〈八ヶ岳高原移住〉子育て世代移住、「子供が良い表情をするようになった」 #暮らしの選択肢
二拠点生活者のリアルな日常を深堀りする連載企画「#暮らしの選択肢」。今回は、番外編として、地方へ完全移住を選択された移住者へお話を伺います。自らの価値観に基づき「暮らしを選ぶ」移住者たちが考える、魅力や課題、リアルな日常を深掘り。理想と現実の狭間で見えてくる「暮らしの選択肢」の今を伝えます。
今回の「#暮らしの選択肢」は、番外編。長野県八ヶ岳の裾野のなだらかな傾斜地に広がる高原の村・原村に2024年に移住した、ゆちさんです。移住まで様々な課題を一つ一つクリアしつつ、ようやく叶った夢の暮らし。雪国の冬での暮らしは大変な一方で、今後も長野での生活を謳歌したいと話します。ゆちさんの「#暮らしの選択肢」に迫ります。
〈プロフィール〉ゆち
兵庫県の『無印良品の木の家』→長野県八ヶ岳高原に移住。森を切りひらいて建築家と家を建てる。
著書『決めました。無印良品の家に』
Instagram: @sora_mori_house
暮らしの満足感を取り戻せた
– お子さんは、保育園を変えられて何か反応はありましたか?
ゆちさん: 実は、移住前は子供のことがすごく心配だったのですが、特に大きな問題もなく馴染んできました。ちょうど、3歳に上がる時に保育園を変えて、年少さんから入られるご家庭も多いということも良かったと思います。ただ、小さいとはいえ、子供からしたら、保育園が変わるのには少し抵抗はあったと思います。そこは、覚悟はしていたんですけど、子供は柔軟なので、すぐに慣れてくれました。
– お子さんが新しい暮らしに馴染むかというのは、ご両親としても一番の心配事ですよね。ゆちさん自身は、原村の暮らしにはスムーズに馴染めましたか?
ゆちさん: はい。特に問題もなく馴染めたと思います。長野県には、移住者が多いからか、移住者だからと構えられることも全くないのです。結構、喋りかけてもくれる人が多くて面白いですね。特に子連れだと年配の方に話しかけられることが多いです。「産んでくれてありがとう」と、知らない人に言われたこともありました(笑)
– 素敵ですね。原村で暮らしはじめてから、神戸や大阪に対しての価値観や見方に変化はありましたか?
ゆちさん: 価値観や見方が変わったということはありませんね。特に、都会を恋しく思うっていうことは全くなくて。強いて言えば、洋服を買う時に、店頭に行けないということでしょうか。オンラインでは買えるんですけど。
– 不便だと感じることはありませんか?
ゆちさん: 私はないです。ただ、やはり田舎なので車の運転は必須になります。車の運転ができない方は不便に感じるかもしれませんね。都心部で暮らしている方ですと、車を運転しないという方も多いと思うので。私はもともと運転してたので、そこは全く問題ありませんでした。こちらでは、交通の便が不便な上、学校が遠いので、小学校から高校まで親が車で送迎をするんです。場所によって異なるとは思うのですが、原村の場合は車の運転ができないのと、送り迎えなどの時間に制限のある方は厳しいかもしれません。
– 地方暮らしになると、やることが増えるということをよく耳にしますが、お子さんがいるご家庭ですと、送り迎えも1日のルーティンに入ってくるわけですね。ゆちさんはフルタイムでお仕事もされていて、お忙しいと思いますが、それでも原村での暮らしには満足されていますか?
ゆちさん: はい、とても満足しています。兵庫では、犬の散歩をしていても見える景色というのは住宅街の景色でしたが、原村では、絶景です。森の中に家を建てたので、窓を開けるとその景色が美しいだけでなく、気持ちが良い風が入ってきます。今、長男は5歳になりましたが、彼も毎日自然をみて「綺麗だね」「美しいね」という言葉が出るようになって。自然に囲まれるだけで、こうも満足度が違うのだなと思いますね。
近所の総合病院に〇〇〇科がない!地方移住で盲点だったこと
– ご近所の方々との交流はありますか?
ゆちさん: ご近所さんは、退職された方々が多いため、子供たちのことを自分の孫のように可愛がってくれています。神戸に住んでいた頃よりも、近所付き合いはありますが、皆さん移住者なので、煩わしい付き合いではありません。
– 気持ちの良い付き合いができているということですね。ご高齢の方も周りに多いということですが、病院などは周りにあるのでしょうか?
ゆちさん: はい。病院は、車を10分ほど走らせたら大きな総合病院があります。私も、移住前に病院を調べて、3つほど大きい病院が30分圏内にあるということが分かっていたので、移住に踏み切れたというのもあります。ただ、私が調べ漏れてたんですけど、移住当時には近くに産婦人科がなかったんです。現在は、車で数十分の所にある病院に産婦人科ができたようなのですが。実は、こちらに移住してから第二子の妊娠が発覚しました。そのため、車で一時間かけて産婦人科に通ったんです。
自然の中での暮らしに感謝して過ごしていきたい
– 原村の移住して、これまで一番大変だったこと、苦労したことはありますか?
ゆちさん: 強いて言うなら、冬は大変ですね。真冬は、−15度まで下がることもあります。寒すぎてドアが凍って開かなくなってしまったということもありました。また最初のうちは、路面凍結をしている中での車の運転が怖かったです。明らかに雪が目に見えていたら注意して運転しますが、何も見えない時はうっかりしてついスピードをだしてしまったり。これまで事故にあったことはありませんが、滑ってしまったということはありました。
– 雪国ならではの大変さがあるわけですね。逆に夏場などはどうでしょうか?自然豊かな場所だからこそ、湿気や虫が増えるなどの問題はありませんか?
ゆちさん: 私もそれは覚悟していたのですが、特に害虫が出たりということはこれまでにありません。カブトムシやカマキリ、あるいはリスなどが出るということはありますが、そういった生き物の出現は、子供たちと一緒に楽しむことができています。また、長野は通年を通して、乾燥しているんです。森の中は風通しも良いため、夏はエアコンいらずですし、湿気やカビに悩まされることはなく、快適に過ごすことができています。だからこそ、犬連れの方々が多くいらっしゃるんだと思います。東京の夏の犬の散歩は、時間帯を選びますから。ただ、冬場も乾燥しているので、そこは注意が必要な点ですね。
– 移住して一番よかったことは何でしょうか。
ゆちさん: 一番は、長男がすごく楽しそうなことですね。やはりこちらの方は保育園の園庭は広大で、とてものびのび遊べている様子が伺えます。また、保育園のすぐ横にきれいな川が流れていて、そこで川遊びができたり。また、ある時は、森を散策したり、自然と触れ合える環境です。泥だらけになってくるので、洗濯物は大変なのですが(笑)それでも、やはり楽しそうな長男の笑顔を見ると、移住して良かったと思います。
– 子供の笑顔を見ると、こちらも楽しい気持ちになりますよね。最後に、これからの生活の夢や目標について教えて下さい。
ゆちさん: これからも、自然の中でのびのびした暮らしを続けていきたいというのが一番です。移住して、まだまだ大人の私たちでも知らないことがたくさんあることに気づけました。例えば、寒暖差があるからこそ野菜がとても甘いこと。野菜はどうやって作る?つららができるのはなぜだろう?リスは何を食べているの?など自然でしかできない遊びや学びがたくさんあるので、子どもたちと日々の生活でたくさん学んでいきたいなと思っています。
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