「憂鬱でしかなかった生理が楽しみになった」寺尾彩加さんが日本初の国産吸水ショーツを作った理由

 「憂鬱でしかなかった生理が楽しみになった」寺尾彩加さんが日本初の国産吸水ショーツを作った理由
Period.

25歳で起業した寺尾彩加さんが手がけるのは、2019年にデビューし着実にファンを増やし続けている吸水ショーツブランド「Period.」。ブランドスタートのきっかけは「半信半疑で購入してみたアメリカの吸水ショーツに衝撃を受けて」とのことですが、そこからの起業までの行動力には驚かされます。そんな寺尾さんに「Period.」を始めた経緯や、女性の体とその向き合い方について、考えをお聞きしました。

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自分が楽になった「吸水ショーツ」を一人でも多くの人に広めたくて

――今ではフェムテックアイテムのひとつとして広まりつつある吸水ショーツですが、寺尾さんがブランドを立ち上げようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

寺尾さん:前職では、海外のトレンドなどをチェックすることが仕事として多かったんです。そうやって日々、海外のサイトをチェックしている時にたまたまニューヨーク発の吸水ショーツブランドを見つけて、創業者の方のインタビューを読みました。そのインタビューに感銘を受け、さっそく取り寄せてみることにしました。届くまでの日々が待ちきれず、届いてからも生理が来る日が待ちきれず。これまで一度も生理を待ち遠しく思うことなんてなかったので、自分の中ではすごい変化でしたね。

実際、生理中にこの吸水ショーツを履いてみると、これがすごく快適で、「こんなものが世の中にあったのか!」って目から鱗。すぐに「これは日本でも広めなきゃ」って思ったんです。あと、そのブランドが「世界になかったものをゼロから生み出して、それで人々を感動させている」というストーリーにも共感しました。

Period.
柔らかく動きやすいデザイン。部屋着としてこのまま過ごすこともできる。Boxer 7150円(税込)/Period.

――「生理中に履くタイプの吸水ショーツは、当時の日本にはなかったんですよね。

寺尾さん:はい。日本は長年ナプキンとタンポンしか選択肢がありませんでした。スマホをはじめ色々なものがスピーディに進化する時代にあって、生理関連アイテムだけはずっと時が止まっていたんです。そこに関する違和感も吸水ショーツは打ち破ってくれましたね。

最初は、そのブランドのショーツを自分で買って身近な友人に勧めていました。使った友人たちはみんな気に入ってくれて私が持ってこなかったら誰がこの商品を日本に持って来るんだという使命感から本格的にビジネスを始めようと考えました。本国との交渉がうまく進まず、それなら、と自分でオリジナルブランドを立ち上げることにしたんです。

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ウエストの透け感がエレガントな印象のClassic。6050円(税込)/Period.

生理イコール「仕方ないもの」「我慢すべきもの」という時代は終わり

――寺尾さん自身はそれまで生理について悩みはありましたか?

20歳ごろまでは、トラブルは少ない方でした。なので、自分の生理周期や量、状態などにも無頓着。カレンダーをつけたこともなかったから、いつ次の生理が来るのかもわからない。それで予期せず生理になって下着や服を汚してしまうなどの失敗をすることも。そんなこともあり、生理はただ「面倒くさいもの」というイメージしかありませんでしたね。

ところが就職して仕事も忙しくなったころ、定期的にイライラしたり落ち込んだりするようになったんです。最初はメンタルの病気かと思っていたのですが、ちょうど生理について調べていたこともあって、この症状はPMSだということがわかったんです。それから婦人科に行ってピルを処方してもらったら、感情の起伏が減って生理の量も減りました。あんなに死ぬほど辛かったPMSが、ピルを飲むだけで劇的に改善して驚きましたね。

そうやって私は吸水ショーツについて調べるところから、自分の体や不調の原因について知ることができたわけですが、まだまだ生理が辛くても我慢している人や、病院に行くのを後回しにしている人も多いと思います。ぜひ自分の体のことをよく知って大切にしていただきたいですね。

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お腹がすっぽりと隠れる安心感のあるデザインも。High Waist 6600円(税込)/Period.

――生理痛があったりPMSがあったり、やっぱり「生理ってわずらわしいな」と思うことが多いです。毎月のことなのにいつもストレスを感じてしまいます。

そうですよね。生理中は、体の辛さだけでなく、外的要因から来るストレスもあります。例えば、生理用品を入れなきゃいけないからお気に入りの小さいバッグが使えない、公共トイレのボックスに触るのに抵抗がある、会社でトイレに行った際ナプキンを持っていくのを忘れたことに気づき取りに戻る、など。

ほかにも、生理の始まりや終わり頃にもストレスはあります。ナプキンを持っていない日に生理になってしまったとか、反対に生理になるのを想定してナプキンをつけていたのに結局ならずにナプキン1枚無駄にした、とか。終わりも「ほとんど出血もなくなったけど、念のため今日はナプキンつけておいた方がいいかな。(で、結局必要なかった)」とか。そういった生理に関するネガティブなことって私たちの周りにたくさん存在しているんです。

ですが、「仕方ない」「我慢して乗り切る」という時代ではもうないと思います。「Period.」や他のフェムテック商品を上手に取り入れることで、快適な生理期間が過ごせると思っているし、そうしないといけません。だって、生理は人生のうち約40年もの間付き合っていかないといけないものですから。

プロフィール

寺尾彩加さん

1994年生まれ。東京都出身。Period.ファウンダー。2016年に新卒入社した会社でクリエイティブコンサルタントとして従事した後、広報を経験。在職中に海外の吸水ショーツと出会い、2019年日本初の国産吸水ショーツブランドPeriod.を創業。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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