【体験談】フリーランスに転身した私が身に付けた、弱みをさらけ出して「自分だけの王国」を築くコツ
弱みを素直にさらす大切さ
いしかわさん:もう一つ大切なのは、弱みをさらすこと。弱みを隠した状態で人と仲良くなったら、本当の自分が見えた瞬間に幻滅されるじゃないですか。でも、最初から弱みを見せておくと、「それでも、あなたがいい」と思ってくれる人だけが残るようになる。自分が考えていることや苦手なことを積極的に開示すれば、王国が自然に築かれていくんじゃないでしょうか。
こういうスタンスでいると、仕事上でも、例え納期に微妙に間に合わなくても、わたしの思考に共感してライティングを頼んでくれるクライアントさんが増えてきます。「いい原稿さえ書いてくれたら大丈夫です!」って言ってくれるんですよ。そうやって、だんだんとわたしの王国に入国してくれる人が自分に合っている人だけになっていきますね。もちろん迷惑をかけている可能性もあるんですが、その場合はお互いのために良くないので退場してもらって…(笑)。去る者追わずという感じです。
ーーーフリーランスに関わらず、この姿勢って大事ですよね。
いしかわさん:はい。わたしの場合はちょっとワガママすぎると思ってはいますが、その一方で他のみなさんは逆にワガママじゃなさ過ぎるとも感じます。無理して人に合わせたり苦手なことを頑張って隠そうとしたり、そういう場面って少なくないはず。でも、そうすると、いずれ異国の民が集まってきてしまう。だからやっぱり素直に出していった方がいいと思うんですよね。それによって信用や人間関係を失うことが無いは言い切れませんが、わたしはそれでも今の生き方がいいと考えてます。
ーーそれは、SNS時代だからこそできたことなんですかね?
いしかわさん:確かにSNSによって分母は増えたとは思いますが、リアルでも難しくないと思います。わたしは初対面の人にも自己開示をするようにしますし、興味がない時はちゃんとつまらない顔をしたほうがいいと思います。じゃないと合わない人が来ちゃうから!
ーー なるほど。わたしは最初から自己開示できるタイプじゃないので感心します。
いしかわさん:無理してオープンにする必要はないと思いますが、自分の素直な気持ちを表しておかないと、ずっと興味のない話をされたり、全く興味がない人と付き合う羽目になってしまうと思うんですよね。例えば、合コンでモテるために自分の好みではないゆるふわなファッションをして、結果モテたとしてもその人が好きになった対象は本来の自分ではない。そんな状態で好かれても嬉しくないし、その後も苦しさが続いてしまう。本当のわたしはカジュアルな格好が好きなのにって。なのでやっぱり自分の好きな言動で生きることが大切だと思いますね。
気分が落ち込むときの対処法
ーー自分の「ポンコツ」な部分を嫌になってしまう時はどうやって自分を勇気づけていますか?
いしかわさん:わたしは自分のことをすぐに嫌になりやすいタイプで、それをいわゆる「ポンコツ」と表現しています。普通の人ができることができなかったり、周りに怒られることも多いので、自分を嫌いになりそうなこともある。ちなみに今、ちょうど旅行中なのですが、センシティブすぎてホテルが変わるたびに眠れなくなって、次の日も眠い状態だと何もできずに落ち込んでしまいます。一緒に旅行している友達は朝からバリバリ仕事しているのにわたしは…って。
こんな風に仕事に上手く取り組めなさそうな日は、自分なりの勇気づけの方法として何か一つでも生み出すことを意識しています。わたしの場合は、noteを一本書くとかラジオを収録するとか。小さなことでもいいから人のためになることをやる。大前提、人間って生きているだけで偉いと思っていて。生きるのって大変だし、厳しいことだらけだけど、些細な事でも他人に貢献出来たら、自分を好きになれる気がします。
自分の機嫌を取る3つの方法
ーーほかに、自分を好きになるためにやっていることはありますか?
いしかわさん:会社員の時からやっていた方法で、スマホの画像フォルダに「自己肯定感を上げる用フォルダ」を作るのは簡単でおすすめです。中に人から褒められた言葉を入れておくんです。上司にかけられた言葉、クライアントさんからのフィードバック、友達からの誕生日メッセージとか。普段どんなに褒めてもらっていても、気分が下がっている時って思い出せないじゃないですか。だから、いつでも取り出せるようにしておく。そういう工夫が自分の助けになっています。
ーーそうやって見える形にしておくって大事ですよね。
いしかわさん:そうなんです。それと、最近やっているのが外的要因にするという考え方。上手くいかない時、その原因を自分の中だけで探すと苦しくなる。だから、原因を自分の中ではなく外側で探してみるのも悪くないかと。例えば、「今日は低気圧だからやる気が出ない」と気候のせいにしたり、元気がないのは運動していないから、野菜を食べていないから、とか。実際に何が原因なのかは重要ではなくて、自分の気持ちを保つために一旦は外的要因のせいにしておく。メンタルが落ちて卑屈になりすぎても仕方ないから。わたしは割と万物のせいにしてます(笑)!
もし、どうしても一人で解決できない場合は、親しい人の手を借りるのも良いかと。ずっと自分で自分のことを見つめていると悪いところばかり出てきがち。ここもダメ、あれもダメという風に。なので、第三者の目線は必要です。そういう時は素直に「今自分を肯定できなくて辛いんだけど、わたしの良いところって何だと思う?」と聞いて、代わりに見つけてもらいます。
ーー考え方次第でいろいろ工夫できるポイントがありますね!
プロフィール:いしかわゆき(ゆぴ)さん
早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系卒。Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆するかたわら、声優やグラフィックレコーダーとしても活動中。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信している。著書『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』は3万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』など。「書く+a」のスキルを学ぶスクール「Marble」運営。
Twitter:@milkprincess17
いしかわゆきさん執筆書籍
『ポンコツなわたしで、生きていく。 〜ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜』¥1,650(税込)
AUTHOR
竹田歩未
ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub
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