「"出血"は恥ずかしいことではなく自然なこと」シンガポールのフェムテック起業家が注目される理由

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「"出血"は恥ずかしいことではなく自然なこと」シンガポールのフェムテック起業家が注目される理由

「生理は辛い」と感じている人が一体どれくらいいると思いますか?誰でも「生理がなければいいのに」なんて一度や二度考えたことがある人もいるかもしれません。とは言っても、生理は自分で止めようと思っても簡単に止められるものではありません。だからこそ、この時期を少しでも快適に過ごせるようにサポートしていただけると嬉しいですよね。今回は生理に対しての偏見が少なからず残るシンガポールで、生理ケア商品を開発している女性起業家についてご紹介します。

シンガポール発、生理ケア商品を開発するフェムテック企業『Blood』

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2014年にTan Peck YingさんとCaleb Leowさんが起業した、シンガポールで生まれの『Blood』。

この会社で開発している”MenstruHeat”は、月経痛を緩和するための薬剤を使用しない携帯用温熱療法パッチ。わずが数分で温まり最大12時間の緩和効果があることで知られています。スーパーやコンビニ、ドラックストアなど、身近な場所で購入することができることも多くの消費者からサポートされている秘密かもしれません。

シンガポールは英語圏のため、良い製品は口コミが海外に広がりやすいのが特徴。現在はシンガポールに留まらず、アジア、中東など世界15カ国で販売。

Bloodは、女性たちが生理中の日常生活を快適することを助けるのはもちろんのこと、新たな可能性を追求するための生理ケア製品を作り提供できているとあって、今シンガポール国内でも注目されているベンチャー企業のひとつ。

創業者のTan Peck Yingさんは、生理に対する偏見が未だに根強く残るシンガポールで生理ケア商品を開発し、女性を支援してきたパイオニア的存在として、シンガポール国内の女性から熱い支持を送られています。

新進気鋭の女性起業家が支持される理由

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ステータスよりも信念を大事に。起業家プログラムでの経験が原点に

大学時代のTanさんは、学生に急成長中のスタートアップ企業でインターンをする機会を与える起業家プログラムに参加。この経験はTanさんにとって小さな会社でも世の中に大きな影響を与えることができることを知るキッカケになりました。

現在では多くのベンチャー企業が注目されているシンガポールではありますが、それでも残るのはほんの一握り。ましてや2014年当時は、名の知れた会社や大きな会社に勤めることこそがステータスでもあり安定した道と信じられていた時代だったはず。そこで迷わず自分の道を切り開いていったのは、必ず世の中に良い影響を与えることができるという強い信念があったからでしょう。

商品のコンセプトに説得力がある

現在シンガポールのみならず、海外にまで愛用者が増えている”MenstruHeat”。この商品を開発したのは、実はTanさん自身の経験が元になっているそう。

10代後半から月経痛がとてもひどく、時には失神したり、吐き気をもよおすことも。不本意ながら授業を休んでベッドに横になり、痛みが治まるのを待つこともあったそう。特に毎回生理周期の最初の2日間は痛みとの戦い。

苦痛であったこの経験、この痛みがあったからこそMenstruHeatそしてBloodが誕生し、Tanさんと同じように苦痛を経験している人々の助けになったのでしょう。

自分自身の経験が元になっていることことは、実際に消費者の状況や思いをしっかり理解しています。また造り手側の苦痛を軽減させてあげたいという思いを私たち消費者もしっかりと感じることができることから支持者が増えてたのかもしれません。

生理タブーが残るシンガポールで挑発的なブランドネームを掲げる強さ

『Blood』という挑発的な名前は、多くの人にとって不自然なブランドネーム。それは、これだけ世界が自由になってきている”ように見える”今でも、実際にはシンガポールの大半が生理はタブーであると考えられているから。好き嫌いは関係なしに、必ず覚えてもられるブランドネームは多くの人に衝撃と影響を与えてくれているのでしょう。

実際にその名前にアレルギー反応を持つ人であっても、何を販売している会社なのか、どんなコンセプトなのかと気になります。そして、このビジネスが扱うテーマは思ったよりも不気味なものでも汚いものでもないことに大半の人は気づきます。

2021年現在も生理は恥ずかしいものと考えている人は多く、タブー視や様々な婉曲表現が使われていますが、”出血することは恥ずかしいことではなくごく当たり前のこと”と表現しているブランドネームは、多くの人々を勇気づけているかもしれません。

参考: Blood

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桑子麻衣子

桑子麻衣子

シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター(全米ヨガアライアンスRYT200保持)。3歳の娘Emmaと夫と3人暮らし。妊娠、出産、育児を経験しヨガを深めたいとインスタクターの資格を取得。Webメディアを中心に記事を執筆しながら、人にも地球にも優しいサステイナブル(持続可能)な暮らしの実践を目指すウェブメディア「House of Emma」を運営。ヨガの教えに基づいた「誰でもどこでもできる」をキーワードに、それぞれの暮らしに寄り添ったエコフレンドリーなファッション、ビューティー、ライフスタイル、ヘルスケア、旅行の提案をしている。

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