セックスに関することだけが性教育ではない|40代こそ学び直したい「本当の性教育」とは

 セックスに関することだけが性教育ではない|40代こそ学び直したい「本当の性教育」とは
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性の健康に関するアクティビストでありメノポーズカウンセラーの小林ひろみさんに、40歳からの性生活や更年期をより良いものにするためのアドバイスをいただきます。

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近ごろメディアによく登場する性教育。現在、子育て中の人は積極的に耳を傾けているかもしれません。性に関する教育の本も昨年は多数出版されました。しかし子育てを終えた、または子どもがいない人たちは、周りが騒ぐほど関心がないかもしれません。5年ほど前に子育てを終えたある40代女性は「うちは男の子だったから、性のことは男親が教えたほうがいいと思って、夫に言ったけど何も子どもに話してくれなかった」と、家庭で性に関して教える必要性を感じていたけど、自分に知識がなかったので、教えることなくそのままだったそう。子どもが成長し自立した現在、性教育を取り上げるテレビ番組をみてから、AVをお手本にしてはいけないとか、女の子がイヤがっているのにからだに触れてはダメとか、恋人同士だからといっても相手に同意を取る必要があるなど知り、他人のからだに勝手に触れてはいけないなど基本的なことは、幼少期から学ばせるのがいいと感じたそうです。

性教育
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性教育=セックスのこと、だけじゃない

メディアでよく取り上げられる性教育。実は今まで私たちが学んだことがあるような性教育とはちょっと違います。保健体育で学ぶ性教育は、受精や出産、性感染症予防について、一方でWHOやユネスコなど複数の国際機関が合同でまとめた国際セクシュアリティ教育ガイダンス※(以降ガイダンス)は、生殖や性感染症だけに留まらず、ジェンダー平等や人権、人間関係、コミュニケーションなど生きていく上で必要なスキルを5歳から段階的に学べるように構成されています。このような性教育は「包括的セクシュアリティ教育」といいます。日本は国際基準と比較し、性教育が不十分であることを背景に、医療従事者や教育者が立ち上がり、性教育に関する書籍出版や学校講演を行っているのです。

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小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。日本性科学会会員。性と健康を考える女性専門家の会 理事。デリケートゾーンブランドYourSide、潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛について情報発信を行う。幅広い性交時の痛みに関する情報サイト「Fuan Free (ふあんふりー)」を運営。



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