【体験談】フリーランスに転身した私が身に付けた、弱みをさらけ出して「自分だけの王国」を築くコツ

 【体験談】フリーランスに転身した私が身に付けた、弱みをさらけ出して「自分だけの王国」を築くコツ
photo by 書籍『ポンコツなわたしで、生きていく』(技術評論社)
竹田歩未
竹田歩未
2023-10-14

「生きづらい世界をいい感じに泳ぐ」をテーマに活躍中のフリーランスライターいしかわゆきさんにインタビュー。ご自身の書籍『ポンコツなわたしで、生きていく。〜ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜(技術評論社)』を基に、フリーランスの心構えから人間関係のコツまで、いしかわさん流のノウハウを取材しました。自分にフィットする環境を模索中の方にとってヒントになるはず。

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ーー書籍の中に「嫌われてもいいと思い始めたら、人間関係は楽になる」とありますが、そう思えるようになったきっかけや理由はありますか?

いしかわさん:フリーランスになったことは大きな転機だと思います。フリーランスになって4年経った今は、仕事を自分で選べるしむしろ選ばないといけない状況。最初の頃は、依頼してもらった仕事を全部受けていたんですが、タスク量が膨らみすぎてしまったことがありました。でも、依頼内容をよく見たらそこまでやりたいことではなかったり、自分と親和性が高くなかったり。だから、自分で取捨選択する必要があると思いました。

それは仕事に限らず人間関係も同じ。相手と接していてどうしても合わない部分を不愉快に感じたり、雑に扱われていると感じてしまったりする瞬間はあると思うんですが、フリーランスになるとそういう部分にも敏感になってきて。選ぶ必要があるからこそ、全員と仲良くする必要はないし、わたしを尊重してくれる方とお仕事がしたいと考えるようになってきたんです。そうやって仕事上の人間関係が変化すると、プライベートの人間関係も変わってきました。

というのも、フリーランスの仕事はいかに時間を確保するかが重要だから。以前なら、ドタキャンされてもそんなに目くじら立てなかったと思うんですよ。でも、今同じことをされたら、この時間でもう一つ仕事を受けられたのにと思うようになってきて。相手にとってわたしの優先順位が低い、つまりは自分を尊重してくれない人に好かれても仕方がないし、こちらが気を遣って仲良くする必要はない。だから嫌われても問題ない。そう思えるようになったのは、やっぱり自分が選ぶ意識を持ったからですね。

実は学生時代、無難な笑顔でいればみんなから好かれると思っていたんです。そしたら「ニコニコちゃんは良いね」と嫌味のようなことを言われてしまって(笑)。印象よく生きていても嫌われることがあると気づいてからは、全人類に好かれるのは無理だと悟りました。最低限、自分が仲良くなりたいと思う人と仲良くできていればいいというマインドになりましたね。

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photo by 書籍『ポンコツなわたしで、生きていく』(技術評論社)

自分の思考に共感してくれる仲間を探す

ーー人間関係についての無駄な悩みも減りそうですね。

いしかわさん:そうですね。私は「自分だけの王国を築こう」とよく言うのですが、自分の生きやすさは環境次第で大きく変わると思っています。極端な例ですが、わたしの場合遅刻癖が酷く時間をきっちり守れないので、割と日本社会では淘汰されるんですけど、もしそれがフィリピンならそこまで問題になってないはずなんですよ。環境が変われば自分が受ける反応も変わっていく。わたしは自分の中で変えられない性質を理解しているから、そのままでも良いと認めてもらうために、自分が生きやすい国を作っていく必要があると思ったんです。

人間ってそれぞれ自分の中に「普通」があると思うんですが、仮にその「普通」が全く違う人に出会った時に、真っ向から主張すると対立関係になってしまう。お互いをダメな人間として扱うと思うんですが、「自分だけの王国を築く」というスタンスでいれば、「あなたは別の国の人間だから仕方がないね」と考えられる。そうやって、価値観が合わない人を自分の国から排除していくと自分だけの王国が出来ていくわけです。

あとは、日頃からTwitterで自分の考えや特徴、苦手な項目を大々的に伝えると、それを受け入れられない人は勝手にわたしの王国から出て行ってくれますね。逆に、それでも受け入れてくれる人たちは王国に残ってくれる。そうやって、自分のスタンスをアピールして、共感してくれる人たちだけに周りに居てもらう状態が「自分だけの王国を築く」メリットだと思っています。なので、クライアントさんとのやり取りも工夫しています。わたしは締め切りを守るのが苦手なので、嘘の締め切りを教えてもらうようにお願いしています(笑)。実際より前倒しの日程を設定してもらうんです。友達には、「明日遅刻するかもしれないから、モーニングコールして〜!」と頼むこともあります。

ここでわたしが意識しているのは、とにかく自分の思考をオープンにすること。考え方に共感してくれた人たちは、表面上だけじゃなくて、もっと深い部分で自分のことを好きになってくれると思うんですよね。

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竹田歩未

竹田歩未

ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub



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