強い孤独感が消えないと悩む方へ「マインドフルセルフコンパッション」とは?
みなさん孤独感を感じることはありますか?他の人と比べて友達が少ないとか、恋人がなかなかできないとか、日々の生活の中で孤独を感じることがあるかもしれないです。孤独を感じている時に街を歩くと、幸せそうな笑顔の人ばかり目に入ってしまい、余計落ち込んでしまったり、孤独感が強まってしまうこともあります。そんな時どのようにマインドケアを行ったらよいか、臨床心理士が教えます。
今回ご紹介するマインドフルセルフコンパッションとは、マインドフルネスとセルフコンパッション (自分への思いやり)に焦点を当ててハーバード大学の心理学者クリス・ガーマー先生とテキサス大学の心理学者クリスティン・ネフ先生が始めたプログラムのことです。
セルフコンパッションについては過去の記事もご参照ください。
孤独感について
孤独感は「自分はひとりぼっちだという感覚」のことです。心が通じ合う人がいないように感じて寂しいという気持ちのことです。孤独感が高まると、世界中にはたくさんの人がいるはずなのに、自分たった一人だけが世界から切り離されたように感じてしまいます。コミュニケーションが苦手なこと、自分に自信がないこと、周囲の目を気にしやすいこと、警戒心が強くなかなか人に心を開けないこと、過去の失敗をくよくよと考えてしまうこと、ネガティブに捉えやすいことなど、多くのことが孤独感と関連します。これらのことがあると、実際に友人や恋人がなかなかできないことも多く、余計孤独感が強くなってしまう場合もあります。
孤独感は健康や寿命と関連があります。孤独を感じている人はそうでない人に比べて、早期死亡のリスクが50%高いというアメリカの研究結果があります。自分の健康のためにも孤独感を和らげるスキルを身に付けましょう。
つらい感情と向き合うこと
孤独感を和らげるためには、自分の感情に目を向けることが必要です。しかし、孤独感などの辛い感情と向き合うことは大変なことです。
マインドフルネスは、困難な感情と向き合い、感情を否定したり否認したりせず、ありのまま受容することです。マインドフルネスを実践することで孤独感や、悲しみや怒りなどの辛い感情と向き合い、認め、受け容れることが出来るようになります。しかし、それだけでは足りません。辛い感情を受けれいるためには、安心できること、受け入れても大丈夫だという感覚が必要です。セルフコンパッションは、このような辛い感情に対して、思いやりを持って寄り添います。私たちが傷つきそうな時、自分自身をねぎらい、励まし、気持ちを和らげることが出来るようになります。大切な家族や親しい友人、大好きな人やペットなどが悩み、辛い状況にいる時、相手を思いやる気持ちが自然と湧いてきます。この思いやりの気持ちを自分自身にも向けることです。
マインドフルネス瞑想や歩行瞑想は過去の記事よりチェックしてみてくださいね。
コンパッションは自分から他人へ向かう
セルフコンパッションが高まると、他人に対するコンパッションも高くなります。現在、アメリカのビジネス界隈では「コンパッション」が注目されています。なぜかというと、コンパッションがリーダーに必要な資質だということが分かったからです。チーム員は上司からコンパッションを向けられることで、安全感や安心感を感じ、職場が心理的な安全性のある場所になります。上司に対して安心感を持つだけではなく、仕事のパフォーマンスまで上がるのです。
セルフコンパッションを高めることで、他人へのコンパッションが高くなります。そうすると、周囲の人間もあなたと過ごすことで安心感を感じることになります。もしかしたら、相手の仕事のパフォーマンスも向上するかもしれません。あなたといることで、公私共に良い効果が生まれるのだとしたら、友人は増え、恋人もできる可能性が高くなります。
最後に
困難な状況でこそ、その対処法や改善策をより客観的に考えることが大切です。その際に自分の失敗や欠点にもしっかりと目を向ける必要が出てくる場合があります。その際には、マインドフルネスの精神で評価や比較をしないことがポイントとなります。そして、人間は誰しも困難にぶつかり、悩みを抱えていることに気づくこと、セルフコンパッションを持ち、自分自身を労い思いやることが大切です。その結果、孤独感が和らぎ、負の連鎖から抜け出すことができます。
誰かに慰められることや、誰かから認められることで孤独感など辛い感情を軽減することができます。しかし、この方法ですと、常に支えてくれる誰かがいないと対処できなくなってしまいます。
辛い感情に自分自身で対処できるスキルを身につけることで、より気持ちを安定させることができます。そして、セルフコンパッションは自分から他人へと向かい、人間関係が良くなり、結果的に自分を支えてくれる人が増え、孤独感が軽減することにつながります。孤独感に悩む方、辛い感情に対処したい方はぜひ参考にしてください。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。
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