〈東京⇔伊豆 二拠点生活〉地方暮らしを経験したからこそ分かる東京の便利さ #暮らしの選択肢
近年、テレワークの普及やライフスタイルの多様化により、都市と地方の二拠点で生活する人々が増加傾向にあるということをご存知でしょうか。国土交通省の調査によれば、二地域居住等を実践する人は約6.7%に達し、約701万人と推計されているんだとか。また、複数拠点生活を行っている人は全体の5.1%に上るとの報告も。自らの価値観に基づき「暮らしを選ぶ」二拠点生活者たちから、その魅力や課題、リアルな日常を深掘り。理想と現実の狭間で見えてくる「暮らしの選択肢」の今を伝えます。
今回、お話を伺ったのは、2018年東京と伊豆で二拠点生活を送るs.i.さんです。二拠点生活をはじめて今年で8年になるs.i.さんは、ログハウスを建てた当初は「いつか移住したい!」と思っていたそう。一方で、現在は「老後は、自分たちには、東京の方がフィットしているのかも」と考えるように。どういった心境の変化なのでしょうか。s.i.さんの二拠点生活に迫ります。
〈プロフィール〉 s.i.
会社員。2018年、伊豆にログハウスを建て、二拠点生活をスタート。趣味は、ヨットと写真、庭仕事。
Instagram: @tasar2706
伊豆では〇〇に縛られない暮らしを送っている
– 伊豆で暮らすようになって、東京に対しての価値観が変わったということはありましたか?
s.i.さん: 価値観が変わったということはありませんが、改めて東京の便利さを感じるようになりました。伊豆に家を建てた最初の頃は、「いつかは移住するぞ」と思い描いていたのですが、その思いは最近落ち着いてきました。それは、東京には東京の良さもあるということが客観的に見えてきたということだと思います。もちろん、伊豆が良いと思っている一方で、年齢を重ねて、運転のことや病院のことを考えると、東京の方が私たちにはもしかしたらフィットしていると感じるようになりました。
– 伊豆での暮らしに不便さを感じますか?
s.i.さん: 不便を感じるというほどではないのですが、東京の便利さを知ってしまっている分、期待値が高かったのかもしれません。私たちのご近所さんは、別荘として使っている方と定住者の方と半々。定住者の方々はみなさん生き生きと暮らしていらっしゃいます。スーパーも、駅も、郵便局も、少し距離はありますが、徒歩でも行けます。ただ、東京の暮らしが長かった分、その便利さに慣れてしまっていたということを改めて再確認したという感じでしょうか。自分でも、贅沢なことを言っているように思うのですが。
– 二拠点をはじめる前にイメージしていたことと、実際に暮らしはじめてからイメージと違ったということはありますか?
s.i.さん: もっと外に出かけようと思っていたのですが、実際は家にいることが多かったということでしょうか。観光地ですし、海も山もあったり、やることはたくさんあるのですが、本当に家にずっといますね。
– それは、家での時間が心地良いからということですよね。普段、東京でお忙しいというのもあるでしょうし。
s.i.さん: そうですね。家での時間が良いんですよね。なるべくゆっくり過ごしたいという思いが強いです。だから、細かくスケジュールを立てないようにしています。時計も電波時計は置かずに、目盛りの少ない曖昧な時計を置くようにしています(笑)
– 時間に縛られない暮らしということですね。
s.iさん: はい。あくまでもリラックスするために行っているので、何事もゆるめにやるようにしています。時間に縛られないというのもそうですし、お互いが自由に好きなことをできるように干渉しないようにしたり。伊豆では夫にもあまりガミガミ言わなくなりました。特に意識しているわけではないのですが、リラックスするとこうも違うんだなと思いますね。
二拠点生活で良かったことは、趣味が増えたこと
– 二拠点生活をはじめてなんかよかったと思うところはどんなところでしょうか。
s.i.さん: 趣味が楽しめるようになったことです。実は、若い頃は写真が趣味でよく撮っていました。ただ、東京にいても撮りたい風景が、あまりなくて。だから、いつの間にか写真を撮らなくなってしまいました。一方で、伊豆では、写真を撮りたくなるシーンに出会います。自然の風景や、動植物の写真とか撮るのが好きだったということを思い出せたのは良かったことですね。あとは、庭仕事という新たな趣味を見つけることができたのも嬉しいです。
– 趣味が増えていくと、より人生が豊かになっていきますもんね。逆に、二拠点生活で大変なことは何かありますか?
s.i.さん: ネガティブではない大変なことは、たくさんありますよ。例えば、薪を調達しないといけないとか、家や庭の手入れをこまめにしないとか。庭仕事も、優雅なガーデニングでは全然ないんです。野良仕事ですね。汗まみれになってのこぎりで剪定をするみたいなという感じで。それらはもちろん大変なんですが、それは楽しんでる大変さなので、なんてことありません。やりたくてやっています。
ただ、不安を感じているのは、やはり二拠点生活にはそれなりのお金が必要にもなってくるということでしょうか。それがいつまで続けられるのかなということは考えたりはしますね。
– 荷物だったり、水道光熱費も2倍になるわけですもんね。ただ、今の所はこれからも二拠点生活を続けていく予定ですか?
s.i.さん: はい。具体的にいつまでというのは考えていません。通えるうちは通おうと思っています。先程もお話した通り、老後は東京で落ち着く可能性もあるかもしれないため、今体力があるうちは、二拠点生活を思う存分楽しみたいと思っています。
– 今後の展望について教えて下さい。
s.i.さん: 今は、週末だけ伊豆で過ごしていますが、これからは東京と伊豆での時間を半々にしたいと思っています。テレワークを活用して、伊豆での時間をもう少し増やしたいですね。平日の昼間に移動すれば渋滞にも巻き込まれずに済みますし、もう少しうまくやりたいと思っています。
– 楽しみですね!伊豆での時間が増えたら、やりたいことはありますか?
s.i.さん: 庭仕事以外だと、もっと地域のことにも目を向けたいと思っています。8年住んでいても家にいることがほとんどなので、まだまだ知らないこともたくさんあります。近場でいいところを見つけたりしたいです。また、ご近所の方と仲良くなってきたので、もうちょっと滞在期間が長くなれば、お付き合いももっと生まれるかなと期待しています。
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