Wワークでヨガ講師の活動基盤をじっくり固め、フリーランスへ|伊藤ゆりさんの転身ストーリー

 Wワークでヨガ講師の活動基盤をじっくり固め、フリーランスへ|伊藤ゆりさんの転身ストーリー
Shoko Matsuhashi
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――ランヨガを中心に幅広くご活躍されていますが、どのように仕事の幅を広げていったのでしょうか? 依頼先から信頼を得るために気を付けていたことや工夫はありますか?

「ヨガスタジオとフリーランスのインストラクターでは生徒層に違いがあると感じ、SNSの発信の仕方を工夫しました。リフレッシュのためにヨガをしたいライトな層へは、ヨガを前面に押し出すのではなく、パーソナルな部分が伝わる内容に。具体的には、あえてSNSにポーズ写真やヨガ哲学にある精神諭はのせず、趣味のランやバイク、好きなお店のことなど私の人間性や感性が伝わる投稿をメインに。『先生と趣味が合うから行ってみよう』と、フィーリングをきっかけに参加してもらえる気軽さを意識しています。

そういえば、自分でお店や企業に売り込みに行ったこともありますよ。気に入ったスムージーのお店にコラボイベントを提案したり、東京タワーでヨガイベントを開催していたのを見て、私もやってみたいと思いメールでコンタクトを取ったり。企画書を作って担当者と交渉しイベントが実現しました。行動力も大切ですね。このあたりは、営業時代の経験が確実に役に立っていますね(笑)」

伊藤ゆり
Photo by Shoko Matsuhashi

――伊藤さんがランヨガでブレイクしたように、他の人と差別化できる「得意分野」を持つことは必要ですか?

「フリーランスで仕事を増やすには『人と違うことが武器になる』。最初はそう思っていました。確かに得意分野ができたことで知名度は上がりましたが、最近は以前と比べ、自分の仕事内容が変わってきたと感じています。また、インストラクターの数が多い今、全員が人と違うアプローチを持つのが難しいのも現実です。私の経験上、『誰もやらないこと』と同じくらい、『変わらないものを提供できること』も大切だと感じています。変わらないものとは『あなたが教えるヨガとは?』と聞かれとき、即答できる"信念"や"自分軸"といえるもの。揺るがないものを提供できるインストラクターは信頼され、自然にリピートに結び付くと思うのです。私の変わらないものは、呼吸、体、心が心地よくなるヨガを伝えること。そのために、体の使い方を論理的に説明し、正しく体を動かすことを意識できる指導をしています。インストラクターを長く続けるためにも、色褪せないメソッドを持つことが必要だと感じています」

転身ストーリー
「正しい体の使い方を、論理的に丁寧に伝える」指導を心がけています

――スキルアップのためにインストラクターになってから学び続けていること、そして今後の目標を教えてください。

「ランヨガがスタートした頃、ランは未経験でした。自分が走ることで見えてくるものがあると思い、ウエアとシューズを購入して走り始め、ジョギングインストラクターの資格も取りました。クライアントや生徒さんの期待に応えるため自分をアップデートする姿勢は、今も忘れていません。期待してくれる相手に誠実であり続けるために欠かせないがインプットだと思います。最近では2016年から約2年間、夫の仕事の都合でボストンに滞在することになり、日本で指導できない期間を勉強のために使おうと決め、渡米前からヨガスタジオをリサーチし滞在中に300時間の指導者養成コースを再受講したり、産前・産後ヨガシニアヨガの指導資格も取りました。滞在中には長女を出産。ベビーセラピストの資格も取ったので、これから体を動かしながら親子のスキンシップを深められるクラスも展開していけたら。アメリカでの経験と知識を、早くみなさんに還元したいです!」

ボストンでの滞在期間は、素晴らしい学びの時間に。
ボストンでの滞在期間は、学びを深める時間に
転身ストーリー
長女の出産を機に、親子のスキンシップを深められるクラス展開も視野に

――最後に、ヨガインストラクターを目指している方々にメッセージをお願いします。

「ヨガインストラクターになりたての頃は、知名度アップに必死になり、大きなイベントに出ることにステイタスを感じたりもします。もちろん貴重な経験ですが、コツコツと目の前のクラスと向き合うことを忘れないで。SNSで見る同期の活躍や経済的な不安に心が揺らぐなら、私のようにダブルワークからスタートするのもおすすめです。アメリカでは、複数の仕事を掛け持ちする『ギグワーカー』が増え、日本でも副業が認められつつあります。副業で得た知識や経験がヨガの指導に役立つことも多々あるので、独立のタイミングを焦らず自分らしさを見失わずに進んでください」

伊藤ゆり
Photo by Shoko Matsuhashi

伊藤ゆりさん
ヨガインストラクター。Lily YOGA主宰。プロップス(道具)を使って個々の体の状態に合わせた動作を行うアイアンガーヨガと、呼吸の流れとポーズを繋いだヴィンヤサヨガの2つの経験を生かし、正しい体の使い方がもたらす「心地よいヨガ」を伝えている。2013年YogaWorks 全米ヨガアライアンス500時間のトレーニングを終え、2016年夏から2018年5月までアメリカ・ボストンにて300時間の指導者養成コースを修了、シニアヨガ資格、産前産後インストラクター資格も取得し学びを深めている。ジョギングインストラクター資格や自身の競技経験、NASMのパフォーマンス向上のためのトレーナー資格を生かし、アスリートにとって実践的で効果的なヨガを提案することも行っている。

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Photos by Shoko Matsuhashi
Text by Ai Kitabayashi



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