暑いわけでもないのに「喉が渇く…」実はうつ病一歩手前のサイン?精神科医が解説

 暑いわけでもないのに「喉が渇く…」実はうつ病一歩手前のサイン?精神科医が解説
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豊田早苗
豊田早苗
2023-10-09

暑いわけでもないのに、妙に「喉が渇く…」…それ、もしかしたらうつのサインかもしれません。

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「喉が渇く!」は、うつ病一歩手前のサイン

暑い夏ならば、喉が渇くのは当然のことです。でも、もし、暑さが和らぐ秋以降に、「異様に喉の渇きを感じる」「唇や口の中が乾燥して仕方ない!」となったら、それは、うつ病一歩手前の状態かもしれません。

何故?

そうですよね。

うつ病とは無関係と思われる「喉の渇き」がうつ病一歩手前のサインなんて、ちょっと驚きですよね。

でも、喉の渇きや口の中の渇きを訴えて病院を受診する人の1割は、うつ病であったとする調査データもあるんですよ!

何故、うつ病で、喉の渇きが起こるのでしょうか?

自律神経のバランスの乱れが喉の渇きを引き起こす

自律神経には、体を活動モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経の2つがあります。

そして、交感神経が、心臓の動きを活発にしたり、血管を収縮させて血圧を上げるなら、副交感神経は、心臓の働きを抑え、血管を拡張させて血圧を下げるといった具合に全く真逆の働きをします。

真逆の働きをする2つの自律神経がバランスを取ることで、体調が崩れないよう調整しています。

ところが、ここにストレスが加わると、体はストレスに対抗しようと、交感神経の働きを強めてしまいます。(警戒状態)

一時的なストレスの場合は、時間の経過とともに、警戒状態は緩和。

また元のバランスの取れた状態に戻りますが、慢性的にストレスが加わると、警戒状態が緩和されず、交感神経の働きが強い、つまり、2つの自律神経のバランスが崩れた状態になってしまいます。

そして、交感神経は、唾液の分泌に関しては、低下させる方向に働くため、交感神経の働きが強い警戒状態が持続していると、唾液の分泌が悪くなります。

結果、喉が渇く!口の中が乾燥する!唇が渇く!などの症状が引き起こされます。

自律神経
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自律神経症状は、メンタル症状よりも早くから起こる!

うつ病と言うと、やる気が出ない、気分が落ち込むなどのメンタル面の症状が出ることは、誰もがよく知ることですが、うつ病では、メンタル面の症状だけでなく、さまざまな身体症状も現れます。

そして、喉の渇きは勿論、うつ病で起こりやすい身体の症状(体のだるさ、頭痛、微熱、フワフワするめまい、食欲低下など)は、一般的に自律神経のバランスが崩れたことが原因で起こっていることが多いです。

また、こうした体の症状は、気分が落ち込む、やる気が出ない等のメンタル面の症状が出るよりも先、だいたい1ヶ月前に現れます。

ですので、喉の渇きは、うつ病一歩手前の症状というわけです。

まとめ

うつ病一歩手前のサインとして、よく見られる「喉が渇く」という症状について説明してきましたが、注意してほしいのは、「喉が渇く」症状は、うつ病だけに起こるものではない!ということです。

糖尿病やシェーグレン症候群(自己免疫疾患の1つ)など、体の病気でも起こります。

ですので、喉の渇きを感じた時、うつかも?と短絡的に思ってしまうのは危険で、体の病気の可能性も考えなければいけません。

見分けがつかないなら、こんな記事書くな!と思われるかもしれませんが、心の病気は、患者さんからの訴えが全て。

患者さんが色々なことを話してくれるから、診断することができるのです。

だから、もし、内科を受診しても原因が分からない、なかなか治らない場合は、うつかも?と思って頂きたく今回の記事を書きました。

必ずしも、メンタル的な症状だけがうつ病の症状ではないことを頭の片隅にでも入れておいて頂ければと思います。

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豊田早苗

豊田早苗

鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。「病気を診るのではなく、人を診る」を診療理念に、インフォームド・コンセントのスペシャリストと言われる総合診療医として勤務した経験を活かした問診技術で、患者さん1人1人の特性、症状を把握し、大学病院教授から絶妙と評される薬の選択、投与量の調節で、マニュアル通りではないオーダーメイド医療を行う。精神療法、とくに認知行動療法を得意とし、薬を使わない治療も行っている。



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