【生理中の選択肢を増やしたい…】3児の母でもある開発者に聞く、使い捨て「月経ディスク」誕生秘話
多様な生理用品を世の中のスタンダードにしたい
ーーーこれから、日本のフェムテック業界がどのように変化してほしいですか?
向井さん:今は、フェムテック製品の認知度が十分でないし、意識の高い人たちが使うものというイメージが先行している。なので、今後は教育現場から情報を広めていくべきだと思います。わたしは中高生に向けてセミナーを開く機会があるんですが、現場で感じたのは、学校の保健の授業では生理用品の選択肢としてナプキンしか教えてくれないケースがほとんど。わたしたちの時代から全く変わってない印象です。なので、思春期以前からそういった情報に触れる機会が増えるといいですね。
向井さん:彼女たちにナプキン以外の選択肢をどのようにして知るのか尋ねると、SNSで見たり姉に教えてもらったりというケースが大半でした。でも結局は、よくわからないから使わないという声が多かったです。今は新しい情報に触れる環境が整っていますが、やっぱり学校の授業に比べると信憑性に欠けるのかもしれません。他にはタンポンについても聞きましたが、自分で腟の中に入れる行為に対して恥ずかしい、周りにバレたくないという印象があるようです。
ーーーということは、今の中高生も生理中はナプキンを使うのが普通なんですね。
向井さん:そのように言ってました。そんな中でもモララの月経ディスクを定期購入してくれている高校生もいるんですよ。親御さんにお願いして購入しているとのことを娘さん本人からご連絡いただきました。
ーーー素敵ですね。まだ身体が大人のように大きくない女の子でも月経ディスクを使うことは問題ないんですか?
向井さん:骨盤が小さい方だと圧迫感を感じる場合があるかもしれません。ですが、毎月生理が来るのであれば子宮回りは十分に成長しているので、基本的には大人と同様に考えて大丈夫です。
ーーーそれなら尚更早いうちから選択肢を知っておいたほうがいいですね。
向井さん:そう思います。生理用品を変えるだけで、生理中も自由度の高い日々を送れるようになるのは間違いないです。今後さらに情報が広がっていき、何世代にも渡って使ってもらえることを願っています。
向井桃子さんプロフィール
株式会社MONA companyの代表取締役。1988年9月10日生まれ。名古屋市在住。3児の母。友人が使用していた月経ディスクに魅了され、2年半かけて国産にて製造し2023年2月からMOLARA(モララ)の販売を開始。YouTubeチャンネル【令和の虎】にて2,000万円の資金調達をし2022年3月に法人を設立した。
AUTHOR
竹田歩未
ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub
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