母親は神様じゃない!1児の母、サニタリーブランド代表・須藤紫音さんに聞く「子育てのヒント」

 母親は神様じゃない!1児の母、サニタリーブランド代表・須藤紫音さんに聞く「子育てのヒント」
photo by Ayumi Takeda
竹田歩未
竹田歩未
2024-10-19

「生理をフラットに捉えられる世の中に」という想いをもとに、天然の竹素材を採用したパンティライナーやサニタリーパッドを展開するブランド「limerime(ライムライム)」代表の須藤さんインタビュー。ライターも実際に商品を試してみましたが、適度な厚みと抜群のやわらかさで、着けていることを忘れるような肌ざわりでした。今回は1児の母でもある須藤さんに、子育てとの向き合い方、子どもの性教育についてお伺いしました。

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母親も自分の時間を確保することが大切

ーーーブランドを運営しながら、1児の母親としての顔も持つ須藤さん。子育てに関してもお伺いします。忙しくてお子様と過ごす時間が取れない時、自分を責めてしまうお母様は多いと思いますが、そういった場合の考え方についてアドバイスをお願いします。

須藤さん:まず、お母さんは神様じゃないです!なんでもこなせて当たり前だと思ったり、子どもにとってパーフェクトな母親でなければと思っている方も少なくないと思うんですが、母親だって一人の人間。それを認識しておくのが大事かと。かく言うわたしも、子育てが始まってすぐはそのように思えなかった。様々な経験を通して今の考えに辿り着きました。

他には、1人で抱え込んでしまわずに積極的に人に頼ること。子どもを誰かに預けることに関してマイナスな印象を持っていたり自分を責めてしまう方もいらっしゃいますが、わたしの場合は、子どもが小さい時期に身内で頼れる人物が近くにいなかったこともあり、積極的にベビーシッターさんをお願いしていました。

そうやって第三者に頼ることで、気持ちの面でスッキリするんじゃないかな。ただ、もちろん経済的な問題が絡んでくるので、頻繁に利用するのは難しい場合も多いですが。でも、そういった子育てサービスがあることを頭の片隅に置いておき、辛いと思ったら利用して良いと思います。母親も自分の時間を確保するのは重要だと思います

ーーーお子様が0歳の頃からシッターさんを利用されてたんですか。

須藤さん:子どもが生まれたばかりの頃は利用できていませんでした。当時は情報をどこから取っていいかわからなかったし、同じ境遇の知り合いが少なくて必要な情報にアクセスしづらかった。もっと行政側で、情報が母親の耳に入るように積極的に発信してくれると良いのですが、現状は受動的に情報が得られる状態ではない。わたしの場合は出産から2~3年後、仕事に復帰する頃にやっと周りの情報をキャッチできるようになり、色々なサービスを活用できるようになりました。知らないだけで、実は子育ての相談をできる機関やサービスは徐々に整ってきている。なので、まずは行政やコミュニティを通して主体的に情報を取りに行くのがベターだと思います。

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須藤さんが代表を務める、天然の竹素材を使用したサニタリーパッドブランド「limerime(ライムライム)」/Photo by yuko nakamura

性教育の意味は、体の仕組みを学ぶことだけじゃない

ーーーお子様への性教育はどのようにされてますか。

須藤さん:息子には、わたしが性教育のワークショップを開催する時に参加してもらったり、関連テーマの絵本を見せたりしているので、普段から性の知識に身近に触れられる環境ではあるかと。あとは仕事柄、ナプキンが家の中の目に入りやすい場所に置いてあるので、生理にまつわることに対してあまり抵抗はないんじゃないかな。

ーーー子どもに対して、性に関する知識の伝え方が難しいと感じる部分はありますか。

須藤さん:前提として、性教育は身体の仕組みを学ぶだけではなく、他者との境界線やコミュニケーションの取り方等、幅広い範囲を含むと考えています。普段からそういったトピックで会話をしていると、子どもたちも自然と形で吸収しやすいと思います。

ーーー逆に、お子様の反応から学びや気づきを得ることはありますか。

須藤さん:子どもから色々と気づかされることはもちろん、学校教育の変化に驚かされることもあります。教育の方針が昔と全く違っていて、ジェンダーボーダレスな考え方がベーシックになっていて、わたしの目にはとても新鮮に映っています。

子どもにもジェンダーボーダレスな概念が浸透しているようで、例えば一緒にテレビを見ていて女性の芸人さんが悪く言われる場面が映ると、子どもが「この発言は良くないよね」と指摘することがあります。それまでわたしが聞き流していた内容についても、彼らは敏感に反応しているのを実感します。

ーーー今の小学生は、学校の中で男女を分けるような発言をしたら先生から注意されるのでしょうか。

須藤さん:それが実は、教える側である先生よりも子どもたちの方がリテラシーが高いようで。むしろ先生の方がジェンダーギャップを感じさせる言葉を発してしまうことが多いみたい。子どもたちはモヤモヤすることもあるそうですよ。

ーーー教育って本当に大事ですね。

須藤さん:本当にそうですよね。今の小学生世代はジェンダーに関してリテラシーがすごく高い。時には、その考え方は的を得ていないのでは?と感じる主張もありますが、全体的には良い方向に向かっていると感じています。

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須藤さんが代表を務める、天然の竹素材を使用したサニタリーパッドブランド「limerime(ライムライム)」/Photo by yuko nakamura

須藤紫音さん プロフィール

株式会社VVV代表取締役。複数の外資系アパレルブランドにて、マーケティング・ブランディング業務に携わり、出産を機に独立。2023年に竹の繊維を表面素材として使用した、からだにも環境にも優しいサニタリーブランド「limerime」をローンチ。商品開発・運営を行う。

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竹田歩未

竹田歩未

ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub



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