生理も性欲も恥ずかしいことではない｜フェムテックが日本女性の価値観を変える日

生理用品の選択肢の少なさが、女性に我慢を強いている？

そんな山本さんが、フェムテック浸透の遅れを如実に感じるのが「サニタリーグッズの選択肢の少なさ」だそう。「お隣の韓国や台湾では、普通のドラッグストアでナプキンやタンポンだけでなく、布ナプキン、月経カップ、吸水ショーツなどサニタリーグッズが豊富に揃います。自分の体や好みに合わせて選べる環境なのに対し、日本ではほぼナプキンかタンポンだけ。でも、生理ってみんな同じではないですよね。年齢も好みも経血の量もタイプも全然違うのに、なぜ生理用品だけは選択肢がこんなにも少ないのでしょうか」（山本さん）

生理をもっと自由で快適に！

今まで「生理はナプキンで処理」「生理は不快なもの」というのが当たり前だと思われてきました。でも世界中で、その「当たり前」を根底から変えるプロダクトがどんどん誕生しています。そのひとつが台湾で生まれた『ムーンパンツ』。「生理のときの不快感や、行動の制限をなくしてくれる、素敵なアイテムです。普通のショーツとほぼ変わらない見た目で経血を吸収してくれます。ムレないし、漏れない、ナプキンを変える手間も不要です」（山本さん）

実際に「ムーンパンツ」と知らなければ、ただのシームレスショーツとしか思えない薄さ。さらにヒップがきれいに見えるハーフレースなデザインもあり、サニタリーグッズには到底見えません。

「台湾は繊維開発に優れていて、クロッチ部分にはその先端繊維を４層構造で使っています。だからこんなに薄いのに、ナプキン2～３枚分の経血を吸収できて、漏れない。私も最初は『こんなに薄くて大丈夫なのかな』と半信半疑だったのですが、実際に試してみて、あまりに快適さに驚いてしまいました。縫い目がないのでそこから横漏れすることもなく、生理中でもヨガなどの運動を気軽に楽しめる。驚くほどストレスなく過ごすことができるんです。つまりそれは、これまで女性の行動に制限をかけてきた"生理"から女性が解放される、ということです」（山本さん）

女性はもっと自由になれる

小学生の頃、たった10分しかない休憩時間に慌ててトイレに駆け込んだ記憶がある人も少なくないだろう。大人になってからは、仕事が忙しくてトイレに行けない中、ナプキンについた経血の感触に泣きたくなった日もきっとあるはず。私たちは生理に振り回されてきたと言っても過言ではない。

女性同士でも、あまりポジティブに語られることのなかった生理事情。特に日本では、多くの女性が、生理になったその時から「生理は我慢しなければならないもの」としてネガティブに受け止めてきた。「ブルーデイ」なんていう表現も、まさにその現れだと思う。しかし、生理は本当に、そんなにも嫌なものなのだろうか？それはきっと、この「ムーンパンツ」を使うことで、その価値観が大きく変わるはずだ。生理でももっと自由に、快適に過ごせるようになることがわかるはずだ。

日本もフェムテックの浸透とともに、自分の体や考えを尊重することがもっと当たり前の社会になってほしいと願わずにいられない。

ムーンパンツ

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