「夢のためにお金を作る」京都⇔東京 二拠点生活者が語る 価値のあるお金の使い方 #暮らしの選択肢

「夢のためにお金を作る」京都⇔東京 二拠点生活者が語る 価値のあるお金の使い方 #暮らしの選択肢
写真提供: 森 洋子

近年、テレワークの普及やライフスタイルの多様化により、都市と地方の二拠点で生活する人々が増加傾向にあるということをご存知でしょうか。国土交通省の調査によれば、二地域居住等を実践する人は約6.7%に達し、約701万人と推計されているんだとか。また、複数拠点生活を行っている人は全体の5.1%に上るとの報告も。自らの価値観に基づき「暮らしを選ぶ」二拠点生活者たちから、その魅力や課題、リアルな日常を深掘り。理想と現実の狭間で見えてくる「暮らしの選択肢」の今を伝えます。

広告

今回、お話を伺った二拠点生活者は、京都と東京で二拠点生活を送る森 洋子さんです。大好きな夫と娘を東京において、月1週間の京都一人生活を謳歌する森さん。いったい、一人でどのように楽しんでいるのでしょうか。森さんの二拠点生活に迫ります。

***********************************

〈プロフィール〉森 洋子

森 洋子
森 洋子

京都⇔東京2拠点生活中。初心者女性向けマネー講座を主催する他、ファン作りを楽しむ、コンテンツ作成のコンサルも行う。京都芸術大学で通信教育受講中の58歳女子大生。趣味は夫の幹生、ワイン。特技は引越し、マイブームは英会話。

Instagram: @tsumakatsu_moriyohko

***********************************

二拠点先でも友達と楽しく過ごしたい!大人になって友達を作る方法 

– 現在の京都と東京での二拠点生活をはじめる前にイメージされていたことで、実際にイメージと異なったことはありましたか?

森さん: 移動することがそこまで苦ではなかったことですかね。私は2018年に起業したのですが、起業する前、会社員をしていた頃も通勤がとにかく嫌で嫌で。通勤したくないから、起業したくらいなんです(笑)だけど、今は、京都と東京の行き来に加えて、海外も含めて色々な場所を飛び回っています。動き回ることで新しい出会いが生まれるんだということも分かりましたし、それに体の調子が良いと感じるようになりました。 

– 体の調子が良いというのは?

森さん: 私は新幹線や飛行機で移動するのですが、スピードの速い乗り物というのは、体にすごく負担がかかるという話を聞いたんです。それに、ずっと座りっぱなしもよくないと考えて、ヨガも習慣にしています。東京でも京都でも、部屋には必ずヨガマットをしきっぱにしています。あとは、東京では指圧、京都では鍼灸のいい先生を見つけたので毎月通って、メンテナンスをするようになりました。だから調子がいいのかなと。

– 確かに、移動が多いと、体力がいりますよね。体力作りとメンテナンスが欠かせないというわけですね。

森さん: そうなんです。私はもともと体力がなく、二拠点生活をはじめるまではすぐ疲れてしまう方でした。けれど、メンテナンスをしたり、運動が習慣化するようになって、すごく元気になりましたね。二拠点生活のおかげで、運動とメンテナンスを、無理やり習慣化できたんだと思います。今は、どちらも楽しんでやっています。 

– 良い変化ですね。京都での生活を楽しむために、何か心がけていることはありますか?

森さん: 京都だけではないのですが、私は長期で滞在する場所では、馴染みのお店を作るのが好きなんです。京都には、毎月通うワイン屋さん、ハム屋さん、魚屋さん、お肉屋さん、八百屋さんがあります。お店の方から、「おかえりなさい」と言ってもらえるのは嬉しいですね。あとは、地元の友だちも作るようにしました。 

森 洋子
写真提供: 森 洋子

– 大人になってからの友達は、どうやって作るんですか?

森さん: 大人になって、友だちを作るのって難しいですよね(笑)例えば、子どもがいたら、ママ友ができたりしますが、ママ友というのは子どもを介した知り合いで、子どもの生活をいかに良くするかという共通の目的を持った付き合いですよね。だから、ママ友と友だちになるというのは難しいと思うんです。もちろん、その中でも本当に友だちになれる出会いもあるとは思うのですが、それは稀だと思います。私の場合は、先程もお話した通り、好きなお店に通ってそこで友だちを作りました。お店の方だったり、そこに集まっている方々とめちゃめちゃ仲良くなって、そのうちに飲みに行くようになったり。ワインが好きなので、好きなワイン屋さんの試飲会にいって、そこで会う方と仲良くなったり。

– 共通の趣味や好きなことを介して、仲良くなるわけですね。

森さん: そうですね。私の場合は、ワインや食べ物を通して友だちに出会うことが多いです。あとは、大学のスクーリングで仲良くなって、できた同級生グループがあります。通信教育なので、スクーリングには全国から集まった学生が参加しています。ある時、同じスクーリングに参加していた方々の何人かに、勇気を出して話しかけてみたんです。そうしたら、仲良くなれました!どうやら、みなさんも話したかったみたいです。大体50代後半から60代前半ぐらいの女性で、クラスのあとに、カフェで喋ろうみたいなことになって。それから、私を入れて4人の同級生で仲良しになってライングループ作ったりして。みんな住んでいる場所はバラバラなのですが、やはり京都が好きなので、京都で集まれるのが楽しいです。そういうのって、すごく良くないですか? 

