「もう無理…」と感じた時。更年期女性のための「逃げ時」見極め術|賢く選択するための5つのサイン

 「もう無理…」と感じた時。更年期女性のための「逃げ時」見極め術|賢く選択するための5つのサイン
Adobe Stock
高本玲代
高本玲代
2025-04-11

「もう無理…」と感じた時、更年期の女性は「逃げるべき」か、それとも「頑張るべき」か──。 その判断を誤ると、心身の不調が悪化したり、人間関係にヒビが入ったりする可能性があります。 更年期は、体の変化だけでなく、仕事や家庭での役割の変化も重なる時期。 「逃げる」ことが必要な場面と、「向き合う」ことで乗り越えられる場面を見極めることが、この時期をラクに生きるコツです。 この記事では、更年期の女性のカウンセリングをしている筆者が、「逃げるべき時」と「逃げてはいけない時」の判断基準を解説します。 さらに、実際のケーススタディを交えながら、具体的な対処法をお伝えします。

広告

【更年期の「逃げるべき時」5つのサイン】

1. 体が「限界サイン」を出している時

更年期は、ホルモンバランスの乱れから、疲れが抜けにくくなります。以下の症状が出たら、無理をせず休むべきサインです。

逃げるべき症状例
・寝ても疲れが取れない
・動悸やめまいが頻繁に起こる
・頭痛や肩こりが慢性化している

<ケーススタディ>50歳・Aさん(会社員)
Aさんは責任あるポジションに就き、残業が続いていました。ある日、電車で突然動悸がし、呼吸が苦しくなり救急搬送。医師から「更年期の自律神経失調症+過労」と診断され、1ヶ月の休養を勧められました。
⇒この場合、仕事を一時的にセーブする「逃げる選択」が正解。

2. 人間関係で消耗し続けている時

更年期はイライラしやすく、これまで我慢できたことが耐えられなくなる時期。特に、以下の関係性は「距離を取る」ことを考えましょう。

逃げるべき人間関係
・愚痴やネガティブ発言ばかりする人
・「更年期なんて気のせい」と理解のない家族
・パワハラ気味の上司や同僚

<ケーススタディ>48歳・Bさん(主婦)
Bさんは、姑の「体調不良は甘え」という発言に我慢し続け、うつ状態に。カウンセリングを受け、「週1回だけ実家に帰る」と線引きしたところ、ストレスが激減。
⇒逃げる=関係を断つではなく「適度な距離を保つ」のも有効。

3. 「やらなければ」が口癖になっている時

更年期は「完璧主義」が仇になる時期。以下の思考パターンに当てはまったら、一度「手放す勇気」を持ちましょう。

逃げるべき思考
・「私がやらないと回らない」
・「みんなに迷惑をかけてはいけない」
・「この年で弱音を吐きたくない」

<対処法>
「70点主義」に切り替える。家事は時短家電に頼る、仕事はデリゲーション(業務分担)するなど、「できなくてもいいこと」を明確に。

【更年期の「逃げてはいけない時」3つの場面】

1. 病院に行かず自己判断している時

「更年期だから仕方ない」と諦め、受診を先延ばしにしている場合。以下の症状は、更年期以外の病気が隠れている可能性があります。

 逃げてはいけない症状
・激しい頭痛(脳血管疾患の疑い)
・異常な倦怠感(甲状腺機能低下症など)
・不正出血(子宮体がんのリスク)

また、「大したことはない」と放置すると深刻になるケースも。ご相談に来られるほどんどの方は、最初はちょっとした違和感や疲れから始まっています。

<ケーススタディ>52歳・Cさん
「ほてりと疲れは更年期のせい」と思い込んでいたが、血液検査で「橋本病」が判明。適切な治療で症状が改善。
⇒更年期と似た症状でも、必ず医療機関でチェックを。

2. 運動や食事改善を避けている時

「面倒くさい」と運動や栄養管理を後回しにすると、更年期症状が悪化する悪循環に。

 逃げてはいけない習慣
・運動不足(骨粗鬆症・筋肉量減少のリスク)
・ジャンクフード依存(血糖値スパイク→イライラ増加)
・睡眠軽視(ホルモンバランスの乱れを加速)

<対処法>
「1日10分の散歩」から始める。無理なダイエットではなく、「タンパク質+食物繊維」を意識した食事に切り替える。

3. 将来の準備を先送りしている時

更年期は、老後資金や健康管理の「ラストチャンス期」。以下のことを後回しにすると、後々苦労します。

逃げてはいけない準備
・健康診断の受診
・年金や保険の見直し
・定年後のキャリアプラン

<ケーススタディ>49歳・Dさん(自営業)
「まだ大丈夫」と健康診断を避け続け、60歳で糖尿病を発症。初期段階で気づけば生活習慣で防げた可能性が…。
⇒更年期のうちに健康・お金の基盤を作ることが大切。

【まとめ】更年期をラクに生きる「逃げる技術」

更年期の「逃げるべき時」と「逃げてはいけない時」を見極めるコツは以下の3点です。

1. 体の声を聞く(無理は禁物)
2. 人間関係の「消耗度」をチェック
3.医療的リスクは絶対に避ける

「逃げる」ことは決して悪いことではありません。むしろ、「賢く逃げる選択」が更年期を乗り切る秘訣です。
「もう限界」と感じたら、一度立ち止まり、この記事の判断基準を参考にしてみてください。あなたの心と体が、きっと楽になりますよ。

広告