連載|「食」から見るインド旅行記(5):マハバリプラム編「世界遺産のリゾート地」

 連載|「食」から見るインド旅行記(5):マハバリプラム編「世界遺産のリゾート地」
Yuko Hara
Yuko Hara
Yuko Hara
2018-07-22

ヨギの聖地インド。ヨガはもちろんのこと食文化も魅力的な国だ。インドを愛する料理家によるインド旅の連載。インドに行ってみたい!でもわからないことが多くて不安!というあなたへ向けた、「食からみるインドの旅」を紹介。

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インドを愛する料理家の原ゆうこさんによる「食」をテーマにしたインド旅行記。5回目を迎える今回は、「世界遺産の街」マハバリプラム編をお届けする。マハバリプラムのグルメな名店と世界遺産のバターボールを紹介します。

第1回目:渡航準備編「そろそろインドに行かないと」
第2回目:ホテル編「チェンナイ到着」
第3回目:ベストレストラン編「美味しいお店に事欠かない街、チェンナイ」
第4回目:ポンディシェリ編:「インドの中のフランス」

インドに着いて5日目。ポンディシェリから、マハバリプラムという観光地へ向かう。移動手段は前述したワンウェイドロップタクシーを利用。1時間半の道のりで2,100ルピー(3390円)。前回より少々割高。途中に小さな集落はあるものの、塩田や牛など、長閑な車窓で和む。

インドマップ
インド

マハバリプラムは、7世紀頃に貿易の拠点として栄えた街で、1300年程経った今も、当時作られた海岸寺院や岩の壁面レリーフなどが残っている。観光地ではあるが、想像よりかなり寂れた雰囲気の、そして私にはちょうどいい静かさのリゾート地であった。昼間の気温は40℃以上にもなるので、プールや部屋で過ごし、観光に向かったのは16時過ぎ。とりあえず有名な世界遺産の巨大な岩「バターボール」くらいは見ておこうということに。ホテルから歩いて20分強。

インド
柵で囲まれた敷地内にある世界遺産「クリシュナのバターボール」

クリシュナ(ヒンドゥー教の神)の好物、バターボールの形に似ていることからそう呼ばれているらしいが、想像以上の大きさで、意外にもかなり感動!この大きな岩は、急な坂の上にとどまっていて、絶対に転がらないという。これも世界遺産。

クリシュナのバターボール
近くに寄ると、巨大さに圧倒される。バターボールをナイフで切ったような断面、と言われている

沢山のインド人に、写真を一緒に撮ろうとせがまれるというインドっぽさも満喫。インド人は普段真顔の人が多いが、こちらがニコッとすると笑ってくれる所が可愛い。バターボールのある坂を滑り台にして遊ぶ子供達や、遠目に見える海岸寺院を後にし、お目当てのレストランへ。

SEA SHORE GARDEN RESUTAURANT

インドレストラン
シー・ショア・ガーデン・レストランの外観。前にあるのはゴミではない。アートだ!

住所: 10, Othaivadi street | Fisherman Colony, Mahabalipuram 603104, India
電話番号: +91 99403 19642
営業時間:月〜日 9:00 〜 23:00
URL:https://sea-shore-garden-beach-restaurant.business.site/

私のインド料理の師匠である、カレー&スパイス伝道師の渡辺玲氏に教えてもらったこのお店。せっかくマハバリプラムに寄ったので、海辺のレストランでシーフードを食べたかったのだ。アルコールメニューがあることもリサーチ済み。インドに来て一番しっかりと冷えたキングフィッシャーを、海風を感じながらぐびぐび。最高の気分。

グランドメニューもあるのだが、店主風のおじさんがかなりしつこく今日採れた魚を勧めてくる。もちろん時価ということで、メニューの値段からするとかなりふっかけられた値段(笑)!

おじさん
なんとも諦めの悪い、店のおじさん。長く交渉したので最終的には仲良くなった!笑

「グランドメニューでいい」と言っても、そっちのメニューに使う魚はフレッシュな魚じゃないと主張してくる。魚1匹と海老2尾とフライドポテトとライスをつけて5,000ルピー(約8,000円)でどうかと聞いてくる。これには笑ってしまった。本当に諦めないおじさんとの交渉は20分程続き(ビールを呑みながら)、海老2匹とポテトでいいから800ルピー(約1,290円)に落ち着いた。

インド
TAWA PRAWN、相当大きな海老。なんという種類なのだろうか。

スパイスをまぶした海老を、鉄板で焼いた料理。海老はかなり大きく、プリプリ。ニンニクとしょうがも効いていて美味しい。値切ってよかった!これでこの値段なら納得。フライドポテトもカラッと揚がっていてよし。

インドカレー
酸味の効いたフィッシュ・カレー。

メニューには単にFISH CURRY と書いてあったが、しっかりとタマリンドの効いた、これまた初めて食べるタイプのフィッシュ・カレーだった。グレービーは濃厚かつ、わりと辛めだが、タマリンドとトマトの酸味でぐいぐいいける。聞いたら、魚はホワイトスナッパーという鯛の仲間らしい。これはグランドメニューから頼んだので300ルピー(480円)の明瞭会計。

フライドライス
フライド・ライス 300ルピー。こぼれんばかりの盛り付けも良い。

千切りキャベツのシャキシャキ感が珍しいフライド・ライス。これには意外にも感動した。スパイス感はほぼなく、シンプルなチャーハンのような味付けなのだが、かなり好み。これは帰って再現してみたいと思った。

キングフィッシャー大瓶2本と合わせてお会計は1,700ルピー(2,740円)。観光地値段と考えても、美味しかったし、つり合いは取れていると思う。そして値段をふっかけつつも、性格の良い店員さんばかりで最後には仲良くなった。

インド
車だらけのチェンナイと違い、かなり歩きやすい。

観光地らしいお土産屋さんの並ぶ道を通り、ホテルまで歩いて帰った。1泊という短い滞在だったが、チェンナイの喧騒とは離れた田舎リゾートを満喫できた。

最終回の次回は、買い物編!インド料理好きには、たまらない食器やスパイスのお店を紹介します。お楽しみに。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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