人気インスタグラマーしょ〜こ @shosworks 東京⇔京都 自由気ままな二拠点生活のリアル
近年、テレワークの普及やライフスタイルの多様化により、都市と地方の二拠点で生活する人々が増加傾向にあるということをご存知でしょうか。国土交通省の調査によれば、二地域居住等を実践する人は約6.7%に達し、約701万人と推計されているんだとか。また、複数拠点生活を行っている人は全体の5.1%に上るとの報告も。自らの価値観に基づき「暮らしを選ぶ」二拠点生活者たちから、その魅力や課題、リアルな日常を深掘り。理想と現実の狭間で見えてくる「暮らしの選択肢」の今を伝えます。
今回、お話を伺った二拠点生活者は、東京と京都で二拠点生活を送るインスタグラマーのしょ〜こさん(@shosworks)。インテリア雑誌のライター&編集者を経て、「古い団地をサンクチュアリに」をテーマに、インスタグラムで暮らしについての発信がウケ、現在はフォロワー数22万人を抱える人気インスタグラマーとして活動しています。しょ〜こさんが、快適に暮らす京都の団地に加え、大都会東京で二拠点生活をはじめた経緯とは?しょ〜こさんの二拠点生活に迫ります。
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〈プロフィール〉しょ〜こ
フリーランスでインテリア雑誌のライター&編集者として20年活動したのち、インスタグラマーとして活動。著書に「不要なものを手放して、50代からは身軽に暮らす 自分、おかえり!」(主婦の友社)、「55歳、小さなひとり暮らし~ワクワク、身軽に、気の向く方へ 」(大和書房)がある。Instagram:@shosworks
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「この家に住みたい!」二拠点生活のはじまりは、物件に惚れ込んだから
– 東京と京都の二拠点生活をはじめて今は2年になるということですが、どれぐらいの頻度で行き来されてるんですか?
しょ〜こさん: 二拠点生活をはじめた最初の頃は、半分半分でした。ただ、今はバラバラで、用事に合わせて行き来している感じですね。例えば、私は大阪の美容院に行っているのでヘアメンテナンスの時は京都の自宅に帰ります。一方で、歯医者やネイルは東京で行っていたりするので、その時々の都合に合わせて動くようになりました。それによって、京都と東京でそれぞれ会う人とスケジュールを組んでいます。だから、月に何回も行ったり来たりしたりとかもありますね。
– 自由に行き来されているわけですね。しょ〜こさんが二拠点生活をはじめた経緯について教えて下さい。
しょ〜こさん: 最初は、そもそも二拠点生活をしようと思ってはじめたわけではないんです。コロナ禍以降、「二拠点生活」というワードはよく耳にしていて憧れはありましたし、昔から東京に住んでみたいという気持ちもあったのですが、まさか自分ができるなんて思ってもいなかったので。一方で、長らくインテリア雑誌のライターとして、たくさんの素敵なお家に住まれている方を取材をするという仕事をしていたんです。その延長線上で色々な物件を見るのが趣味で。それで、不動産屋さんのメルマガをずっと購読していました。ある日受け取ったメルマガで紹介された、東京にある「庭付き古民家」を見つけた時、「ここに住みたい」と思っちゃったんですよね。気づいた時には、連絡を取って、翌々日に内覧に行きました。それが、二拠点生活のはじまりでした。
– すごい行動力ですね。
しょ〜こさん: 自分でも止められませんでしたね。実際に見るまでは、まさか自分が本当に住むなんて思ってもみなかったのですが、実際に見たら「やっぱりここに住みたい」と思い、決めちゃいました。ですので、物件に惚れ込んで二拠点生活をはじめたという感じなんです。
– 物件のどんなところに惹かれたのでしょうか?
しょ〜こさん: 一番印象に残っているのは、光です。私は木漏れ日が好きなんです。畳に、葉っぱの木漏れ日がゆらゆら揺れているのが、すごく素敵だと思って。加えて、もともと古いものが好きなんです。京都で長く住んでいる自宅も古い団地なのですが、ライターをしていた時代から古民家に住んでいる人にたくさん取材してたので、そういった家に憧れもありました。そのため、古い家の可愛さにすごくやられたみたいな感じがしますね。古い木の感じとかね。なんかすごい好きなんです。
– 広告などで見て「こういう家に住みたい」と思う人は多いと思うのですが、実際に行動に移して実行できる人は多くないのではないかと思います。少なくとも、誰もが一瞬迷ったりするのではないかと。しょ〜こさんは、全く迷うことはなかったですか。
しょ〜こさん: そうですね。実際に家を内覧した後、自分を取り巻く状況について冷静に考えてみたのですが、「今」なら二拠点生活が可能だと気づきました。機が熟したと言いますか「やれば、できるのかも」と思いました。
– 具体的にどういった状況だということに気づいたのでしょうか?
