きながら、曲げたほうの脚に体重をかけたまま前屈する。胴体を脚に近づける。この姿勢を30 ~ 60秒保つ。息を吸いながら上体を起こし、反対側を行う。
3.ダンダーサナ(杖のポーズ)
ポーズの効果:脚の筋肉をストレッチし、調子を整える。股関節を強化する。腹部と背骨の筋肉を強化する。
やり方
脚を前に伸ばして床に座る。ハムストリングが硬くて骨盤が後傾している場合は、ブランケットを1枚ないし2枚敷いて座る。指先を前方に向けて、手のひらを腰の横の床におく。膝頭を引き締めて、大腿四頭筋を鼠蹊部のほうに引き、太腿と膝を床に押し下げる。体側を引き上げる。胸骨を引き上げ、肩を後ろに引く。腰、肩、頭部が、床から垂直に一直線になるように保つ。
クラウンチャーサナとは
krouncha = 青サギ asana = ポーズ
青サギのポーズ
ポーズの効果:脚の筋肉をストレッチし、強化する。内臓を活性化させながら、心を静め落ち着かせる。
完成までのステップ
1. ダンダーサナで座る。左脚のほうに体を傾けて、右膝を曲げ、ふくらはぎと足先を太腿のほうへ持っていく。
2. 右のすねの中央を床につけて、ふくらはぎと足先は太腿と腰に触れるようにする。右つま先は後方に向け、指の付け根は大きく広げ、爪が床に接するようにする。膝を合わせる。右脚の膝、ふくらはぎの外側、太腿をそれぞれ床に押しつける。お尻が床に触れていない場合は、ブロックかブランケットの上に座る。骨盤が左に傾く場合は、お尻の左下にブランケットを敷く。
3. 息を吐きながら、左膝を曲げ、足先を両手でつかむ。骨盤を平らに保ちながら、仙骨を前に動かし、肋骨を引き上げる。
4. 左ふくらはぎの内側を膝から足首のほうに伸ばしながら、左脚を高く引き上げる。左膝頭を引き締め、左大腿四頭筋を腰のほうに引き上げて、ハムストリングをお尻から膝のほうへストレッチする。左の腰の外側を床の方に回転させ、少し前に動かして、坐骨の上に均等に座る。
5. 上げた脚を高く引き上げ、肘を両側に広げて体側を引き上げ、胴体を直立状態に保つ。左側の坐骨の上に座ったまま、息を吐きながら頭部と胴体を前に動かし、それと同時に左脚を上にストレッチし、後方に引く。膝をしっかり保ったまま、大腿骨を脚の裏側のほうに動かす。可能であれば、額を左脚のすねにのせる。目をリラックスさせ、こめかみを和らげる。首と喉の緊張を解放する。五感を静めることができたとき、このポーズは深い静けさと深遠な内なる覚醒をもたらしてくれる。20 ~ 30秒保ったら、ポーズを解き、反対側に移る。
安全に行うために
体は常に私たちに語りかけている。どんなときでも体の声を聞くのは大切なことだが、自分の限界を試すような動きをしているときには、特別な注意が必要だ。クラウンチャーサナでは、特に膝と背中が故障しやすい。背中を守るために、背筋を上へ上へと常に伸ばし続けよう。膝を守るために、プライドと野心を脇に置いて、必要性がなくなるまでプロップのサポートを利用しよう。Ahimsa(アヒムサー、非暴力)があらゆるヨガの実践の基礎となる姿勢なのだから、体が送ってくる叫び、ため息、ささやきには耳を澄まそう。
教えてくれたのは...ジョン・シューマッハー先生
ユニティー・ウッズ・ヨガセンターの創設者でありディレクター。同センターは1979年以来、ワシントンDC一帯で活動を展開している。B.K.S.アイアンガーの下で33年間にわたりヨガを学び、B.K.S.アイアンガーにより上級指導者に認定された。43年間におよび世界中のヨガ指導者と学習者に指導を行ってきた。わかりやすく正確な指導スタイルとユーモアのセンスが、生徒たちに自分の限界に挑もうという気にさせている。
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