「性をコソコソ学んできた」世代が、未来のために今できること|Z 世代の起業家・鶴田七瀬さんに聞く

 「性をコソコソ学んできた」世代が、未来のために今できること|Z 世代の起業家・鶴田七瀬さんに聞く
鶴田七瀬さん

20代の起業家・鶴田七瀬さんが、性教育の知識を広げる活動をするために設立した一般社団法人ソウレッジ。インタビューの後半では、性教育を取り巻く環境の変化をはじめ、性教育を「コソコソ学んできた」とも言える30代以上の大人たちにこそ伝えたいことなど、お話をお伺いしました。

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世代差なく感じる性への「恥ずかしさ」

――鶴田さんがソウレッジを設立した2年前と比べると、最近は生理の貧困化やフェムテック市場の拡大など、性の問題を取り巻く環境が大きく変わってきているのかなと思います。

環境の変化は、かなり感じています。私が活動を始めたのは4年前ですが、その当時は性教育という言葉自体に恥ずかしさを感じるという人が私の周りにもたくさんいました。

私が活動を始めてから「大事だと思うようになった」と言ってくれる友人もいましたし、最近ではシオリーヌさんらYouTuberの方が活躍されていたり、取材を受けた女性誌の記事がその年の閲覧数ナンバー1になったり。その記事は、子育てをするお母さん世代に向けた内容だったので、自分が感じているだけでなく興味を持っているお母さん方が多いんだなと実感しました。

「自分は性教育を全く受けていなかったと気付きました」とフィードバックをいただくことも多いですし、高校生から同世代、30代、40代といった上の世代の方など、さまざまな方からメッセージをいただくようになりました。

――発信力があるZ世代の方はアクティビストも多いので、オープンな印象がありますが、鶴田さんの周りの若い方でも、性の話題は「恥ずかしい」と思うものなのでしょうか。

「恥ずかしさ」は、もちろんありますね。私自身、活動を始めたころは具体的な単語を発することに対しての恥ずかしさを1年くらい引きずっていましたから。大切だと思っていても、言葉にするのってやっぱり恥ずかしくて。友人でも、そういう恥ずかしさを持っている子が多いです。

その恥ずかしい気持ちは持っていて当然、仕方ないと思うんです。私たちの世代も性の話題は「はしたないこと」と言われて育ってきたので。だから「恥ずかしくないよ!」とは言えない。

でも、恥ずかしくても知識を得る方法はあると思うので、まずはできるところから始めてみてほしいんです。ちょっとずつ日常的に触れられる機会を増やしていってもらえたらという思いでソウレッジの活動をしているので、私たちの製品で一緒に性教育の最初の一歩を踏み出してもらいたいなと思います。

――「恥ずかしさ」というのは世代問わず持っているものなんですね。性教育について話すなかで、上の世代とギャップを感じることはありますか。

価値観に関してはあまりないですね。というのも、学校で受ける性教育の世代差ってほとんどないんです。多分、30代以上の方も男女別々で生理や体の仕組みの話をするという感じだったと思いますが、20代の私たちもほぼ同じでしたから。

私たちの世代はちょうど七尾養護学校の事件(※知的障害のある子どもを対象とした七尾養護学校での性教育プログラムが、指導要領から逸脱したもので不適切だと問題になった事件)があって、性教育について負の期間だったんですね。それが尾を引いて、今も学校や担当の先生によって対応が違うといった部分があると思います。

とはいえ、性教育とは別の形ですが、生命(いのち)の安全教育(※性犯罪・性暴力の被害者にも加害者にもならないための教育事業)が始まったり、来年からは性暴力についてなどの研修を必須とする、わいせつ教員対策法が施行されたりと、最近は少しずつ変化も感じます。

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Text by Mitsue Yoshida

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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