【生理中の選択肢を増やしたい…】3児の母でもある開発者に聞く、使い捨て「月経ディスク」誕生秘話
男性に生理の実態をわかってもらう工夫
ーーー「令和の虎」(※)でプレゼンを行い、資金調達に成功した向井さん。プレゼンの相手が男性の場合、生理について理解してもらうためにどのような工夫をしましたか?
向井さん:500人の女性にアンケートをして、結果を持っていきました。説得力を増したかったので、なるべく数字をベースにして。内容は、ナプキンユーザーの割合、女性が感じている生理中の悩みや、生理用品購入時の消費額などを盛り込みました。
※一般人起業家である志願者が事業計画をプレゼンテーションし、投資家たる審査員が出資の可否を決定するという番組内容の、YouTubeで配信されているリアリティ番組。
ーーー相手にはすんなりと理解してもらえましたか?
向井さん:最初はポカンとしてる感じでした。「令和の虎」に出る前に、製品作りのパートナー探しの過程で男性を相手にプレゼンを重ねてきて、男性の生理に対する理解度をある程度わかっていたこともあり、彼らに説明することについては抵抗がなかったです。むしろ女性に向けて話す方がちょっと怖かった。
ーーーそれはどうしてでしょうか?
向井さん:女性の方が固定概念が強くて、腟内に入れるタイプの生理用品は拒絶されてしまうこともあります。というのも、男性の方が女性の身体を触る機会が多く、商品がどの部分に挿入されるのかを想像してもらいやすい。ですが、女性の場合は自分の身体に触れる機会が少ない故に、性器周りの構造を知らない方も多い。だから、女性に説明するほうが意外と難しいんです。
ーーーなるほど。批判的な意見はなかったですか?
向井さん:沢山ありましたよ。工場を探す段階では生理関係の商品にあまり知識がない方にお話しする機会も多かったですし、中には全く話を聞いてもらえないこともありました。現状、日本では約90%の方がナプキンを使っているし、品質も高い評価を受けています。新たに月経ディスクを販売しても需要があるのかという鋭い意見もありました。
AUTHOR
竹田歩未
ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub
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