写真提供: 森 洋子
写真提供: 森 洋子

– いいですね。大人になってそうやって仲良くなれて、話も合うでしょうし。すごく羨ましいです。 

森さん: 子どもがまだ高校生や大学生の方や、親の介護中という人もいたりするのですが、それでも、自分のやりたいことをやろう!みたいな人が集まっていて、それはすごく刺激を受けます。 

二拠点生活は、お金がかかる。だけど経験には変えられない

– 二拠点生活を続けていく中で、皆さん、お金がかかるということをイメージされることが多いのですが、森さんの二拠点生活ではいかがですか?

森さん: そうですね。お金は、かかります。私は新幹線で行き来をしていて、しかも毎月、直前でも変更できるチケットを購入しているので、お得でも何でもないんです。ただ、お金の使い方だと思うんですよね。今持ってるお金を、一生で使い切れるかというと、そうでもないと思うんです。私は、オンラインでお金のスクールを運営していて、その中でもよく紹介する『Die With Zero ―人生が豊かになりすぎる究極のルール』という本があるんです。この本はすごく簡単に言うと、「お金を全部使い切って、死ね」っていう話なのですが、実際お金を使い切って死ねる人はいないんですよ。老後のことが心配だからと言って、お金を貯めたり、投資したりしても、それをやり続けてしまうと、死んで棺桶に入る時に一番金持ちになってしまうわけです。それは最悪じゃないですか?それだったら今、やりたいことを我慢してお金を貯めるんじゃなくて、少しでもやりたいことをやろうっていう、マインドチェンジをした方がいいと思うんです。

– 時間は限られているのだから、価値のあるお金の使い方をしましょう、ということですね。

森さん: そうですね。もちろん最初は怖いんだけど、でも経験には変えられないので。時間もそうだし、お金は作るものだと思うんです。

– やりたいことのために、お金を作ろうということですね。二拠点生活をはじめて、一番良かったと思うことはどんなことですか?

森さん: 夢が叶ったことですね。二拠点生活も夢だったし、京都で暮らすのも、芸大に通うのも夢だった。それが、叶ったのが一番良かったことですね。大人になると、夢って忘れちゃうと思うんですよ。仕事にプライベートに、自分自身にも家族にも毎日いろいろなことが起こって、だから皆さん、必死じゃないですか。「二拠点生活したいんだ」「暮らすように旅がしたいんだ」とか、呑気なことばかり言ってられない。それで、ふと気付いた時に、「あれ、私は何がやりたいんだろう」と感じる人って意外と多いと思うのです。私が、それに気付いたのは、子どもが修学旅行で、数日間家を空けた時のことでした。最初は「やったー。一週間、私の時間だ!毎晩飲みに行くぞー!」と思ったのですが…いざ、娘がいなくなったら、毎日全くやる気がなくなってしまったんです。ご飯も作らないし、楽しみにしていた飲み歩きも行く気になれなくて。その時、いかに自分が子どもに依存していたか、ということに気づきました。子どもがいないと私は何にもできないのか、と。その時は仕事をしていなかったので、ますます「これはまずい」と思い、バイトを始めました。けれど、やはり日々のことに追われていると、少しずつやりたかったことや、本当に好きなこと、夢も忘れちゃうと思うんです。まだまだ若い内は、難しいかもしれないけれど、必ずそれができるときが来るので、そのために準備しておいてほしいですね。それは、体力だったり、家族の家事力をつけることだったり、あとお金を貯めたり、投資することだったり、仕事をオンラインでできるようにするなど。

– 森さんのお話を聞いていると、大人になるのが楽しみになります。もう充分大人なのですが(笑)

森さん: 良かったです!大人になるのが楽しみになってほしいです。こんなに楽しそうにやってる人がいるんだとか、年をとるのも悪くないというように思ってくれたら、いいなと思います。そういう意味も込めてインスタで私のライフスタイルを発信しています。 

– 最後に、今後の二拠点生活の展望はありますか?

森さん: 京都の夏は暑いんですよね(笑)だから夏は涼しいところに行きたいと考えています。ちょうど、先日、北海道の釧路に行ったら真夏でもとても涼しくて、候補地の一つだと思っています。あとは、海外にもう一つ拠点を持つのが今の夢です。アジアだったら近いから行きやすいかなと思ったり。実は、今年の春に1ヶ月間、セブ島に語学留学に行ったんです。それも大学生の頃からの一つの夢だったのですが、そしたら意外とコスパが良かったんですよ。1ヶ月間海外で住むとちょっと高いけど、語学留学であれば宿泊代やご飯代が込みなので。授業を朝から晩まで受けちゃったから、本当に死ぬ思いをしたんだけど(笑)次に行く時は、授業は午前中だけで、午後は遊んだりしてもいいかなと。それを毎年やったら、英語も上達するじゃないですか。そんな感じで、夏の避暑地での拠点探しと、海外の拠点探しもしたいですね。

写真提供: 森 洋子
写真提供: 森 洋子

 

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

森 洋子
森 洋子
写真提供: 森 洋子
写真提供: 森 洋子