冬こそリストラティブヨガをすべき理由
注意力や集中力を高める効果も
筋肉の緊張を取ったり、関節の痛みを和らげたり、心身をストレスから落ち着いた状態へと変えたりするのには、実は、睡眠よりもリストラティブヨガの方がよいのだとコールは言う。「このヨガは、意識的にリラックス状態をコントロールすることも教えてくれる。睡眠は、神経系を完全に回復させたり、記憶や感情を整理したり、自分の人生の本当の意味合いを見つけ出したりするという役目を果たすために欠くことのできないものなんだよ」と彼は続ける。即座にもたらされる鎮静効果に加えて、定期的にリストラティブヨガを実践するコールの生徒の中には、注意力や集中力が高まったと感じている人もいる。だが、もっともパワフルな効果は、測定するのは難しいかもしれない。
「体が深くリラックスし、神経系のバランスが整っているときには、自分が直接体験することにマインドを向けることができるんだ」、とボストンを拠点にするヨガ療法の指導者、心理学者であり、『Yoga for Emotional Balance』の著者である、ボー・フォーブスは言う。「時間が経つにつれ、この体を基盤にした気づきが、複雑な状況においても、しっかりと全体像を見渡す助けとなるんだ」。
回復というものは、シャヴァーサナのようなポーズを通して、常にヨガに組み込まれてきた。だが、ケガや病気、重労働などで苦しむ人々を助けるために構成された、回復を促すシークエンスを初めて体系化し、発展させたのは、現代のプラクティスの父である、B.K.S.アイアンガーだ。今日では、大抵のヨガスタジオのスケジュールに、リストラティブヨガのクラスがある。
ニューヨークのポートワシントンでOm Sweet Om Yoga を主宰し、『Restorative Yoga for Life』の著者であるゲイル・グロスマンは「クラスを受ける人たちには、これはある意味、一番難しいクラスだって言うんだ。体を動かさないでいるときには、マインドの動きを止めておくのが難しいけれど、そこがプラクティスの核となるところ。それはまた、最大限の成長、深いリラクセーション、そして本当の意味での健康への最たる可能性を見いだすところでもある」。グロスマンは、これから紹介するシークエンスを、ヨガジャーナルのために特別に構成し、少なくとも週一度はリストラティブヨガのプラクティスを行って、その効果が長期間持続するのを感じてみるようにと勧める。十分な時間をとって体のポジションを試し、その間だけでも、がんばらなくてはと思う気持ちを手放すようにしてみよう。
今年のせわしないホリデーシーズンには、この50分のリストラティブヨガのシークエンスのプラクティスをできるだけ頻繁に行ってみよう。時間がとれない場合は、週一度行うだけでも、効果を感じることが可能だ。静かで暗めのスペースにプロップスを用意し(ヨガ用のブロックやボルスターがない場合は、本や枕を使おう)、休息や消化、最終的には活力を回復させる助けとなるポーズをとって落ち着こう。リストラティブヨガは、受け身になって行うプラクティスだ。行った後には心が開くのが感じられ、自分自身とも他の人たちとも、より愛情を持って関わり合うことができるだろう。
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