連載|「食」から見るインド旅行記(4)ポンディシェリ編:「インドの中のフランス」
ヨギの聖地インド。ヨガはもちろんのこと食文化も魅力的な国だ。インドを愛する料理家によるインド旅の連載。インドに行ってみたい!でもわからないことが多くて不安!というあなたへ向けた、「食からみるインドの旅」を紹介。
インドを愛する料理家の原ゆうこさんによる「食」をテーマにしたインド旅行記。4回目を迎える今回は、「インドの中のフランス」とも呼べる、ポンディシェリ編をお届けする。現地のカルチャーセンターで本場南インド料理のレッスンも受けたという原さん。ポンディシェリのグルメな名店から、本場インドでのレッスンの様子などリアルなレポートを紹介。
第1回目:渡航準備編「そろそろインドに行かないと」
第2回目:ホテル編「チェンナイ到着」
第3回目:ベストレストラン編「美味しいお店に事欠かない街、チェンナイ」
ポンディシェリは、チェンナイから約150km南下した海辺の街。イギリスの元植民地、というイメージが強いインドだが、フランスの元植民地もいくつかあり、ポンディシェリもそのひとつ。フランス文化が残る可愛い街並みや、フランス料理とインド料理が融合したお洒落なレストラン目当てに、欧米からの観光客が後をたたない。
チェンナイからポンディシェリへの移動は、ワンウェイドロップタクシー という会社にお願いした。というのも、ポンディシェリは「連邦直轄地域」と呼ばれる、独自の行政を行っている地域。そのためチェンナイの街を走る流しのタクシーなどは、ポンディシェリに入ることは許されていないという。前日にワンウェイドロップタクシーのサイトにアクセスし、フォームを書き込み、申し込みをすると、すぐにOKとのメールが返ってきた。旅行者なので携帯電話を持っていないため、何かあればホテルに電話して欲しい旨も忘れずメールに書いておくことをオススメする。すぐに確認の電話がホテルにかかってきた。インド人なのに仕事が早い。素晴らしい。
翌朝オンタイムで物凄く綺麗な乗用車がお迎えにきた。2時間半の移動で2,350ルピー(約3,700円)。バスでの移動(運賃150円程)は風情があって良いが、4時間以上かかるらしい。
スルグル(SURGURU RESTAURANT)
ポンディシェリに到着してまず向かったのは、日本でインド料理店を営む友人オススメのスルグルというお店。宿泊していたヴィラ・シャンティから徒歩15分ほどで到着した。スペシャルミールス(南インドの食べ放題のカレーセット)171ルピー(約277円)を注文。
まず出てきたのはトマト・スープ。クローブと生姜がしっかり効いている。トマト感は少し薄いのだがとても美味しい。
上の赤いものから時計回りに、青マンゴーのピックル、ミントのチャトニ、ダール(豆カレー)、青菜のクートゥ、瓜のヨーグルトとココナッツのカレー、ビーツのポリヤル 、オクラのコロンブ(酸味のあるカレー)、ラッサム、サンバル、レモンライス。器の外の2つはカード(ヨーグルト)とタピオカ入りのパヤサム。
クートゥは豆とココナッツの菜食カレー。ポリヤルは野菜の炒め蒸し。全体的にどのカレーも丁寧で優しい味付け。すいすいとお腹に入っていく。パヤサムはミルク煮のデザート。これも非常に美味しくて、かなり甘いのに完食。この後デザートにクルフィ(アイス)までついて日本円で280円くらいとは、実に安い。
店内はかなり広く、客席も多い。ポンディシェリの、少し裕福そうなインド人で賑わっている。
ミールスが美味しかったので、後日夕飯をテイクアウト。ご飯はベジタブル・プラオ。フェンネルが入っていたりと少し変わった味のプラオだが、下のゴビ・マンチュリアンをかけて食べたら、あんかけチャーハン風で好相性だった。ゴビ・マンチュリアンは、インディアンチャイニーズ(インド風中華)の代表選手。カリフラワーの中華あん炒め、少しインド風味、といった料理で、ここのは結構スパイシーだった。右のカレーはマライ・コフタ。揚げたベジ団子の、生クリーム入りこってりカレー。スルグルはノンアルコールなので、この日は酒屋で仕入れたキングフィッシャーと共に、部屋呑み。ポンディシェリは酒税が安いらしく、ビールやワインが安い。酒屋も(とても暗い雰囲気だが)何軒かあり、今後の旅程分のアルコールの買いだめも出来た(笑)。
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