セルフコンパッションの実践法|今こそ必要!自分を思いやる力とは?
高い目標を掲げたり、なりたい自分を目指して努力をするとき、自分に厳しい声かけをしてモチベーションをあげていませんか?自分に優しくしてしまうと、怠けてしまう、ダメな自分になってしまう…と考えるかもしれません。特に真面目で完璧主義な方ほど、自分に厳しく接しやすいです。しかし、その方法で苦しくなってしまうことはありませんか?今回は、現在にこそ必要な「自分を思いやる力」について紹介します。
以前、自分を思いやる力である「セルフコンパッション」について紹介しました。現在アメリカではマインドフルネスに続き、「自分を思いやる力」セルフコンパッションが注目されています。セルフコンパッションが高い人は自己肯定感が高く、ウェルビーイングとの関連も指摘されています。以前は自分に厳しくした方がやる気が出て、成果が出ると考えられていましたが、現在ではセルフコンパッションを意識した声かけで自他共にやる気が出ると考えられています。
【セルフコンパッションを鍛えるポイント】
自分のことが好きになれなかったり、自分に自信がなかったり、とても自分を思いやれない、自己肯定感なんて持てそうにない…と考えるかもしれません。
大丈夫です。
セルフコンパッションは後からでも高めることができます。セルフコンパッションを高めることで、合わせて自己肯定感が高まったり、自分を好きになれることが多いです。それではセルフコンパッションを鍛える際に以下のポイントを意識しましょう。
1.マインドフルネス
自分の気持ちや考え、身体感覚に気づき、マインドフルに受け止めましょう。目をそらしたり、なかったことにせず、しっかりと感じ続けます。その際に、良し悪しを判断せずまるごと受け止めましょう。
2.自分に対する思いやり
自分自身へ思いやりを向けましょう。悩んでいる大切な友人に声をかけるつもりで、自分自身を暖かく励まし、共感を示します。
3. 人類の共通性
「同じ状況では、他の人も同じように感じるだろうな」「困っているのは自分ひとりではない」「誰だって人生の中で困難にぶち当たる」と、人類の共通性を意識します。悩んでいるときは孤独感を感じやすいです。しかし、すべての悩みは過去に経験した人がいるとも言えます。人類の共通性を意識することで孤独感が少し和らぎます。
セルフコンパッションを鍛えるワーク
ひとりごとを変えてみる
みなさん、脳内だったり、独り言だったり、自分に向けて声かけをしていると思います。半ば無意識にやっていることもあれば、意識的にやっていることもあると思います。
まずは自己批判的になっているときに、リアルタイムで気づくことが大切です。気づけないと、自己批判の影響を受けやすく、時に巻き込まれてしまいます。次に自己批判的な独り言を、先ほどの3つのポイントを意識して変えていきます。
いま、自分を責める独り言を言ったなと、良し悪し判断せずマインドフルに気づき、「この状況ならそんな独り言が出てきても当然だよ」「ちょっと深呼吸しようか」と、共感的で思いやりのある声かけをして、「誰でも失敗するときはあるよ」と人類の共通性を意識します。
手紙を書いてみる
まず、優しくて寛容な人物を思い描きます。実際の人物でも架空の人物でも良いです。次に、不満に思うことや、自分の欠点について考えてみます。なるべく、自分の感情を回避せず、大げさにすることなく、あるがままに書きます。
そして、先ほどの優しくて寛容な架空の人物から、自分自身に宛てた手紙を書いてみます。架空の人物の視点から、あなた自身に向けて手紙を書きます。自分自身の欠点や不満について、その架空の人物は何て言うのでしょうか。手紙を書くときに、受容、優しさ、思いやりを込めるように意識します。
手紙を書いたあと、すぐに読まずに日にちを置いてから読んだり、使い方は自由です。読むときは、その言葉が自分自身に染み込むように丁寧に何度か読み返しましょう。
強い感情に圧倒されてしまったら
ワーク中に感情に圧倒されることもあるかもしれません。感情は感じるけど、圧倒されない程度がベストと言われています。だいたい感情の強さが40%~80%のイメージです。
感情をほどよく感じることは大切です。今まで感情を感じないようにしてきた場合、感情をリアルに感じられるようになり驚いてしまう場合もあります。基本的には、感情は回避せず、マインドフルにそのまま感じ続けると下がっていく性質があります。
しかし、「感情が強すぎるな」と思う場合は、ワークから一旦離れることもおすすめです。その際は、以下のことを試してみてください。
「今、ここ」にいる感じを確かめる
足の裏が床につく感覚を確かめてみたり、時計を見て現在の時刻を確認したり、「今、ここ」を意識します。
リラックスする
自分がリラックスできるようなことを試してみます。深呼吸したり、草原で寝転がるようなイメージを思い浮かべたり、ふわふわのクッションを抱きしめたり、日頃からリラクゼーション法をいくつか用意することもおすすめです。
一旦ワークから離れて休憩してみても、心臓がドキドキしたり、呼吸が速く浅くなっていたり、夢のようなふわふわした感覚が続く場合はワークを中断した方が良いかもしれません。
今までとは違ったやり方をやる時は、なかなかなれなかったり、初めはしっくりこなかったりします。自分自身に思いやりの言葉をかけるなんて、違和感を感じたり、居心地悪く感じるかもしれません。しかし、今まで自分に厳しくする方法で辛くなっていたのでしたら、今までとは違ったことをやってみる価値があります。
初めは慣れなくても、少しずつ続けてみる、少しずつ変えてみましょう。一人でやりづらい、やるのが怖い場合は、心理カウンセラーなど専門家と一緒に取り組む方法もおすすめです。また、主治医の先生がいる場合は、必ず実践する前に医師に相談しましょう。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。
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