しょ〜こさん: 私の場合は、3人の子供も独立した後で自分一人だけで生活していたので、金銭的にもだいぶ落ち着いた時期でもありました。仕事もどこにいてもできるので、 特に縛りもなく、二拠点生活をしても差し支えのない状況だったということです。
– 「二拠点生活をする」ということを、お子さんに伝えた時、何か反応はありましたか?
しょ〜こさん: 特になかったですね(笑)「ええやん」ぐらいは言ってくれたかもしれませんが。子供たちは子供たちで、自分の生活でいっぱいいっぱいなので、私のことは特に構ってられないのだと思います。
楽しみにしていた東京生活。イメージと違っていたこととは?
– 今まで京都でずっと暮らしてきて、東京で暮らすようになって2年を振り返ってみていかがですか?
しょ〜こさん: 改めて東京は刺激が多い場所だと思いました。ライターの仕事をしていた時からよく東京には出張できていたのですが、実際に住むようになってからは色々なお店があって、楽しみ方もたくさんあって、多くの刺激をもらえる場所みたいな感じなんですよね。一方、京都に戻ると安心感があります。住み慣れているというのもあり、落ち着きます。そのバランスがとても気に入っています。
– 東京に疲れるということなどはありませんか?
しょ〜こさん: 渋谷や新宿に出ると疲れますね。だから、なるべく行かないようになりました(笑)それは、自分でも正直予想していなかったことなのですが。
– 渋谷や新宿のイメージが、想像と違っていたということでしょうか?
しょ〜こさん: 京都で一拠点生活をしていた時は、渋谷や新宿へ遊びに行くというのは特別感があったので、そういうことが頻繁にできるのが楽しみだったんです。けれど、今は「もういいや」となってしまいましたね(笑)どこかに出かける時は渋谷を経由しないといけないこともあるので通りますが、人混みは疲れるものなんだとわかりました。
– 渋谷や新宿の人混みは、本当にすごいですよね。京都も世界中から観光客の方がたくさん訪れると思うのですが、東京の混み方は別ですか?
しょ〜こさん: 京都の人混みと東京の人混みはちょっと違う感じがしますね。京都だとやり過ごせる気がします。おそらく渋谷の人混みの方が範囲が広いのかもしれません。京都は、観光地などに人が集まることはありますが、決まった場所だけなので。今は東京で過ごす時は、なるべく渋谷や新宿など人混みが激しいところは避けて過ごすことが多いです。特に私が住んでいるエリアは、都内の中でも比較的ゆったりしているエリアなので、落ち着いて過ごすことができて気に入っています。
東京に住むようになって深まった「京都愛」
– しょ〜こさんが、東京の生活に馴染むためにしたことというのはありましたか?
しょ〜こさん: 特別に意識的にしたことというのはないですね。ライター時代に、出張で来ていたので土地勘もありましたし、友達もいたし。あとは、好きなバンドのライブに来たりとか。
– 全く知らない土地ではなかったということですね。
しょ〜こさん: そうですね。そのため、特に東京に違和感を感じず自然に馴染むことができたと思います。
– 東京で暮らすようになって京都に対しての価値観や見方が変わったことはありますか?
しょ〜こさん: 「京都愛」が高まったかもしれません。京都で生まれ育って大人になってからもずっと京都に住んでいたので、京都が「普通」だと思っていた節があったと思います。けれど、京都は特別な場所だということがよく分かりました。豊かな歴史的文化と現代的なところの両方が存在していて。また、自然が近いところもすごく魅力的だなと思いますね。特に、鴨川の存在がすごく大きいと思うようになりました。昔から、鴨川をよく散歩してたんですけど、そこに行くと時が止まったかのような感じで、のんびりできます。
– 離れることで、良さが再認識できたわけですね。先程、しょ〜こさんにとって、東京は「刺激的な場所」だということをお話されていましたが、京都はどんな場所だと思いますか?
しょ〜こさん: 私にとって、京都は「癒しの場所」だと思います。ずっと住んでいたという馴染みのある場所ですし、団地の部屋もきれいに片付けてあるので、めちゃくちゃすっきりしてて居心地いい環境ができているというのもあると思います。
>>後編へ続く
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