マインドフルネスヨガのやり方と効果とは?臨床心理士&ヨガインストラクターが解説

 マインドフルネスヨガのやり方と効果とは?臨床心理士&ヨガインストラクターが解説
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石上友梨
石上友梨
2019-10-07

みなさんは日々の生活にストレスを感じていますか?自分自身の心や身体に意識を向けていますか?アレコレと未来を考えたり、過去をアレコレと悩んだりすることはありますか?今回はマインドフルネスヨガについて、やり方や効果を解説します。

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マインドフルネスヨガとは?

マインドフルネスとは、いまこの瞬間に意識を向け、ありのまま気づくことです。マインドフルネスは、座って行うマインドフルネス瞑想だけではなく、ウォーキングマインドフルネスや食べるマインドフルネスのように動作を伴うものもあります。

マインドフルネスヨガは動作を伴うマインドフルネスの一種です。ゆったりとヨガのポーズを取る中で、身体の変化にひとつひとつ意識を向けて、いまこの瞬間に自分の身体の中ではどのようなことが起こっているのかなと気付いていきます。その時に、良い悪いと判断せず、誰かや過去の自分と比較せず、ありのままを受け入れていきます。

自分が今ここでヨガをしていること、ここに存在していることに重点を置きます。難しいポーズと取ることでも、綺麗なポーズを取ることでも、誰かより上手にポーズを取ることでもありません。ここでヨガを行なう上で、自分自身の内面の変化にただただ気付いていきます。

マインドフルネスヨガの効果

マインドフルネスヨガは通常のヨガの効果に加え、マインドフルネス瞑想の効果も加わります。

・感情をコントロール
・不安や怒りを小さくする
・ぐるぐる思考を鎮める
・ストレス解消
・自律神経のバランスが整う
・集中力UP
・自己への気づきが深まる
・ウェルビーイングの向上

ヨガは心と身体のつながりを強め、統合するものです。ヨガの中でマインドフルネスを実践することで、自律神経やホルモンバランスなど身体面と、不安や落ち込み、怒りなど感情面が安定します。そして、ありのまま観察できるようになると、自分の良い面も悪い面も平等に「気づける」ようになります。ネガティブなものばかり目がついていた方も、自分の中あった、良い面、ポジティブなものを発見して驚くことがあります。今までなかったのではなく、気づけなかったものです。

通常のヨガとマインドフルヨガの違いは?

通常のヨガとマインドフルヨガの違いは、何でしょうか?

マインドフルヨガでは、正確なポーズを取ったり、綺麗な姿勢を取ることや、先生のポーズをしっかりと真似ることではなく、自分の内面への気づきを大切にします。注意深く自分を観察し、自分の中の変化に一つ一つ意識を向けていきます。

通常の瞑想とマインドフルネスヨガの違いは?

一般的なマインドフルネス瞑想では呼吸に意識を向けていきます。しかし、座って呼吸に意識を向けることが苦手な人もいます。じっとしているより、動くことが好きな方、得意な方は動作を伴う瞑想の方が向いている場合が多いです。ヨガのポーズを使い、その瞬間に自分はどのような動きをしているのか「動作」そのものに意識を向けていきます。そして、動作をした際の自分の内面の変化に意識を向けていきます。

マインドフルネスヨガのやり方

1.なるべく簡単な動作を伴うポーズを選ぶ

バランスポーズやパワーポーズではなく、なるべく簡単で動作を伴うポーズを選びます。おすすめは猫と牛のポーズなどです。

2.身体のパーツひとつひとつを観察する

自分の身体のパーツをひとつひとつ観察します。身体全体ではなく、細部に分けて意識を向けます。自分の左足はどのような感じがするか?どのあたりの筋肉が伸びていて、どのあたりが緊張しているか?痛みはあるか?不快感はあるか?それとも心地よいのか?身体を動かすことによって身体のパーツやその感覚はどのように変化していきますか?

身体はただの身体です。良し悪し判断したり、評価・比較の対象ではないです。そして、痛みや心地よさなど、感覚は全て一時的なものです。私たちの身体は、私たちの身体に過ぎないということに気付いていきます。

3.感情に意識を向ける

あなたは今どのような感情を感じていますか?嬉しいのか、楽しいのか、不安なのか、困惑しているのか、マインドフルネスヨガのゆったりとしたペースにイライラしていたり、じれったさを感じているかもしれません。感情が湧き上がるままに観察し、感情に対して評価したり判断しないようにします。

ネガティブな感情が浮かぶダメなわけでも、ポジティブな感情が浮かぶから良いわけでもないでもありません。感情は自分自身を定義するものでもなく、ただの感情に過ぎず、一時的なものにすぎません。

4.思考に意識を向ける

あなたは何を考えていますか?身体の変化に合わせて、考えも変化していきます。

私たちはついつい比較をしてしまいます。誰かと比べたり、過去の自分や理想の自分と比べたりします。例えば、隣でヨガをしている人より身体が柔らかくないとか、動きがスムーズではなくとか、ついつい考えてしまいます。他人と比較をすることをやめても、昨日の自分よりハムストレングスが硬いとか、過去の自分と比較したり、理想の自分と比較してしまいます。

まとめ

マインドフルネスでは、何かと比べずに、いまここにある事実をそのまま観察します。いまこの瞬間、自分の身体感覚は、感情は、考えはどうなっているんだろうと意識を向けます。自分の意思で身体を動かし、筋肉の伸びや縮み、緊張や凝り、身体の温度など、ありのままを観察します。そしてヨガのポーズなど、身体の変化に合わせて、感情や考えも変化していきます。浮かんできた感情や考えにも気づき、ありのまま受け止めます。マインドフルネスヨガを実践して、からだとこころのつながりをより意識しましょう。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。

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