陰ヨガが心と体のバランスを整える理由|ストレスや疲労を解放する陰ヨガ12のポーズ
陰ヨガとはどういうものなのか
最近は陰ヨガの名をよく耳にするが、ヨガの様式としてはかなり独特なものを目指しているもので、陽のヨガと並んで心と体のバランスと調和を図ろうとしている。一般に、(アイアンガーヨガ、アシュタンガヨガ、ヴィンヤサヨガのような)陽のヨガでは、筋肉を繰り返し収縮させることが重視されている。このようなヨガでは、筋肉とそれを包む筋膜(結合組織)を伸ばして強化するダイナミックなフローを通じて、体を動かしている。一方、陰ヨガでは、受動的で静的な姿勢を長時間保つことが重視されていて、筋肉はゆるんだ状態にある。このとき、筋肉と関節の内側や周辺に密集している結合組織は、刺激されていくらか伸び、最終的には強化される。陰ヨガは陽のヨガの練習を補うようにつくられている。陰ヨガは単独で独立したものではなく、陽のヨガの伴侶、残り半分のヨガである。陰ヨガは最初、直感に反したものに感じられるかもしれない。たとえば、陰ヨガのポーズによって体が穏やかなストレスに浸かると、ポーズを終えた途端にその部分に目立った脆弱性を感じることがある。気持ちよく感じるよりもむしろ、こわばった感じがするかもしれない。10歳か20歳くらい老けてしまったかのように。陰ヨガのように気持ちよさそうに見えるものが、どうして少なくとも最初はそんなに不愉快に感じるのだろう。私が「瞬間的組織痛」と呼んでいるものにその原因がある。このように考えてみよう。あらゆる効果的な運動をした直後には、筋肉を酷使しているために、その余波として筋肉組織に一時的な弱さがみられる。しかし、休息して回復する時間をおけば、体はストレスがかかった組織をいっそう強く健康にする。これが陰ヨガをしている間に起きていることであり、陰ヨガとリストラティブヨガの大きな違いでもある。陰ヨガが強度、水和作用、可動性を促進するべく組織に特定のストレスをかけようとしているのに対して、リストラティブヨガは体に著しいストレスをかけずに深いリラックス状態が生じるように体を支えることを目指している。狙いも異なれば、実際に経験することも異なっているわけだ。
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